「あーあ、きっと、浮気相手は私より可愛い子なんだろうな〜!それに私より頭が良くて、スタイルが良くて、仕事をバリバリこなしてて、髪の毛だっていつもツヤッツヤのサラサラで!!
もー、私って、どうしてこんなに駄目なんだろう!
テヒョンもジョングクも、そう思うよね!?」
仕事を終え、テヒョンとジョングクに連れて来られたのは韓国焼肉のお店。
私は辛いものをお腹いっぱいヤケ食いしたい気分だったから、ボーナス前だけど、今夜は飲むしかない!と片端からお皿を平らげていた。
私「今夜はヌナの奢りだから!さあさあ、若者はたくさん食べて大きくなりなさい!あ、すみません、生ひとつ追加で!」
ビールジョッキをガン!と勢いよくテーブルに叩きつける私の取り皿に、焼けたばかりの肉をジョングクが甲斐甲斐しく並べてくれる。
さすが、バンタンのマンネだ。きっと、親御さんとグループのお兄さんたちに、年功序列と行儀作法をしっかり教わったに違いない。
グク「ヌナ、焼きたては熱いので気を付けてください」
私「わ、あつつ…!!」
グク「もー!ほら、言わんこっちゃない!」
肉焼き係のジョングクは火鉢が熱いのか、袖を捲っている。
ゴリゴリにタトゥーの入った太い右腕で、私の取り皿をひょいと持ち上げ、熱々のお肉をふーふーしてくれた。優しい。
私「きゃはは! 7人組グループのマンネって、ふーふーもしてくれるのね!」
グク「世話の焼ける兄さんたちがたくさんいますからね!」
私「すごーい」
ヤケ酒の力で上機嫌になった私に、ジョングクが得意げに笑った。
その時、私の口に何かが押し込まれる。
な、なに!?びっくりした!
何かと思ったら、肉と惣菜を巻いたエゴマの葉を、テヒョンが私の口に押し込んだのだった。
テテ「ヌナ、美味しい?」
私「もごごご…!」
う、うん、ちょうどいい温度だし、すっごく美味しいんだけど…!
もう少し小さく巻いてくれないかな!?
口いっぱいに詰められた物を懸命に咀嚼する私を、純粋無垢な美貌でうっとりと眺めるテヒョン。
ローテーブルに肩肘を付いて、銀色の箸を片手に小首を傾けている姿は、それだけでもう国宝級だ。
さすが「2024年世界で最もハンサムな男トップ10」で1位を取った顔。もはや美の暴力。女神降臨の実写ドラマを男性主人公で撮ることになったら、間違いなくキムテヒョンにオファーが来る。
テテ「ごっくんできそう?」
咀嚼しながら、こくこくと頷く私。
テテ「おくち、あーんして」
私「あーん」
無事に嚥下して、言われるままに口を開ける私。
シラフだったら、咀嚼直後の口内は汚いかも…とためらったかもしれないけれど、この時の私は物凄く酔っ払っていた。
テテ「上手にごっくんできたね。偉いよ」
私「…ありがとう?」
私の頭をなでなでしてくるテヒョン。優しい。いつもヨンタンにこんなことしてるのかな?
テテ「はい、お利口さんにはおかわり」
再び、惣菜増し増しの大判エゴマの葉をスッカラとチョッカラ(スプーンと箸)で私の口に押し込もうとしてくるテヒョン。
私「ちょっと待って…おっきすぎる!こんなの入らない!」
テヒョン「大丈夫、ゆっくり入れるから」
私「無理だよぉ…私(の口が)壊れちゃう…!」
ほ、本当に大きすぎるんだって…!
ためらう程の大きさだったけど、せっかくのテヒョンが巻いてくれたのだし。そして美味しいお肉の為に、頑張って口を大きく開く私。
そして案の定、全部入りきらなかった。
包まれていたお米が私のボタンシャツの上にぽろぽろと溢れたけど、人より大きい私の胸が、まるでお皿のように溢れたお米をキャッチした。巨乳あるあるだ。
グク「ちょっと、さっきから何やってんの!あーあー、ヌナの服汚れちゃったじゃん!」
テテ「ごめん…!つい、ヌナが面白くて…!うはは…!」
97lineのジョングクに叱られたが、テヒョンは何故だか楽しそうに笑っている。
私がお米溢したの、そんなに面白いのかなあ?
本当に二人は仲良しだなあ、と私は呑気に思いながら、シャツのボタンを外していく。お米が何粒か、服の中に入り込んできたのだ。
グク「ヌナ!こんな所で脱がないで!」
私「だって、お米が服に入っちゃって…」
グク「駄目だよ!だめだめ!!テヒョン、店員さんにおしぼりお願いして!ヌナも、いつもはダル着Tシャツなのに何で今日は白いシャツなんて着てるんだよ!」
私「なんでかなぁ」
グク「こういう染みは放置すると汚れが落ちにくくなるんだよ…!あー、もー…!」
ジョングクはぶつぶつ言いながら、テーブルにあったおしぼりで私の白シャツに付いたタレ染みを拭いてくれる。
あまりに一生懸命タレ染みと格闘しているものだから、私は「黄金マンネは完璧主義すぎて、洗濯物にすら責任感を感じるのか」と感心していたので、第四ボタンくらいまで開けていた私の胸が、シャツに引っ張られてぷにゅん、ぷにゅんと揺れていたことにも気が付かなかった。
私「あ、おこめ、見つけたぁ」
アルコールで上機嫌な私は、レースのブラと胸の隙間に指を突っ込んでお米を摘み上げると、ぺろりと指を舐めた。
グク「…………!」
テテ「…………!」
急にズボンの前を押さえて前屈みになる二人。
一体どうしたのだろう。
二人は仲良しだし、面白いし…
この二人と一緒にいると、私もとっても楽しくて、ついつい時間を忘れちゃうな……
・
・
・
およそ一時間後。
生ビールをおかわりし、焼肉を食い散らかし…
追加注文したクッパを食べている途中でローテーブル突っ伏して動かなくなったヌナを前に、テヒョンとジョングクは口喧嘩をしていた。
グク「抜け駆けは無しって約束じゃん!それなのに既に連絡先交換済みってどう言うことなの?
テテ「だって、ヌナがヨンタンの写真見たいって言うから…」
グク「見たい、でしょ?それって、送ってくれとは言ってないじゃん」
テテ「うーん…同じだと思うけど…」
グク「それに、さっきは何かヌナに際どいこと言わせて…!」
テテ「それを言うなら、お前、ヌナの谷間見ただろ」
グク「………ンフッ」 (思い出し笑い)
テテ「それに、わざとおっぱい揺らしてたでしょ」
グク「ンフッ」
一見喧嘩していても、二人の心は一つ。
それは……
私「…すぅ………ムニャムニャ……デジカルビ………モチュッパ………パッピンス………」
ローテーブルに突っ伏した、ヌナの胸。
あの後ヌナは、汗かいたからと言ってシャツを脱ごうとして、二人にものすごい勢いで止められた。
結局第三ボタンまでは開けていいという話になってそのまま飲んでいたのだが、いつの間にかヌナのボタンは外れ…
ローテーブルの上に大きな胸を乗せて、肘枕でぐうぐうと眠っている。
テヒョンとジョングクの視線の先には、肘枕で寄せてあげられた深い谷間があった。
テテ「………何カップあると思う?」
グク「……D?…いや、E………?」
テテ「……F……?」
たわわな谷間を飾る、淡いブルーのレース。
汗ばんだ首筋。
上気した頬。
できることなら、このままずっと朝まで眺めていたいのだが…
テテ「ヌナ、起きて。こんな所で寝たら風邪ひいちゃうよ」
私「…んう……?」
グク「ヌナ、起きて。お店出るよ」
私「……んー………」
突いても、引っ張っても起き上がらないヌナ。
体制を変えるたびに、ブラ紐やら、細く官能的な鎖骨やらが見え…
たわわな白い胸が大きくはだけ…
他のテーブルにいる男性客が、チラチラと泥酔したヌナを盗み見している。
このままでは不味い。
テヒョンとジョングクの心は一つ。
『どちらがヌナをおんぶするか』。
つまり、勝者はヌナをおんぶし、店を出る権利が与えられる。
身体と身体の密着ーー勝者の背中にはぷにゅぷにゅの柔らかい胸が与えられ、絶対領域とも言うべき太ももを存分に堪能できると言う最高の報酬が与えられる。
ただ、ヌナはジーンズなので、太ももに直接は触れられないのだが…
グク「じゃんけんで良いですよ」?」
テテ「天使様、僕に力をください…」
気合いのあまり、敬語になるジョングク。
韓国料理屋の火鉢ススの付いた天井を仰ぎ、天使様と更新を始めるテヒョン。
『勝ったらヌナをおんぶ』
『負けたら会計』
勝敗はいかにーー?
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