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夏菜@nrkr・ペア画中
夏菜@nrkr・ペア画中
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夏菜@nrkr・ペア画中
⋯あの日、私は感情に飲まれた。
怒りという、感情に___
___ああ…疲れた。
もう、いいよな。
もう…楽になりたい…
「…」
「…キュウ?」
…温かい。
その温もりに答えるように、目を開けた。
「キュウ?キュウキュウ!」
…子鹿?
なんでこんなところに。
親鹿はどこにいるんだ?
「キュっキュ!」
子鹿は甘えるように頭を動く気力もなくぐったりと倒れている私の胸にうめた。
「…お前、母親はいないのか?」
「キュウ?」
まるで母などいなくて当然だと言っているような顔だ。普通、母鹿は子鹿のもとを離れない。
多分、 この子鹿は親とはぐれたか、または…
「…あ」
子鹿の後ろ足を見ると、噛みつかれたような傷があった。血が出ている。かなり深い。
「なにかに噛みつかれたのか?」
「キュウ!」
「そうなのか…」
立てはするみたいだが、歩くと足を引きずっている。
「足を出せ」
「キュウ?」
不思議そうに足を出した。
…ベロリ
「キュッ?!」
_とりあえずは、消毒して葉っぱを巻いて応急処置をした。
「これで痛みは消えただろう」
「キュウ!」
嬉しそうに飛び跳ねている。
意外とかわいいやつだ。
すると、子鹿がどこかへ行ってしまった。そりゃあ、こんな砂漠みたいなところの岩陰でいるよりかは、近くの森にいたほうがいいよな。
…私もこのまま…
_「…キュウ!」
再び聞こえてきたその声に目を薄っすらと開いた。
「…またお前か」
「キュウキュウ!」
目を見開いた。子鹿がどこからか拾ってきた鳥の死骸を、私の口の届くところにおいたのだ。
「…私に、食べろと…?」
「キュウ!」
少しうろたえながらも、仕方なく口にした。何日ぶりの肉だろうか。鳥一匹だけでも、とても力が湧いてきた。
「キュキュ!」
私が鳥を口にしたのを嬉しそうに見てくる。何だこいつ。かわいい。可愛すぎる。こんな感情、あのときいらい感じようともしていなかった。
「… 」
…この子を、一人にしておけない。元母狼の血が騒ぐ。
「…君、親がいないんだったな。ならば…」
「私が母になってやろう」
コメント
2件
なんか。zetaみがあると感じたのは私だけか...??
読み終えました。冒頭の絶望感から、子鹿の無垢な行動で少しずつ心がほどけていく流れがとても自然で引き込まれました。特に、主人公が「元母狼の血が騒ぐ」と自覚するところ——あの一文で、彼女の内側にまだ確かに残る温かさが伝わってきて、じんときました。ラストの「母になってやろう」という宣言、力強くて好きです。これからの関係性が楽しみです。