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⚠注意⚠
注意書きは一話にあります。
あれだけ平和だった日常が一気に焼け野原となった。そろそろ春の花が咲き始めるこの時期に火がまわってしまえばあとかたもなく燃え尽きてしまうだろう。火がなくとも、人が穴を掘ったりしているわけだからこの広大な大地に花が咲くことはないだろう。
俺が立っている場所はWR国ではなく、KM国。自らの意志でここに立っているわけではない。能力を貰ったあの日のように気がついたらここに立っていたのだ。
………カルマ王に挨拶に行こう。
カルマ王はフードを深くかぶり顔が見えない。しかし、王としての威厳がひしひしと伝わってくる。
カルマ王:よく来たな、チーノ。そなたなら必ずしもくると思っていたぞ!!
チーノ:有り難いお言葉。
カルマ王:そうだ。紹介したい者がいるんだ。入ってきてくれたまえ。こちらはクラウンだ。
クラウン:はじめまして。大魔法師のクラウンです。カルマ王様からあなた様に能力を渡した者です。
チーノ:その説はどうもありがとうございます。
カルマ王:本題に入ろう。さて、チーノ。計画通り、WR国の幹部は殺してくれるんだろうな?
チーノ:もちろんでございます。結果はもう間もなくわかることでしょう。
カルマ王:ナッハハハッ。そうか、そうか。それじゃあ地下にいるお仲間さんと話してきておくれ。
チーノ:かしこまりました。
カルマ王:ああそれと、クラウンも一緒に行くといい。そうでないと話は出来ないだろうからね。
クラウン:分かりました。
この青と白の仮面をつけたクラウンとかいう男(なのかは定かでは無い)は白いマントを着ている。口元しか見えないためか、心理戦ではこちらが不利となるだろう。
そういえばこいつは大魔法師とかって名乗っていたが、魔女であるオニユリさんとは知り合いなのだろうか。
オニユリさんといえば、あの日ゾムさんに連れて行かれてから姿を見ていない。魔女嫌いのグルッペンさんになにか言われたのだろうか。
………待てよ、前世でグルッペンさんは魔女嫌いだと言っていたか?むしろ魔女に会ってみたいと、しんぺいさんに駄々をこねていたのは記憶に新しい。
あれ、なぜ魔女に会うのにしんぺいさんに願っているんだ?博識のエーミールに聞くのが早いのではないか?
そもそも、俺らが能力を使えるのは魔女のもたらした魔法で成り立っていて、しかし大幅に人工が増えたために全員に能力を渡せなくなったという神話がある。実際俺も、クラウンとかいう魔女に能力を貰ったわけだし。
いつから魔女は悪の象徴として評されるようになったのだ?我々に生きる力をくれた存在なのに?
いや、魔女はこの際どうでもいい。
重要なのはここからどう巻き返すか。俺がみんなを殺さないという選択をすれば良いだけではある。もし、そういう選択をして過去と同じになるようにクラウンが動かしてしまったら元も子もない。実際にWR国にとどまる選択肢をしていたのに、こちら側に立っている。
なにか俺が知らないことがあるのか……?
情報収集が足りなかった?
これではみんなを救う未来はないのか?
俺は一度蘇られている身。
二度目は許されることはない。