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#12 砕け散る記憶

あの日、私はビルから飛び降りた。ビルの最上階から勢いよく飛び降りた。

なのになぜか怪我は骨折と打撲で済んだ。怪我はそれだけだった。でも記憶はほとんど無くなった。いや、誰かに渡した。皆とこれからも活動できることと引き換えに。

記憶がほとんど無いせいで皆に迷惑は確実にかかるだろう。もうそこは割り切っている。あとはいかに迷惑をかけないかだ。最小限に留めなくてはいけない。

皆は知らなくて良い記憶とか、戻らなくて良い記憶とかはあるって言っていた。でもそれが何だか気になってしまう。でも知ったところで後悔するだろうと思うと、今の嫌なことを忘れた状態の時間を噛み締めていきたい。嫌なことが戻らないでいてほしくて、良いことは戻ってほしいって、なかなかそんなことは無いしそもそも記憶を無くすことすら珍しい。悲劇の夢物語みたいだがこれは現実らしい。とにかく夢は夢として願い続けよう。いつか、確率は低いけど叶うかもしれないから。

いつまでこれが続くのかな……。先に進んでほしいのに進んでほしくない。もどかしい。悔しい。申し訳ない。そんな気持ちを抱えながら今日という1日を過ごした。

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【前回の答え】影望 Miriadのリーダー。変わったヘアスタイルだが、彼女いわくあれはウィッグらしい。コスプレではないらしい。 詳しいことは連載「モノトーンライブラリー」にて。

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