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ほのぼのしてる、、、ほのぼの最高ですッ!不穏ではなさそうでよかったです!
〈peint side〉
一目惚れだった
目にかかるほどに伸びた艶のある直毛から見えるまるで深海を飲み込んだような奥ゆかしい瞳と、綺麗な鼻筋に陶器のように美しい白い肌。
すらっと長い手足は骨張っているけれど、どこか柔らかさを纏うその声
出会った瞬間心臓がトクンと跳ねて、心に彩りがされていくその香りを感じてその感情がどう言った物なのかを理解するには時間はかからなかった
初対面でこう思うだなんてどうかしていると思っていた。
あまり自分で言うことではないかもしれないが、よく聞かれる恋愛観では割と内面で惹かれることが多くて外見はそこまで気にしないと答えていた。それに実際、内面を見て恋をすることが多かったし
というか、外見を意識しなくても相手が十分に気を遣っている小さな努力に惹かれて気にならなかったのかもしれない
でも今回は前例にない。
はじめましての赤の他人で
不法侵入してきちゃうような人で
あ、実際には違ったか
でもでも、初めからタメ口で話してきて
それでいて、男性である。
べつに好きになる条件として性別が女であることが絶対条件だと思ったことはないけれど、本当にそんなことがあるのかと自分でも驚いていた
残りの届いた荷物を整理しながら他愛もない話を繋いでお互いを知ることにした。
ゲームが大好きで勉強は好きではない
彼はそう話すけれど話し方の癖や言葉遣いからはそれなりの教養があるようなのがうかがえた
俺は自慢できる話やキラキラと輝く思い出話を持ち合わせているわけではなかったから、彼の話を本や漫画の世界を見つめるように聞いていた
rd 「大学は親に色々と強いられてそれなりのところに言ったんだけど、あんま充実したようなことはなかったかな」
pn 「え、彼女とかは?」
しまった、
スタイルもいいし、話し方もすごく上手くて深い思考力のある彼ならモテるだろうと勝手に想像を広げたが故に口が滑ってしまった
rd 「あー、」
少し濁すかのように声を漏らし眼を泳がす。
さすがに踏み込みすぎてしまっただろうか
rd 「まあ、それなりに?」
pn 「ふーん、というと?」
rd 「いやまあ、そんな多くないっすよ」
pn 「実はいないんでしょ、強がんなって」
rd 「違いますぅ。 モテてたけどね?いないだけね?」
pn 「いないって言っちゃたね?
まぁ、初めましてでタメ口はモテないよ」
rd 「うっわ、言い過ぎね?はいイジメ〜」
揶揄いながらもいないと想定して安堵してる自分がいるから本当に呆れてしまう
rd 「そう言うぺいんとはどうなの」
pn 「えー俺?」
pn 「まあ、それなりには」
rd 「はい、ダウトー。俺の真似すんな
顔にいないって書いてあるよ」
pn 「いや書いてないって笑」
rd 「えじゃあ、元カノ何人?」
pn 「いわないよー」
rd 「じゃあいないんだね?」
pn 「あーまぁ、3人、、くらい?」
rd 「さ、さんにん!?」
ーーえ、3人っておかしい、3人ってことは女の子がいち、にー、
あぁ、このダメージの受け具合を見る感じほんとにいなかったんだこの人。
pn 「あ、でも付き合ってる期間短かったし小学生とかの話だから」
rd 「小学生で付き合う!?」
rd 「もーそんなのカウントしないよ
元カノゼロね、ゼロゼロ」
顔はムカついたけれど、年上の割に子供っぽいところがあってそれが胸あたりをくすぐった
こんな話をダラダラとしていたからか、彼と打ち解けるには時間はかからなかった。
彼が持ち込んだ荷物は無地の洋服に寒色系の小物、シンプルな黒を基調としたゲーム機に分厚い本が何冊か含まれていた
一見落ち着いた雰囲気を纏う彼にぴったりと言えるほどの荷物であったが、性格を踏まえると少し違和感の感じれるほど単調的だった。
それに比べて俺の荷物は自己主張の激しい黄色やオレンジで反対色による調和は取れていたものの一目で好みがわかるようなのが少し恥ずかしかった
pn 「ねぇ、俺の荷物見ててうるさくない?」
もし何か迷惑になってしまってはと心配して聞いてみた
rd 「ん?別に何も感じないけど」
rd 「あ、俺この本知ってる。いいよねこれ 」
逆に今までは寒色ばかりだったから鮮やかになったじゃんと笑う姿から優しさが滲み出ていて眩しい。
その姿はすでに日が沈んでしまった暗い夜空によく似合っていた
デリカシーは欠けている部分もあるけれど、たまに見える真面目さと切実さが感じられる良い人なのだと、そう感じた
rd 「え、なにその抱き枕。ボロボロじゃね?」
pn 「これエビフライ!!ボロボロなんじゃなくて衣がそう見えるだけだし」
前言撤回。
俺のお気に入りのエビフライ抱き枕を見ては腹を抱えて笑っている、、、
ただのノンデリ男じゃないか。褒めたのが馬鹿みたいにだ
そんなに笑うことないじゃんかと半分拗ねながらも彼の笑顔を見てエビフライに顔を埋める
ああ、こしょばいなぁ