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「 おーい、シバ〜‼︎起きろ〜! 」
ふと耳を傾けてみれば鳥たちの鳴き声が聞こえてくる、カーテンを開けてみれば声の主と太陽が現れ光が差し込んできた。
「 ん……あと…もう少し… 」
そう眠たげに言う彼のことを今日はなんだか起こす気になれなくて
「 しゃーないなぁ…今日だけやで⁇ 」
とオレが言うとシバはそのまま二度寝をしはじめてしまった、相変わらずマイペースだな、なんて思いながらオレは朝食の準備を始める。
シバは料理が出来ないからご飯を作るのはずっとオレの担当だ。
有塩バターを鍋に入れて玉ねぎがしんなりしてきたらお湯を加えてひと煮立ちするまで待つ、塩胡椒を入れると胡椒は体を温めるのに辛いからもってこいだと思って入れている、まぁ美味しいから効果がないとしてもいいが、そんなことはさておきこれでオニオンスープの完成だ、我ながら今回も美味しそうにできたのではないだろうか、オニオンスープを作っている最中に焼き始めたパンが焼きあがったのかトースターの音がキッチンに響いた。
「 あとは…目玉焼きやな。 」
パンを取りだし盛り付けた後に目玉焼きを作る、半熟にするには焼いている途中に水を入れると美味しくなる、1人だけだったら面倒だから多分こんなことはしないが大好きな恋人のためだ、少し手間でもいいものを食べさせたいというのが意地というものじゃないだろうか。
「 …よし、こんなもんでえぇか〜! 」
オレが伸びをしていたらいい匂いにつられたようで目を擦りながらシバがこっちまで来ていた。
「 おはよう…縦人…… 」
「 ん、おはようさん!、眠いからって目擦ったらダメやで〜⁇自慢の観察力が落ちたらどないすんねん 」
「 縦人は千里眼がない俺のこと嫌いか…⁇ 」
なんでそんなこと急に聞いてきたんだ、と聞きたい気持ちと目の前にいる恋人が可愛すぎて先程から早く動いている心臓を何とか抑えオレは
「 そんなわけないやろ、例えシバが視力0.01になろうと見た目が醜くなろうとシバのこと好きなんは変わらんよ。 」
「 …そうか……なら良かった… 」
眠そうにしながらシバは椅子に座り、オレが座るのを待つ。
「 いただきます。 」
今日もいただきますを言う、それが2人の約束だから、今日も明日も一緒にいただきますを言いたい、あわよくば数十年後までずっと、今のような幸せな食事が出来ればいいな、なんてことを考えていたらシバはオレの考えていることを見抜いたかのように
「 これからも2人で一緒に朝ご飯を食べられたらいいな。 」
なんて言って笑った、ああ、やっぱりシバには勝てんな。
そう思いながらオレは食パンを齧るのだった。