ケイの声が震えている。
無理も無い。見る見るうちに潮が引いて行くのだ。おぼろげだった白い物体は、次第に人の頭部だと認識できるようになっていく。
「これは……想像以上ね」
そうしているうちに海面はますます下がり、頭頂部が海面から浮かびあがった。次いで額が。
皮膚は 膨張(ぼうちょう)と 収縮(しゅうしゅく)を繰り返したゴムのようなだらしなさで 顎(あご)の方へと 垂(た)れている。それでいて肌の色だけは浮かびあがるように白かった。現実味はあまりない。
ただ、 造(つく)りの 粗(あら)いホラー映画を見させられているようだ。
どんどん海面は下がって行く。
「ねえ」
ケイはゆっくりと俺を見た。
「ちょっと嫌なことを考えたんだけど」
「それは、今聞かないとダメなことか?」
ケイの瞳には恐怖と困惑が見て取れる。それを今まさに俺に共有さ******
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