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(ここは…。)
気がつくと白い綺麗な建物にいた。
(手足が動かしにくい…え…)
ふと、視線を手足に向けると手足が赤ん坊のように小さくなっていることに気がついた。
「ですが…この方法でしか助けることは… 」
近くで老人と若い男の人が話している声が聞こえる。
(なんだ?何を話しているのか?)
彼は足をバタつかせる。
「……。」
若い男が悩ましそうな顔で彼を見つめる。
(なんで俺はこんな所にいるのか… )
彼は考える。
(これは生まれ変わり…いや前世特に何もしてないんだが…)
彼が心の中で苦笑いする。
(はぁ…どうするか…)
彼が悩んでいると急に抱き上げられた。
(はい…?)
彼が驚く暇もなくどこかにつれていかれるる。
(え…え?)
彼は、ぽかんとした表情のまま連れていかれる。
(え…生まれた瞬間に殺されるなんてことはないよな…?)
若い男と、気がつくと若い女の人もいることに気がついた。
(てか…俺なんで生まれた瞬間に殺されそうになってるんだ?)
彼は困惑するばかりで状況が整理できていない。
「ごめんな…こうすることでしかお前を助けることが出来ないんだ…」
若い男が涙ぐみながら言う。
「こんな親でごめんね…本当はもっと一緒にいてあげたかったんだけど…」
若い女も涙ぐみながら言う。
(え…俺もしかして生みの親に捨てられるのか?)
彼はやっと状況を理解した。
(え…生まればかりなのに、なぜか見知らぬ神殿みたいな所で殺されそうになっているんだ?)
彼は絶望を通り越し異常に冷静になった。
「「バイバイ」」
両親の声が重なり何か暖かいものに包まれるような感覚になった。
「ん…。もう朝?」
古臭い学校のような施設の角の部屋で青年は目を覚ます。
「また…あの夢…」
彼は毎日夢に出てくるあの光景が脳裏に焼き付いて離れない。
「いけない!皆を起こさなきゃ! 」
青年が慌てて他の部屋の子供たちを起こす。
これが青年のルーティーンだった。
青年は幼い頃に親に捨てられ、身寄りのないところを孤児院の院長に拾われた。
ここには青年以外にも5人の子供たちがいる。
青年は、一番年上で他の子供たちのまとめ役のような位置づけだった。
「みんな〜朝ごはんだよー!」
彼がそう言うと食いしん坊のリオが来た。
リオは8歳で頼りがいのあるお姉さん。
「ルイちゃんと自分で歩けバカ弟。」
ルイは10歳でしっかり者。
「ルカのケチー!」
ルカはルイの双子の弟で、とても甘えん坊。お兄ちゃんが大好き。
「うるさいなー朝から騒ぐなよ… 」
ダルそうに起きてきたのは11歳のジン。
ジンは面倒くさがりで、口が少し悪い。
「リオー。リカはー?」
リカと言うのは、5歳でみんなの妹的な感じの女の子。
「見てくるねー!」
リオがリカを起こしに行く。
「ねぇ…兄ちゃん…ルカが離れてくれないんだけど…剥がしてくれない?」
青年は苦笑いする。なぜなら今日が初めてではなく毎日のように起きているからだ。
「ルカ?お兄ちゃんが離れて欲しいみたいだから離れてあげて?」
すると、今度は青年に磁石で吸い寄せられたように青年の足にしがみつく。
青年もしがみつかれるのは初めてじゃなく、ルカは青年や兄のルイ、ジン兄弟全員にしがみついて甘えるのが毎日の日課になている。
「お兄ちゃーん!リカ寝てたからおんぶして連れてきたよー!」
リオの背中にはまるで、モルモットのように可愛い小動物がいた。
兄弟全員の天使であるリカは誰よりも過保護にされてきた。
「ほっぺぷにぷにだぁ…触っていいかな?」青年が手を伸ばそうとするとリオが青年の伸びる手からリカを守る。
「お兄ちゃんはほっぺぷにぷにしながら頭を撫でる常習犯なんだから!」
青年が演技に入っていく。
「ははは!今日こそ天使リカのほっぺを頂戴する!」
青年が悪役として演じるのはいつもの事だ。
「悪魔め!天使リカは渡さない! 」
ルイもノリノリで演技する。