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「はぁ、魔法が使えたらなぁー」
中1の私がずっと夢見ているのは、不思議な箒で空を飛んだり、いろんな動物と話せたり…、いわゆる「魔法」というやつだ。
今の時代を生きる人間にとって、魔法とかいうものは、一生縁のないものだろう。そう思っていた。
今日もいつものように魔法を使えるようになりたいとお願い事をしてから眠りにつく。さすれば夢の中では魔法が使えるからだ。
夢の中ならどんなことをしても許される。間違って炎を出してしまって、家を燃やしてしまったとしても、うっかり雷を落として原子炉を破壊したとしても、夢から覚めれば無かったことになる。でも今日は違った…。
いつものように不思議な箒で空を駆け巡っていれば、見たこともないような種族が町を荒らしている。どうせ夢なのだからと、雷や炎を打って戦ってみたら、敵の牙が私に向く。敵の攻撃を避けようとした時、「いたっ」…痛みを感じたのだ。夢の中では痛みなんて感じないし、何が起こったのかわかっていない私。敵に引っ掻かれた頬からはとてもリアルな血が流れている。状況を把握するため地上に降りる。町はもうめちゃくちゃだ。家は燃え尽き、川や湖の水も枯れ果て、町の人たちだってほとんどいない。いるとすれば…魔導士ぐらいだ。敵と真剣に向き合っている魔導士。少しカッコよくも見えてしまうが、そんなことを思っている暇はない。勇気を出して声をかけてみる。「すみません、今何が起きているのですか?」と。魔導士は言った「君、見ない顔だね。もしかして迷い込んできたかい?この、インペル町に」。インペル町?近所でそんな厨二病じみた町なんてないし困惑していると、魔道士は言った。「今は、100年に1度行われている種族戦争の真っ只中だよ。申し遅れたが俺はパル。1級魔導士として、敵の討伐に力を注いでいるんだ。」と。1級魔導士?種族戦争?知らない単語ぎ次々に飛び出してくる。そこで私は彼に問う。「私は東京からきたものですが、ここは何県ですか?」と。パルは、お前は何を言っているんだ、みたいな顔をして尋ねた。「とうきょう?なにけん?なんだ?それは。ここは、インペル町だが。」私は察した。私は、夢の世界だと思っていた場所に、転生なのか飛ばされたのかわからないが移動してしまったらしい。魔法の世界もつくづく大変なんだなと思った。パルは言った。「お前の名はなんだ」と。私は迷った。日本で過ごしていた時の名前を言うか、即興で名前を作るか。私の本名は桜木春菜(さくらぎ はるな)だ。そっからとるなら…さぎるな…いいかも!(よく考えろ、私、詐欺したみたいになってない?)やっぱりダメだ。ギルナで行こう。この国っぽい名前な気がする。「私の名前はギルナ。よろしく」と伝えておいた。パルは言った。「ギルナか、とても清潔感のある素敵な名前だな…」と。その時私はある一枚の張り紙が目に入った
「最恐殺人犯ギルナ。全国を逃亡中」と書いてある張り紙だ。いくら即興で作った名前とはいえ一致性が高すぎる(偶然だが)
パルは告げた。「お前を…ギルナをここで仕留めるっ!!」そういい私に毒を喰らわせた。正直初めて喰らう毒は辛かった。喉が詰まるような感覚に襲われうまく息が吸えない。苦しくなり意識が飛びかけた時、ある聞き覚えのある声が聞こえた。「…ら、起きて!」母の声か?そう思い、これが妙にリアルな夢だと確信した。安心して気が緩んだのか一瞬で意識が彼方へと消えていった。
あれからどれくらい経っただろう。小鳥の可愛らしい声と共に起きた私。まったく見覚えのない部屋に戸惑う。母の姿がどこにもない。「あれ、母は?」部屋のドアを開けようと試みたが鍵がかかっているらしい。魔法で開かないかやってみたがびくともしない。
(ここはどこ?私はこの先どうなってしまうの?)EP 1 〜end〜