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こと🎀🌌
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止まらない歌
夜だった。
部屋の電気はついている。
なのに、どこか現実味がない。
👁️🗨️は部屋の真ん中に立っていた。
口元には笑み。
その笑みは、自分でも理由が分からない。
「大丈夫。」
小さく呟く。
「私は元気。」
誰も聞いていないのに、何度も繰り返す。
「大丈夫。」
「平気。」
「何もない。」
言葉が止まらない。
本当は違う。
胸の奥では苦しいのに。
口から出るのは、違う言葉ばかりだった。
「……。」
そのまま歌い始める。
静かな歌。
一番が終わる。
また最初から。
同じ歌を。
何度も。
何度も。
終わらない。
歌っている間だけ、頭の中の声が少し遠くなる気がした。
だから止められない。
喉が痛くなっても。
息が切れても。
歌は続く。
⸻
ドアが開く。
Ი𐑼が入ってくる。
表情は一切変わらない。
「👁️🗨️。」
返事はない。
歌だけが続く。
「報告しろ。」
歌は止まらない。
「大丈夫。」
歌詞の合間に、その言葉だけが混ざる。
「平気。」
「笑ってれば。」
「何も──」
「違う。」
Ი𐑼の一言で、歌が一瞬途切れる。
部屋が静まり返る。
「今の言葉は、お前の本音か。」
👁️🗨️は口を開く。
けれど、返事の代わりにまた歌が始まる。
自分でも止められない。
Ი𐑼は静かに近づく。
「歌を責めない。」
「だが、歌だけで報告を終わらせることは禁止だ。」
長い沈黙。
歌声が少しずつ小さくなる。
やがて、かすれた声が漏れた。
「……本当は。」
喉が震える。
「全然、大丈夫じゃないです。」
「嘘ばっかり、言ってしまいます。」
Ი𐑼は短く頷く。
「報告を受理する。」
「本音を一つ言えた。」
「それで十分だ。」
👁️🗨️は目を閉じる。
歌は止まった。
部屋には静かな呼吸だけが残っていた。
コメント
1件
これ、めっちゃ重くて良かった…! 歌で本音を誤魔化すしかない感じとか、喉が痛くても歌い続ける執着、すごく伝わってきた。 Ი𐑼の「歌を責めない。だが報告を終わらせるな」ってスタンス、めちゃくちゃ優しくない?泣けるわ。 心理描写だけでここまで引き込めるのか…さすがかほさんです🔥