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この作品はフィクションです。
実在する人物・団体とは一切の関係はございません。
こちらはnmmn、二次創作です。nmmn、kgm受け、他にもmbkg、rfkgなどのタグの意味がわからない方は閲覧をお控えください。
また、作品閲覧する際は公共の場を避けてください。拡散、保存するような行為もご遠慮ください。
全ての配信や動画、ボイスを終えているわけではありませんので、口調や性格の解釈違い等が多く発生する可能性がございます。
・rfkg
・kgm監禁
・rfがkgmに対して冷たい
・kgmが可哀想
・めちゃくちゃド捏造展開
これでもOK!という方のみどうぞ!
いつものように、にじさんじの事務所は活気と温かさに満ちていた。
「あ、加賀美先輩! お疲れ様です!」
最近の配信で一緒になった後輩が、嬉しそうに駆け寄ってくる。
つい最近デビューしたばかりの初々しいライバーから、いつも配信で絡む気知れた仲間まで、誰もが加賀美ハヤトという男の人徳を慕って笑顔を向ける。
「あ、加賀美さん!先日の案件ありがとうございました。そういえばあの時の……」
以前現場を共にしたスタッフが、楽しげに近況報告を交わしにやってくる。
加賀美インダストリアルの代表取締役社長でありながら、一人のライバーとして、そして一人の人間として、彼がこれまで築き上げてきた信頼の証がそこにはあった。
誰もが彼を敬い、親しみ、温かい言葉を交わす。
そんな心地よい空気に見送られながら、加賀美はROF-MAOの定例打ち合わせが予定されている会議室のドアを開けた。
「皆さん、お疲れ様です。お待たせいたしました」
いつも通りの丁寧な一礼。
いつも通りの柔らかな微笑み。
しかし、部屋に一歩足を踏み入れた瞬間、加賀美の肌をピリリと刺したのは、先ほどまでの廊下の喧騒とは正反対の、異様なほどに冷ややかな空気だった。
長机を囲んで座っているのは、気心の知れたユニットメンバーの3人。
剣持刀也、不破湊、甲斐田晴。
YouTubeの動画や配信では、時には罵り合い、時には過酷な無人島生活を共に生き抜き、誰よりも強固な絆で結ばれているはずの男たちだ。
だが、今日の彼らは明らかに違っていた。
「……あ、加賀美さん。お疲れ様です」
最初に口を開いたのは剣持だった。
いつもなら鋭い切れ味のいじりや、あるいは軽快な冗談で出迎えてくれるはずの彼が、手元の資料から視線すら上げずに、酷く平坦な声でそう言った。
「お疲れ様でーす……」
続いて不破が気怠げに呟く。普段の、場をパッと明るくするような関西弁のハイトーンボイスは影を潜め、どこか突き放すような、温度の低いトーン。スマートフォンの画面を指でスクロールする指先だけが動いており、加賀美と目を合わせようともしない。
「お疲れ様です。じゃあ、始めましょうか」
甲斐田にいたっては、加賀美が席に着くのを待っていたとばかりに、事務的に進行台本をめくった。
いつもなら加賀美が部屋に入ってきた瞬間に「社長! 聞いてくださいよ、さっきもちさんがー!」などと騒ぎ立て、不破あたりにツッコミを入れられているはずの男が、驚くほど淡々と、冷徹にその場の空気をコントロールしようとしている。
加賀美は、椅子を引きながら一瞬だけ身を固くした。
(あれ……?)
胸の奥を、小さな違和感の棘がチクリと刺す。
明らかに、3人の態度が冷たい。
打ち合わせが始まっても、その違和感は膨らむ一方だった。
次の企画についての会議で、スタッフも交え意見を出し合う。
「私はこの案、非常に面白いと思うのですが、皆さんいかがですか?」
加賀美はいつものように話を振る。が。
「……まあ、いいんじゃないですか。加賀美さんがそう言うなら、それで」
剣持は資料に目を落としたまま、無感情に同意する。
「俺も別に、なんでもええよ。合わせるわ」
不破も、まるで興味を失ったかのように短く答える。
「じゃあ甲斐田もそれで」
甲斐田が機械的にメモを取る。
いつものROF-MAOの打ち合わせなら、こうはならない。
「いやいや社長、それ絶対僕らが身体張る羽目になるやつでしょ!」
と剣持が即座に異議を唱え、
「めっちゃおもろそうですやん! でもここ、もちさんもっと痛い目見た方がええんちゃいます?あと甲斐田も」
と不破が油を注ぎ、
「ちょっと不破さん!? なんで僕まで巻き込もうとするんですか!」
と甲斐田が叫ぶ。
そうやって喧々諤々、脱線を繰り返しながら、最終的に最高の形にまとめ上げていくのが彼らのスタイルだったはずだ。
それが、どうだ。
今の3人は、加賀美の発言に対して一切の反論も、膨らませるための雑談も挟まない。
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ただ、提示された条件をそのまま受け入れ、右から左へと流していく。
まるで、腫れ物に触るかのような、あるいは「余計な会話は一切したくない」と無言で主張しているかのような、徹底したディスタンス。
加賀美は、大人の余裕を崩さないように努めながら、必死に思考を巡らせた。
(どうしたのだろう。また、寝不足なのだろうか……?)
彼らの多忙さは加賀美も身を以て知っている。全員がにじさんじのトップライバーであり、個人の配信活動、他のユニット、案件、収録と、スケジュールは常に過密だ。
特に剣持や不破は、夜型の生活が祟って打ち合わせ中にあからさまにテンションが低い日もある。
甲斐田も、収録が重なれば目の下に隈を作っていることもある。
(きっと、そうに違いない。皆さん、お疲れなのだ。だから、少し省エネモードになっているだけで……)
そう自分に言い聞かせようとした。
だが、どれだけ理由を探しても、胸のざわつきは収まらない。
寝不足の時の彼らは、もっと「分かりやすく眠そう」なのだ。
あくびを噛み殺したり、机に突っ伏しそうになったり、あるいは逆に妙なハイテンションになったりする。
しかし今日の彼らは、頭ははっきりと冴えているように見えるのだ。
加賀美が言葉を発するたびに、一瞬だけ3人の間に走る、目配せのような沈黙。
不破がふと漏らした、普段の彼からは想像もつかないような冷ややかな吐息。
甲斐田がペンを置く、いつもより少しだけ強い金属音。
剣持が時折見せる、品定めするような酷く冷徹な視線。
それら全てが、加賀美の心を静かに削っていく。
外の廊下であれほど温かく迎え入れられた分、この会議室の極寒の空気が、余計に牙を剥いて加賀美の背中に冷や汗を流させた。
「……次の議題ですが」
甲斐田の冷たい声が、静まり返った室内に響く。
加賀美は、自分の手元にある資料を凝視した。文字が滑って、頭に入ってこない。
(私は、何か彼らの気分を害するようなことをしてしまっただろうか……?)
脳内の記憶の引き出しを片っ端からひっくり返す。
前回の収録、グループチャットでのやり取り、個人的な連絡。
どこをどう探しても、彼らをここまで頑なにさせるような失態の記憶は存在しない。
だが、現に3人は冷たい。
いつもは「社長、社長」と、時にはからかいを交えながらも親しく呼んでくれる彼らが、今はあからさまに「話したくない」と言う風に加賀美を突き放している。
会議室のエアコンの音が、妙に大きく聞こえた。
加賀美はただ、喉の奥に焦げ付くような苦い違和感を抱えたまま、微笑みの仮面が剥がれ落ちそうになるのを必死に堪えていた。
次話 事務所の異変
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