彼奴は俺の事を死ぬほど好きだった
本当に死ぬほど好きだった。
いつも笑顔で名前を呼んでくれて
落ち込んでる時は励ましてくれて
仕事に成功した時は一緒に喜んでくれて
俺も次第に惹かれて行った
でも
中々俺が素直になれなくて
ずっと好きって言ってくれていた彼奴も
明るく名前を呼ぶだけになった。
ある日ニュースを見て驚いた
彼奴が
トラックにはねられた
葬式で
彼奴のお母さんが教えてくれた
「あの子ッ、…これを、持ってて、」
泣きながら渡してきたのは彼奴の血が着いているが、綺麗にラッピングされたプレゼント。
その箱の上に
「りょーすけくんへ☆」
と書かれた紙。
箱を開けると
一通の手紙と、ふたつの花束。
なぜこんなに箱が大きいのか謎だったが
此奴は悩んだんだ
俺のために。
花束は、
1つは9本の白いバラ。
彼奴の血で赤いバラになっちまってる。
もうひとつはハナミズキ。
あの花好きの事だ。なにか意味が込められてるのだろう。
つい調べてしまった
「…ばか、直接伝えろよ、」
彼奴は死ぬほど俺を愛して
本当に彼奴は死んじまった
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