「つかさえもん助けて」
「つかさえもん言うなし」
「今日中に恋人探せって寧々に言われた」
「仮の?」
「仮じゃ意味ないからほんとの恋人探せって」
「まぁ、お前モテるしストーカーもできるし住所特定されるし過激オタク多いしな、、」
「なんで僕だけこんなに女子が寄ってきてストーカーに毎日悩まされてポストには変な手紙送られてDMでは気持ち悪いメッセージ来るし誘拐されるし刺されそうになるし気持ち悪いこと刺せられそうになるしもう散々なんだけど!?!?!?司くん達がメンタルケアしてくれてるから役者兼演出家続けられてることマジで僕のオタク自覚した方がいいよ!!!!!」
「おいここで爆発させるな今オレしかメンタルケア要員居ないんだぞ」
「うぁぁぁぁぁ!!!つかさぁぁぁ!!!!!」
「類ぃぃぃぃ……」
いつの間にこんなにこの学校うるさくなったんだろうと思うくらいには声が大きいしうるさい。
人がゆっくり読書してるっていうのになんでこの2人はこんなに煩いんだ……
他に静かな所もう無いぞ、どうしてくれるんだ、
声かけるか
「あのー、、」
「あぁ、ごめんね。うるさかったかな?、その本って、もしかして『ピアノ弾きのトルペ』?」
「トルペ!?トルペならオレは演じたことがあるぞ!お前もピアノ弾きのトルペが好きなのか!?」
「ゔっ、、」
うるさい。とてつもなくうるさい。なんだこいつ、こいつはダメか。多分先輩だしな。
「……というか、役者なんですか?」
「あぁ!そういえば自己紹介がまだだったな!!オレは天かけ_______」
「この子は天馬司くん。ワンダーランズ×ショウタイムの座長。僕は神代類。ワンダーランズ×ショウタイムの演出家兼役者をつとめているよ。」
「演出家兼役者……それ、忙しくないか、?」
「忙しい忙しくないの前に、僕はショーを楽しんでいるからねぇ。忙しければ忙しいほどショーが出来るし、好きな役者…司くんに好きな演出を付けることも出来る。だからいつ何時でもショーが出来るし、そのお陰で番組にもバンバンオファーが来るんだよ。好きなことを仕事にするって、そういう事さ」
「……」
『演出家』も『役者』もこなし、楽しむ。そんな人、一切見たことがなかった。
大抵は役者だけか演出家だけで分けられてる。
演技も演出もなんて、知り合い全員無理だろう。
おまけに顔も声も人当たりも良いと来た。そりゃあ過激なオタクもストーカーも来る訳だ。
「…LINE、交換しませんか?」
「うん!喜んでするよ!ふふ、嬉しいな、この学校で初めて友達が出来たよ」
スマホを取り出しながら呟いている。
こんな性格と顔なら友達どころか恋人もできてそうなのにな。
「今日の放課後、また話していいかい?」
「別にいいですよ。今日は収録も何も入ってないですし」
「!よかった!つかさくんっ!!友達できたよ!!ショー以外でほぼ初の!!」
「良かったじゃないか類!!類に友達なんて厳しいかと思ったが、行けたな!!!!」
そんなことがあった昼。
中々情報量が多かったが、まぁ今ゆっくり出来るだけいいだろう。
ピロン、と通知の音。
携帯を見てみるとやはり神代先輩のメールだった。
『今話せるかい?』
話せますよ、と返信をすると、直ぐに電話が掛かってきた。
「もしもし」
『アクアくん、君って役者なんだね。仲間じゃないか。』
「急ですね、まあ合ってますけど」
『苺プロ所属で妹にルビーくん。ルビーくんも苺プロ所属の新生B小町のアイドルグループの1人…』
「いやいや詳しくなりすぎですよ、どんだけ調べてるんですか、」
『僕の幼馴染がルビーくんと同じクラスでね。そのルビーくんが言ってた情報を教えてくれただけだよ』
「怖」
『よく言われるよ』
よく言われるのか、あまり深堀はしないでおこう…
『あ、来週の土曜日僕オフなんだけど、アクアくんはどう?』
「オフですけど」
『そっか!じゃあ僕の家に来なよ!ゆっくり話もしたいしね!』
「距離の詰め方先輩と一緒かよ、」
『だってしょうがないじゃないか』
「だいたい同じこと言ってるし」
『あ、ちょっと今日司くん来るから切るね。片付けしないといけないし』
がちゃがちゃがらがらがたがた、色んな機械などが退けられていく音が聞こえた所で、俺は電話を切った。