今回は、、、もしも日向が復讐に人生をかけたら、、、、です。
どうぞ
幼い頃から父はいなかった。
母と、夏と、俺の3人。
母は仕事が忙しくてほとんど家にいなかった。
夏はいつも預けられていたし、俺はずっとひとりでバレーボールをしていた。
お金もないため、私立なんて考えられずなんとか烏野にいくことになった。
俺の人生はどこから狂ったのか。
ああ、未だに分からない。
分からないのだ。真っ当に進んできたはずなのだ。
許せない。
許したく、ない。
月 まったく、チビまた赤点なわけ?
日 うっせーな……時間なかったんだよ!
影 お前また赤点か。俺は今回回避したぞ
月 ほらー、王様は回避したって
日 ぐぬぬぬ……
時間が無い、というのは本当だった。
帰ったらご飯を作って、夏の世話をしてやり、自分のことを済ます。
テスト勉強なんて遥か彼方においてきた。
月 ほらおチビ勉強しなよ。それにしても日向だけが赤点とるなんて珍しいね
山 いつもは影山がセットだよねツッキー!
月 うるさい山口
山 ごめんツッキー!
日 時間なかったんだよ悪いかよ!
月 どうせバレーのしすぎでしょ
影 ボケェ日向、さっさと部活こいや!
日 いつも遅れてるのは影山クンですよ!?
いつもの日常。
そのはずだった。
先生 日向。ちょっと
俺が引っかかった英語のテストの試験官の教師……坂本が俺を呼んでいた。
俺、なにかしたっけ……?
日 は、は、はい
影 何日向やらかしたのかボケェ
菅 大丈夫?
みんなの若干心配を含んだ声を受けながら、いそいで坂本のもとへむかう。
先生 日向、今ある荷物全部もって職員用玄関にきなさい。話はそこからするから
日 あ、荷物は今持ってます……
先生 そうか……じゃあこい。いそぎだ
何かも知らされず連れていかれるなんてずいぶん横暴だなと思う。
英語のテストそんなにやらかしただろうか。
それとも、夏が熱をだしたとか?
そんな予想をはるかにうわまわる言葉が職員用玄関についたときに耳に入った。
先生 日向……落ち着いて聞いて。日向のお母様と妹さんが亡くなった。今病院に遺体はあるそうだ。今からすぐに向かうから車に乗りなさい
日 え、、、、?
夏と、母さんが遺体?
遺体って……死んだ?
そんなことあるわけない。
だって、そうしたら俺はひとりじゃないか。
イタイ?イタイって、なんだよ。
日 ど、どういうこと、ですか
先生 ……乗りなさい
フラフラして重心の定まらない体を無理やり車に入れ、俺はもう一度坂本に聞いた。
日 イタイ……って遺体です、か?なんで……
先生 まだ、わからない……警察の人が日向に話を聞きたいともいっているから、しばらく学校は休むことになる。お金のことや学業のことは今は気にしなくていいからしっかり休みなさい。間違っても変な気は……起こすなよ
変な気って、自殺のことだろうか。
家族がしんで警察がくるなんて、テレビの中の世界では無いのだろうか。
日向にはなにもわからなかった。
日 …………夏、かあさん
2人の体が並んで横たわっている。
顔色は真っ白だけれど顔はそのままなので、今にも動き出しそうだとも思う。
日 あの……触っても、いいですか
病院の先生 いいけど……できるだけ動かさないように、あと、体には触らないでください……手なら大丈夫です
そっと日向は夏の手をにぎる。
昨日まで暖かかったその手は、異常に冷たい。
ああ、死んだんだ。
母さんの顔に触れる。
やっぱり冷たくて、日向の目からひとつ涙がこぼれた。
日 な、なんでっ……かあ、さんっ……な、なつ、っ、、、
どんどんと涙がこぼれ、夏の手におちていく。
それでも夏の手は、冷たいままだった。
日 あれ?夏の手……
見覚えがある。
これは。
これは、確か──────
警察 おふたりは他殺だと思われます」
日 ……は?
他殺?
他殺って、誰かが殺したってことだよな?
警察 胸の当たりを滅多刺しにされてゴミ捨て場に捨てられているところを近所の方が発見してくださったようです。今調べを進めていますが……心当たりはありますか?
心当たり……心当たり。
あることにはある。
が、警察なんて頼りにならない。
前に母さんがソイツにストーカーされていたときでさえ、事件が起こってからではないと動けないと放置されたのだ。
日 いえ……ない、です
警察 そっか、辛いことを思い出させてごめんね。あとは警察に任せてください。2人の葬儀は日向くんのご親戚の方がメインでやってくださるそうです
警察は日向の言葉を信じ、そのままになった。
それからときおり警察がきて、この人物に心当たりはないかと言ってきたが日向はすべて知らないと突き通した。
その中にソイツがいたとしても。
それから直ぐに葬儀は行われた。
いつもの学ランをきて、いつもの靴をはいているのに隣に夏と母さんはいない。
どうして、どうして。
アイツにきまっている。
許せない。
葬儀すらも出ないアイツが。
今まで顔も見せなかったアイツが。
2人を殺した。
日向は確信を持っていた。
夏の手には、血で残った何かの跡がくっきり残っていた。
その跡は、いつもアイツがもっていた指輪の跡そっくりだったのだ。
許せない。
許せない、許せない、許せない、許せない。
二度と、許さない。
終わります
コメント
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続きが楽しみです!