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⚠️このお話は妄想であり、同姓同名の人物や、実在する人物には関係がありません。
⚠️nmmn、rps、夢小説についてご理解のある方のみお読みください。
⭐︎あらすじ⭐︎
BTSのメイクヌナの「私」はモラハラDV彼氏と同居してる。前夜に喧嘩し、二股、三股してることが発覚。
翌日「私」は、撮影準備のためテヒョンとジョングクにメイク室でメイクを施していた。
仕事に集中する為、彼氏とのいざこざを考えないようにしていたが、それが顔に出ていたらしく、メイク途中のジョングクとテヒョンに追求される。そして、経緯を話しているうちに泣いてしまい……
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「も、もう駄目なのかなあ……」
一通り経緯を吐露した後、メイクブラシを握りしめたまま、私はポロポロと涙を溢した。
彼氏と同居して二年。彼氏は仕事で疲れて帰って来た時や、私が何か失敗をしてしまった日などは、私を叩いたり殴ったり、家具を壊したりするけれど…
それは、彼の親の何全万ウォンもの借金を肩代わりして、休日も返上して朝から晩まで働いているから。
ストレスと疲労に苛まれている彼を、支えて、癒してあげなくちゃいけないのは私なのに。
私がもっとお金を稼いで、彼のことを支えてあげられれば、彼も忙しい思いをして働かなくても済むはずなの。
私を殴ったり、酷く抱いたりした後は、必ず「ごめんね」って言ってくれる。
彼は、私のことを心から愛してくれているんだって。
彼は、本当は優しい人なんだって。
いつかお金が貯まったら、彼と幸せな結婚ができるって…
そう信じてたのに……
テテ「ヌナ……」
メイクブラシを握ったまま、ボロボロ泣いている私に、テヒョンがティッシュを差し出してくれる。
グク「ヌナ、ここに座って、落ち着いて話しをしよう」
立ち上がったジョングクが、私の肩にそっと触れて、今自分が座っていた椅子に私を座らせてくれる。
ミラーデスクにずらりと並んだアイシャドウやファンデーション、メイクブラシ。全部私が用意したものだ。
煌々とライトの付いた煌びやかなメイク室のミラーに映った私は、目を真っ赤に腫らして、すごく不細工だった。
テテ「それで、カレシは何て言ってたの?」
私「他に女の人がいるって……」
グク「ひとり?ふたり?」
私「分かんない…教えてくれなかった…お前には関係ないって…また叩かれて……」
思い出してしゃくりを上げる私に、テヒョンとジョングクは綺麗な顔を見合わせた。メイク最後まで仕上げてないのに、素材がイケメンすぎて迫力がやばい…
グク「本当に最低な奴だな!」
テテ「ジョングク、そういうことヌナの前で言ったら駄目だよ」
グク「だって、テヒョンだっておかしいと思ってたでしょ?ヌナ、毎日毎日新しい傷作ってきてさ、女の子を傷付ける奴は最低だよ!」
興奮して大声を上げるジョングクを、テヒョンが「しーっ。大きな声出すと廊下に聞こえちゃうから」と諌めてくれた。
テテ「ヌナは、カレシのことまだ好きなの?」
ヌナ「好き…なのかな……なんかもう、分かんないよ……」
もしかしたら、これがDVって奴なのかなって、薄々気付いていた。ううん、気付かないフリしてた。
彼氏が、本心では私のことを愛してくれているんだって、信じたくて……
駄目だ、考えれば考える程、思考が泥沼にはまってしまう。
今は仕事に集中しよう、と空元気を振りまく私に、テヒョンとジョングクが悲痛な顔をした。どうしてそんな顔するんだろう、と私は思った。
こんな不細工なメイクヌナのつまらない私生活の話なんて、煌びやかなアイドルの世界に生きる二人には関係の無いことなのに。
しかも、二人のメイク中に…!
私はなんて恥ずかしいことをしてしまったんだろう。
「ご、ごめんね、こんな話して!!きっとまた全部私が悪いだけだから、彼には後で謝っておくね!
ほら、早くメイク仕上げよう!ジョングクからで良い?ええと、コンシーラーはどこだっけ……」
立ち上がってブラシとコンシーラーを探してデスクの上を彷徨う私の手首は、ぐいっと横から掴まれた。
私「えっ…?」
グク「ヌナ、無理しないで。泣きたい時は泣いていいんだよ」
ジョングクの目は真剣そのものだった。
柔らかいカーブを描く艶やかな黒髪の下から、その辺のヨジャドルなんかより、ずっとずっと大きくて綺麗な瞳が、私を真っ直ぐに見据えていた。
連日仕事三昧で、日焼けしていない生っ白い私の腕は、ジョングクに掴まれていた。
年下の男の子だと思っていたのに…!
想像していたよりずっと大きくゴツゴツした力強い手と、真剣な眼差しに、ドキッとした。
テテ「そうだよ、ヌナ。ヌナは悪くない。自分のこと、もっと大切にして」
デスクに片頬杖を付いたテヒョンは、柔らかく穏やかにそう言った。
まるで、傷付いた私の心を柔らかく包み込むみたいに。
テヒョンは今日はブルーのカラコンを着用していて、サラサラの前髪も相まって、更に人間離れした美しさがあった。
私は何年もメイクの仕事をしているけれど、テヒョンとジョングクほど顔の美しい男性は、他に見たことが無い。
二人が指に嵌めたシルバーやジルコンの指輪より、数倍も、数億倍も価値のある美貌。
そんな二人に挟まれて、私は目眩を起こしそうだった。
その時、メイク室のドアがガチャッと荒っぽく開いた。
『そろそろ次の撮影時間です!ジョングクさん、テヒョンさん、準備お願いします!』
スタッフに急かされ、慌ててメイクを仕上げようとする私。
コンシーラーを乗せて、ハイライトのバランスを取って……
最後にリップの微調整をしようと、リップブラシをジョングクの唇に当てた。
形のいい柔らかそうな唇に、コシのあるリップブラシを滑らせる…
ついさっきまで年下だと思っていた子が、男らしい一面もあるのだと知ってしまった後遺症で、ドキドキが止まらない。
異性を意識しないよう、メイクに集中しようとする私の顔を、真正面からじっと見てくるジョングク。何かに集中すると瞬きの回数が極端に少なくなるのは、ジョングクの癖だった。
溢れそうなほどまん丸で大きな瞳に射抜かれて、私は心の中まで見透かされるのではないかと、冷や汗が止まらない。
テテ「グク、見過ぎじゃない?」
グク「これが僕の普通です」
テテ「でも、ヌナ困ってるみたいだよ?」
グク「…そうなんですか?」
テヒョンに指摘されて、急にしょんぼりするジョングクは、やっぱりマンネだった。
私「そ、そうだね、あまり見られると緊張しちゃうかな…」
グク「気を付けます」
ふっと視線を下に落としたジョングクに、ほっとしたのも束の間…
グク「そうだ、ヌナ、今夜仕事終わったらご飯行きましょう」
私「えっ、でも、二人はスケジュールがあるんじゃ…」
テテ「目の前で泣いてる女の子より、大切な用事なんてないでしょ」
私「ええ…?」
テテ「後で連絡するね」
グク「テヒョンイ、ヌナの連絡先知ってるの?」
私「ああ、それはね、テヒョンがヨンタンの可愛い写真を送ってくれるって言うから、前に交換したんだよね?」
テテ「そう」
グク「抜け駆けだ!!」
抜け駆け…って、何のことかな?
怒ったようなジョングクを鼻で笑うテヒョン。そのやり取りが年相応の男の子って感じで。
私は何だか安心して、ふふっと笑おうとしたが、頬の絆創膏が引き攣って、上手く笑うことができなかった。