※光士郎くんの幼児化※誤字脱字ある可能性有。
※口調及び一人称間違い、解釈違いがあるかもです
それでもいいよという方のみ先に進んでください
まだ自分たちふたりが身分の差など知らなかったほど幼かったあの日、当時から物知りだった光士郎になぜ星はあんなに綺麗に光っているのか聞いたことがある、その時の光士郎の答えを今はもう忘れてしまったが自分にとって大切な言葉だったのは覚えていた。
ーーー
いつも通り”事務所”と言うには少し豪華すぎる建物の中で自分たちクウンクレインは過ごしていた。
今日は依頼もなく平和に過ごせる…はずだったのだが自分が料理をしている時に事件は起きた。
大きな物音がして急いで2人がいた部屋に行くとそこには…
小さくなった光士郎がいた。
「 ヤエ、これはどういうことなんだ? 」
ヤエにそう聞くがヤエはちょうどその時本を読むのに夢中になっていて光士郎がどうしてこうなったのか分からないと言っていた。
「 …どうしたものか…… 」
自分がそう言うと
「 お前、もしかして権兵衛か?少し見ないうちに随分大きくなったな。 」
あの時と同じような声で光士郎はそう言った。
「 違いますよ、自分は権兵衛の親戚です。今日は権兵衛が体調を崩してしまったらしくて… 」
自分が子供になってしまっていることなんて気づかない方がいいだろう、光士郎の性格だったら忘れてしまったものを思い出そうと必死に詰め込むだろうし、今そんなことをしてしまったら光士郎の体に負荷がかかりすぎてしまうのが目に見えている。
そんな嘘をついて胸が痛まないのかと言われればもちろん痛むだが性格が最悪とはいえ幼馴染で主人、そんな人に倒れて欲しいわけが無い、それに今はあの言葉を思い出すにはいい機会だ。
ふとヤエの顔を見る、権兵衛はそれでいいの?と言わんばかりの顔をしているヤエに「 ヤエには勝てないな。 」と感じた、ハッキング等のことは自分の方が得意だが人の気持ちを読み取るというところでは恐らく、いや、絶対ヤエが1番できるし何よりも同じ記録者として話す機会だって多い、だからこそ自分の今の気持ちが彼にも伝わったのだろう。
「 そうなのか……雰囲気が権兵衛に似ているからそうかと思ったのだが…… 」
「 ははっ、親戚だから似てしまっただけじゃないですか? 」
自分がそう言うと光士郎は純の方を見る。
「 それで…そのピンクの方は? 」
「 僕は八重桜純だよ、よろしくね。光士郎くん。 」
ヤエが光士郎に手を差し伸べると光士郎はヤエの手を取り、握手をした。
相変わらず明るい性格をしているな…と思いながら光士郎を見る、もう夜だし依頼が来る心配はあまりないが、光士郎の家柄的にも家に帰る時のリスクがかなり高いため自分はパソコンを使い花散家に連絡して今日は事務所に泊まることにした。
これで一安心…そう思い自分は料理に戻ったのだった。
ーーー
食事中に名前を聞かれた時にごんと名乗ったら「 お前、やっぱり権兵衛じゃないか? 」と聞かれたこと以外にトラブルはなく、一日が終わりかけていた、普段の光士郎だったら本を読んだりしているのだろうが今は外に出たそうに扉を見つめている。
「 …ごん、外に出てもいいか? 」
「 ああ、もちろん。…その代わり自分もついて行くからな。 」
事務所の中庭から外の景色を見る、あの日と同じように星は綺麗に輝いていた。
「 光士郎、なぜ星はあんなに綺麗に光っているのか分かるか? 」
「 それは勿論、「「いつも暗い権兵衛のことをオレの明るさで元気にさせているのと同じで、綺麗に輝いて大切な誰かのことを元気づけたいからに決まっているだろう?」」
そうだ、思い出した。光士郎はあの時もこういっていたのだ。
「 なんだ、もう知っているのではないか。 」
光士郎がそう言いながら笑うと自分もつられて笑う、ああ、今はまだ過去に縋っていてもいいだろうか。
せめてそんな思いを胸にこの小さな幼馴染が元に戻るまでは、そんなことを思いながら自分はまた光士郎の我儘に振り回されるのだった。
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