ミクは 其れ を見せた。
「 こ、これって…先がほつれたリボンと、レース…? 」
「 うん…… 」
『 誰かが置いたんじゃなくて? 』
「 この前奏とまふゆ、絵名、瑞希にも聞いたけど知らないって 」
『 … 』
「 可愛いリボンなのに… 」
『 瑞希が持ってそうなリボン… 』
「 うん、私もそう思った…けど、持ってないって 」
「 じゃ、じゃあやっぱり、ほつれたリボンとレースがセカイに増えたんだね、、? 」
『 ……コレ、元に戻せないの 』
「 分からない…けど、戻せるのかな 」
「 詳しい人…瑞希ちゃんに頼んだら……? 」
『 …瑞希、直してくれるかな 』
「 ……無理かも、しれない 」
「 え…?ど、どうして……? 」
「 …だってこれは、瑞希の想いで出来た物だから 」
湖。
このセカイの湖は不思議な事に濡れない。
だから湖の奥底にある ナニカ を救いあげたくなる。
……でも、それは不可能に近い。
大分其れとは距離があるから。
全身以上浸からないと、届かないぐらい…湖の底に沈んでる。
でも、救ってあげたい。
無理かも知れないけど……でも、救うんだ。
どんな運命になろうとも、受け入れる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
部屋に戻ってくると一気に現実世界に戻ってきたんだ、と感じる。
もっとセカイに居たかったな…。
その方が、楽だし……余計な事考えなくていいしね…𐤔
ボクはベッドの上に座り込む。
この前、ミクからほつれたリボンとレースを見せられ、「 これ、瑞希の? 」と問いかけられた。
見覚えも無く何故其れがセカイにあるのか分からなかった。
だから、『 知らないけど…? 』 と答えた。
『 ……可愛いリボンとレースだったな、、 』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「 オイ、お前…何をしている。 」
『 何って……湖の底にあるナニカを取りに行くのよ 』
「 ッ……お前、その行為がどれだけ危険なのか分かるのか? 」
『 分かってる!!……でも、こうしないと…瑞希が…… 』
私は湖に勢いよく飛び込んだ。
遠くでカイトの声が聞こえるけど、無視して湖の底まで手を伸ばした。
不思議と体は濡れてなかった。
__なのに、息苦しくなる。
急いで一旦上へ上がろうとするが、何故か上手く上がれない。
( ……あれ、私……もう此処で…ダメ、なの…かな… )
意識が遠のいていく。
__その時。
誰かが湖に飛び込んで来る。
誰かに手を掴まれた所で、私の意識は消えた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
目をゆっくり開ける。
『 ……、? 』
ゆっくり起き上がると、近くにカイトが座っていた。
よく見れば私にはふかふかの枕がしてあって、誰かのカーディガンが掛けてあった。
「 ……起きたのか、 」
カイトは明らかにイライラしながら話しかける。
「 …お前、俺がいなかったらどうなっていたのか分かってるか? 」
『 う…それ、は…… 』
『 …でも、……!! 』
私が反論しようとするとカイトは立ち上がり、スタスタと歩いていってしまった。
『 あ、ちょっと……!! もう… 』
『 ……ありがとう、、/// 』