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坂田銀にゃん
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花梨
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哀雷🥀
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コメント
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わあ、第7話、読み終えました! 松田さんが「シナリオ」って呟くところ、ちょっとゾクッとしましたね……。彼が自分たちの存在すらメタに見てるみたいで。零さんとの元同期同士の緊張感ある会話もたまらないです。病み上がりなのに「上等じゃねぇか」って笑う松田さん、かっこよすぎます。最後の「バグ」という表現も、物語の歯車が狂い始める予感がして、続きが気になって仕方ないです!
# 第3章:病み上がりのバディと、不穏な呼び出し(後編)
「洗ってみるって……ちょっと松田! 一人で勝手に納得して歩かないでよ!」
美和子が後ろから追いかけてくるが、松田は長身を生かした歩幅で、すたすたと歩みを進める。
「佐藤、お前は一旦署に戻って、この付近の防犯カメラの映像を洗ってくれ。黒いセダンのナンバーが割れるかもしれない」
「それはいいけど……あんたはどうするのよ。まだ病み上がりなんだから、無茶は絶対に禁止だからね?」
心配そうに眉をひそめる美和子に、松田は振り返り、悪戯っぽく笑ってみせた。
「安心しろって。俺の頑丈さは、あの世の萩原が保証済みだ。ちょっと野暮用を済ませたら、すぐに合流するわ」
「もう……本当に手のかかるゾンビなんだから。絶対に無理しないでよ、松田」
美和子は何度も振り返りながら、赤いRX-7へと戻っていった。彼女の背中を見送りながら、松田の口元から笑みが消える。
(組織の目が、毛利探偵事務所と俺の周辺に動き始めてる、か……)
夜、22時。
闇に包まれた米花埠頭の第3倉庫は、波の音だけが不気味に響く静寂に包まれていた。
松田が軋む体を冷たい夜風に晒しながら倉庫内へと足を踏み入れると、背後の暗闇から、足音もなく一人の男が姿を現した。
金髪に、浅黒い肌。作業着姿の降谷零が、鋭い眼光を放ちながら立っていた。
「時間ぴったりだな、松田。体の方はどうだ?」
「お前が呼び出さなきゃ、今頃佐藤と美味いもんでも食ってたところだわ。それで? 組織の動きってのはどういうことだ、零」
降谷は周囲の気配を警戒しながら、声を低くして本題を切り出した。
「君のあの前代未聞の『大絶叫蘇生劇』だ。あれが不運にも、組織の末端が盗聴していた警察無線に引っかかった。組織の幹部、ジンが『死から蘇った男』というオカルトじみた噂に不快感を示してね。変な裏がないか、調査を命じたんだ」
「チッ、ジンか。あの長髪の冷血野郎だな」
松田はかつて風見たちから共有されていた組織のコードネームを思い出す。
「さらに悪いことに、彼らが調査の過程で、君が数年前に解体した爆弾のデータや、過去の交友関係まで漁り始めた。その過程で、かつて組織がマークしていた別の『線』――つまり、毛利探偵事務所の周辺にまで、奴らの網が広がりつつあるんだ」
降谷の表情は真剣そのものだった。自分が潜入している組織の刃が、警察学校時代の同期である松田や、一般人にまで及びかけている。その焦燥が、張り詰めた空気を生んでいた。
「なるほどな。俺が生き残ったせいで、シナリオが狂い始めてるってわけか」
松田はポツリと、メタ的な独り言を呟いた。
「……シナリオ? 何の話だ?」
「いや、こっちの話だ。要するに、俺がこのまま大人しく寝てりゃ問題ねぇが、動き回るとその闇ってやつを引っ張り出すトリガーになるってことだろ」
松田は歪んだサングラスを指先でくいと上げると、肉体が上げる悲鳴を無視して、不敵にニカッと笑ってみせた。
「上等じゃねぇか。萩原の野郎に現世へ突き落とされた時から、大人しく生きるつもりなんてさらさらねぇんだよ。零、その組織の調査員、俺が直々に捜査一課の網に引っ掛けて、しょっ引いてやるわ」
「無茶を言うな、松田! 君の体は――」
「病み上がりだが、動けないわけじゃねぇ。お前は裏でバーボンとしてうまく立ち回れ。表の泥仕事は、このゾンビ刑事が引き受けてやる」
闇の中で、二人の元同期の視線が交差する。
松田陣平の生還という『バグ』は、黒ずくめの組織の予測を遥かに超えて、運命の歯車を激しく狂わせようとしていた。