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相変わらず気持ちよさそうに眠り込んでいる袴田ルイ。
まだ眠ってから時間が浅く、起きる気配が微塵もないので
今回はルイの妹、ルビーの1日を覗き見してみようと思います。
「んじゃ。行ってきます」
「はい。いってら。気をつけて」
リビングを出てからニヤけ、玄関でローファーを履いて家を出る。登校は電車。
ワイヤレスイヤホンで音楽を聴きながら電車に揺られる。
電車に乗っている人も駅から電車び乗り込んでくる人も、つい注目してしまうほどの美人である。
綺麗なブロンドヘアーはルイ譲り。…というか父譲り。長いまつ毛も綺麗なブロンド。
読者モデルや、バラエティー番組に出ているやる気のないモデル上がりのタレントを見ると
なぜルビーが一般人なのか謎レベルの美人さ、可愛さである。
高校の最寄り駅で降りると派手な赤いセーラー服やブレザーの生徒が多くなる。
ルビーの通う高校、それは達磨ノ目高校。
達磨のように赤い生地に、達磨の目の周りの筆で書かれた眉毛や髭のように黒いライン。
そして金のラインの入ったスカートやパンツ。めちゃくちゃ派手な制服である。
「あ!ルビー!おはよー!」
駆け寄ってきたのは多馬(タマ) 詩衣(うたい)。姉はあのバカップルで有名な多馬 歌乃の妹である。
「あ、詩衣〜おはよ〜」
ワイヤレスイヤホンを外して2人で話しながら正門から高校の敷地内へ入る。
教室へ入り、クラスメイトにも挨拶をし、席が近くの2人は席に座ったまま雑談をする。
「あ、こないだお姉ちゃんが行ったんだってね」
「あぁ、うちにね?来てたよ」
「ごめんね。なんか」
「別に?なんも謝ることはないよ」
「なんかたもっちゃんも一緒だったみたいで」
「うん。いつもの4人だったよ」
「お兄さんとお姉ちゃんとたもっちゃんと那緒さん?」
「そそ」
「仲良いよねぇ〜」
「ねぇ〜。今度詩衣も来ればいいじゃん。うたちゃんと一緒に」
「いいね。ま、お姉ちゃんとは行かないけど」
「なんでよ」
「お姉ちゃんの横には大概たもっちゃんいるし」
「あぁ」
「だからソロで行きます。ま、お姉ちゃんいるとき行くとしても一緒には行かなーい」
「そうそう。うたちゃんが「恋バナしよー」って言ってたから、そんときは強制で呼ぶね」
「ないけどね。“私”は」
「なにその強調は」
「え?ルビーは…ねぇ?」
「好きな人も彼氏もいないし」
「告白はされてんじゃん」
「…たまーにね?」
「それもおかしいけどね?マンガとかアニメとかドラマじゃないんだからさ
先輩から告白とか後輩から告白とか他クラスから告白とか。一目惚れ以外の何者でもないからね」
「いや、ま、ありがたいよ?でも結局それって容姿やん!って思うんだよね」
「え。自慢ですか」
「半分自慢」
「これだから袴田兄妹は」
「お兄ちゃんは外出ないからそーゆーこと少ないよ」
「でも大学で入学式で話題になったんでしょ?」
「らしいね。ま、私その場にいなかったから知らんけど」
そんな話をしていると1時間目の授業が始まった。
その頃、家にいるルイは綺麗な顔で起きるの「お」の字も無さそうに、深い眠りについていた。
しばらく時間が経ち、ルイがその綺麗な髪を振り乱し、最初の寝返りをうった頃
保、歌乃、那緒は大学の2限の講義室にいた。
「ルイは?」
「寝てるよ。たぶん。いや、ほぼ確実に」
「ほぼ確だね」
「一応LIME入れてみるわ」
「私入れといたよ。無駄だと思うけど」
「さすが嫁。早いわ」
冗談だとわかっているものの、少し赤くなり、少し照れ
「嫁って。バカじゃないの?」
と言う那緒。
「そういえば詩衣(うたい)ちゃん元気?最近会ってないけど」
「元気元気」
保が答える。
「なんで保が答える」
「オレしょっちゅう会ってるし」
「元気だよー。元気にJKやってますわ」
「今高校ー」
「2年だね。今年から」
「はあぁ〜…楽しいわ」
「しかも達磨だからね。最高の青春を送ってるよ」
「去年楽しかったよー?」
「あ、そっか。去年は保と行ったのか」
「そーだよー。去年は那緒が予定あったから」
「今年こそは一緒に行くよ?ルイも連れて4人で」
「え?去年ルイ行ってないの?」
と驚きつつ、疑問で聞くと歌乃がグイッっと那緒に近づいて
「去年さ、ルイも誘ったの。ほら、ルビーちゃんもいるし、一緒に行こうよって。
そしたらさ、那緒だけ行ってないのなんかあれだからオレもパス。来年4人で行こう。って言ってた、ぞっ!」
歌乃が嬉しそうに那緒に軽く体当たりする。
「お、おぉ」
那緒は思いの外ルイが自分のことを思ってくれていて、キュンとして言葉に詰まった。
2限の講義の講師の方が入ってきて2限の講義が始まった。
「袴田ー。この問題わかる?」
4時間目の数学の授業。近くの席の人と話しながら考える問題。
ルビーの横の席の夏元(ナツモト) 気李人(ケイト)が話しかけてきた。
「ん?これは二次方程式だからー」
と解説するルビー。詩衣もルビーに聞こうと思ったがルビーが説明を始めたので諦めた。
詩衣は隣を見る。右手でペン回しをしながら太ももの上で左手でスマホをいじっている男子。
凉天(スズアマ) 祭(マツリ)。クール系で運動も勉強もできてイケメン。
そのため女子からすこぶる人気がある。
「あのぉ〜」
詩衣が祭に話しかける。
「ん?」
ペンがカタンッっと落ちる。
「あ」
「あぁ」
詩衣がその落ちたペンを拾おうとしゃがむ。祭もペンを拾おうとしゃがんだ。
「あ、はい」
目の前に詩衣の顔がある。
「あ、…ありがと」
ペンを受け取る。
「ごめんね。急に話しかけて」
「いや。別に」
「今の問題、わかる?」
「あ、うん。二次方程式…は」
と丁寧に説明してくれた。
「ありがとう涼天(スズアマ)くん」
「あ、うん」
「涼天くんって頭良いよね」
「そうかな」
ペン回しをしながら詩衣と話す祭。
「苦手な教科ないの?」
「んん〜…化学とか、あとはただ単に覚える系とか?」
「日本史、世界史、地理とか?」
「うん」
「でも数学も公式とか覚えなきゃじゃない?」
「まあぁ〜…。でもその後自分で考えて導き出すから、自然と覚えるかな」
「ふぅ〜ん?」
4時間目の数学の授業が終わり、お昼ご飯の時間になった。
ルビーと詩衣は仲の良い女子と、気李人(ケイト)と祭も仲の良い男子とお昼ご飯を食べた。その頃
「ひゃー。終わった終わった」
「ルイからの返信は…なしっと」
「ないだろうね」
「今日も行くの?」
「行こうと思ってるけど?」
「じゃ、私たちも行く。ね?那緒?」
「え?あぁ、うん」
ということでいつも通り袴田家に向かう3人。その頃、3回目の寝返りを打ち、静かに目を開けたルイ。
「Hey,Piche(ピチ)。今何時」
声にならないような、眠そうでダルそうな声で聞く。
「ハイ。現在ノ時刻ハ12時57分デス」
感情こそ感じられないがAIのほうが元気な声である。
置いて充電できる充電器からスマホを取る。画面をタップする。那緒や保からのLIMEの通知。
「んん〜…」
もう少し寝たい気持ちもあったが、目を瞑ったまま寝返りを打ったら、ドタッ。
「痛っ」
ベッドから落ちた。
「あぁ、冷たくて気持ち良い」
フローリングの冷たさに少し浸った。立ち上がってペタペタと歩き、ドアを開ける。
カチャッ。廊下に出るとカッチャン、ガチャ。玄関のドアが開いた。
「どうぞどうぞぉ〜いらっしゃい…」
保と目が合うルイ。
「あ」
「あ」
「ただいま」
「おかえり」
「あ、受け入れられた」
ルイはまだ半分寝ていたので「ただいま」と言われ、反射的に「おかえり」と言ってしまったのだ。
「た…ただいま」
那緒も小さな声で言って、擬似同棲を味わい勝手に照れていた。ルイは洗面所へ行って歯を磨く。
洗面所はルイが使っているので、保、歌乃、那緒は手洗いうがいをキッチンですることにした。
ボーっと歯を磨き、顔を洗う。目が覚めた。とまではいかないが寝起きではなくなったルイはリビングへ行く。
リビングにはパンの焼ける良い香りが漂っていた。
「お。パン」
「そ。サンドウッチでぇ〜す」
「サンドイッチかー。いいね」
「覚えてるー?体育祭で食べたの」
歌乃がサンドイッチとたまごサラダの入ったボウルを持ってダイビングテーブルに置いた。
「覚えてる覚えてる!懐かしいね」
那緒が美味しそうという思いと懐かしいという思いを向けながらサンドイッチを眺める。
「懐かしいな!いつだっけ?1年?2年?3年?」
「え、3年ともじゃなかった?」
「マジ?」
「だよね?うた?」
「そうだよー?たまごサンドが好きって言ってたから毎年作ったんじゃんー」
「そっかそっか。マジで美味しいんだよね。たまごサラダ。ルイ覚えてる?」
「んー?覚えてる。ウインナー入ってたんがよかったね」
「それな!わかる?いや、わかってるわ。さすが親友」
ルイの肩を抱く保。
「ハムとレタスもあるよー」
「いいね」
みんな席に着く。
「なんかさ」
ルイが口を開く。保も歌乃も那緒も、なにかいい事を言うのかと少しもじもじ期待していると
「「ハムとレタスもあるよー」っての文字で見ると、ぱっと見「ハムスター」に見えない?」
と激くだらないことを言った。
「…」
全員が黙った。
「んじゃ!いただきます!」
保がそう言ってみんな続いて言ってサンドイッチを食べた。
「あぁ。これこれ」
「大学生になってから体育祭とかなかったしな」
「ね。デートでも外で食べること多いから作んなくなったし」
「なんかわかんないけど、この歳になって親友からデートって聞くとなんか生々しいわ」
「なんでよ」
歌乃が笑う。
「あ!でも!そうじゃん!詩衣の体育祭!あ、保去年来れなかったんだ?」
「あ、そうね。詩衣ちゃんの体育祭。行きたかったけど、妹と弟の運動会が被ってさ?
母さんが弟のほう行くってから、オレが妹のほう行ってきたのよ」
「あぁ。言ってたね」
「今年は行きたいね。この4人で」
「ルイは?行ってないの?」
那緒の質問に
「うまっ。ひさしぶりに食べた」
ルイもひさしぶりの美味しさに綺麗な蒼い目を見開いていた。
「全然聞いてない」
「そうだルイ。たまごサラダ余ったからラップして冷蔵庫入れといたから。
ルビーちゃんにも食べてもらって?」
「それ夕方に言うセリフだろ。ルビー帰ってきてから直接言ってよ」
「たしかにね」
サンドイッチを食べ終え
「「ご馳走様でした」」
歌乃と那緒がお皿を洗う。
「ルビーちゃんってなんか部活してんだっけ?」
「歌唱部。うたは知ってんじゃない?」
「うたー!ルビーちゃんが歌唱部だっての知ってたー?」
お皿を洗い終えた歌乃に聞く保。
「ん?知ってるよー?」
と言いながらダイニングテーブルのイスに座る。
「それこそ体育祭でも歌ってたし、あと文化祭でも歌ってたから。すごかったよ?圧倒的な歌唱力」
「へぇ〜」
「ルイはお兄ちゃんとして見に行かなかったの?」
「行かなかったなー。昼にうたにテレビ電話で見せてもらったな」
「あったあった。あんま動くの向かないらしくて、テレビ電話だとびみょーって言ってたよね」
「そうそう。なんか画質もそんな良くないしカクツクし。体育祭には向いてない」
「じゃあ今年は行かないとな?」
なぜか保が満面の笑みで言う。
「あぁ」
「あ!そうだ!ニャマプラ(nyAmaZon プライムの略称)で見たい映画あったんだ。見ていい?」
「いいけど」
「どーやんの?ルイ」
「これテレビのリモコン。で、これニャマプラのリモコン」
なぜか保に説明するルイ。それを歌乃に説明する保。
「ガッツリ恋愛映画」
「影野 龍くんが出てるんだよねぇ〜」
「あのラブデリ(ラブ・デリシャスの略称)のCMの人ね」
「最近うた推してるもんね」
「最近じゃないですー。デビュー当初から推してましたー」
なんて話していると映画が始まる。
保、歌乃、那緒は最後まで見たが、ルイは始まって早々にあくびをして序盤で眠っていた。
そのまま次の映画も見て、気づけば18時、6時付近になっていた。
「夜ご飯食べてくでしょ?」
「行くーけどー」
と小声で言いながら自分の横を指指す。
「あ、ルイ、寝てんのね」
「ま、寝るとは思ってたけど」
「2人にお願いできる?」
「しょーがないなー」
とお財布だけ持ってリビングを出ようとする歌乃と那緒。
「ルビー、今日、部活ないよね?一緒帰ろ?」
「いいよー」
ルビーと詩衣はスクールバッグとリュックを背負って教室を出た。
「今年の体育祭はお兄さん来てくれそう?」
「さあ〜?来ないんじゃない?朝早いし。お兄ちゃん寝るの朝だし」
「そっかー」
「うたちゃんは毎年来てくれるよね」
「そうだね。毎年サンドイッチ作ってきてくれるわ」
「はいはいはいはい。私あの、あれ好きよ。あのぉ〜」
「たまごサラダ?」
「それ!」
「あれはうちのお姉ちゃんオリジナルだからね。
ま、世の中には全然いるけど。そーゆーオリジナルじゃなくてね?」
「あ、なに?お母さん直伝とかじゃないって意味?」
「そーゆーこと」
「え。あ。へぇ〜。すご」
「なんか小さい頃に…小さいっていっても中学かな?それこそたもっちゃんがウインナー好きで
だからたまごサラダに入れたらいいんじゃない?って入れたのが始まり」
「うわぁ〜。愛だ」
「あの2人も長いよねぇ〜」
「長いね。あ、この後家(うち)来る?」
「お。いいね。行きたい行きたい」
「たぶんみんないるよ」
「マジで?」
「マジで」
「…」
「お?やめとく?」
「いや、1回着替えてもいい?制服のままだとあれだし」
「ん?いいよ?じゃあ、ひさしぶりに詩衣の家お邪魔しよー」
「お。来る?いいよ」
ということでルビーは詩衣の家へ行った。詩衣が私服に着替えて少し話したところでルビーの家へと向かった。
「わー。ひさびさに来た。ルビーん家(ち)」
「どぞどぞぉ〜」
マンションのエントランスのガラス製のスライドドアを開ける。エレベーターで最上階へ。
「エレベーターこんな長く乗るの、ルビーん家(ち)か東京スカイタワーくらいだよ」
「あんな634メートルの塔と一緒にしないで」
最上階に着いて、部屋数、ドアの少ない階で「袴田」の表札のドアを開く。
「どうぞぉ〜」
「お邪魔しまぁ〜す」
「んじゃ、ちょっと行ってくるね」
とちょうど歌乃と那緒がリビングから出てくるところだった。
「あぁ、お姉ちゃん」
「おぉ!詩衣!どーしたん?」
「いや、ひさしぶりに遊びに」
「あ、ルビーちゃん」
「うたちゃん。ただいま。あ、那緒ちゃんも」
「お邪魔してます。詩衣ちゃんもひさしぶり」
「あぁ、那緒さん。おひさしぶりで」
「2人は帰るの?」
「ううん。ルイが寝てるから、その間に夜ご飯の食材でも買いに行こうかーって」
「お兄ちゃん…」
ルビーはローファーを脱いで
「あぁ〜…どうしよ…ちょっと…ちょっと待って。あ、いいや」
と自分の部屋にスクールバッグを投げ入れて
「よし。行こう。詩衣も行こ」
とルビー、歌乃、詩衣、那緒でスーパーへ出かけた。
4人で仲良く、和気藹々と、まるで4姉妹のように楽しく買い物をした。
「…んん〜ん。なんかいい匂い…」
ルイが目を覚ます。
「お。起きたか。すごいぞ?今日はオールスター」
「オールスター?野球?」
「野球知らないくせに」
体を起こすルイ。ソファーの背もたれからひょいっっと顔を覗かせるルイ。
キッチンにはルビー、歌乃、詩衣、那緒がいた。
「あ、お兄ちゃん起きた」
「あ、お兄さん!覚えて…ますか?」
「詩衣ちゃん。おひさー」
「おぉ。嬉しいです。おひさしぶりです」
「相変わらずお姉ちゃんより頭良いってのが喋り方でわかる」
「失礼な。詩衣だって割とバカだからね」
「お姉ちゃんは全教科。私は理系が苦手なだけ。現代文では90以上取ってるし」
言い返せない歌乃。
「ねえルイ?」
保が物悲しげな顔でルイを見る。
「ん?」
「足が…動かん…。痺れてる…」
ルイはジーっと保の足を見る。ルイの足が乗っていたせいだろう。
「詩衣ちゃん」
と詩衣を呼び、手招きをする。
「はい?」
「あ、ルビーも」
「なに?」
2人がソファーの近くに来る。
「保が足触ってほしいって」
ひどく誤解を受けそうな言い方である。
「は?」
案の定冷めた目で見るルビー。
「あ、ルビー。違う違う」
手招きをして、耳元で
「足痺れてるらしい」
と言うとニヤッっと笑うルビー。
「ほおん?」
「え。待ってルビーちゃん。待とう?」
「たもっちゃぁ〜ん。可愛い可愛いルビー様が足を触ってやるってんですよ」
「んん〜。遠慮しようかなぁ〜」
「遠慮しなさんな。現役JK2人に触られるんだからお金出してもいいレベルでしょー」
「待っ…」
「うら!行くぞ!詩衣!」
「よし来た!」
ルビーと詩衣は一気に保の足を掴む。
「あぁぁーー!!」
保の悲鳴が響いた。
「できたよー」
歌乃が夜ご飯をテーブルに運ぶ。ルイがお箸などを人数分出す。
「いやぁ〜いいおもちゃだったわ。ね、詩衣」
「笑ったぁ〜」
「最近のJKは怖い…」
半泣きでダイニングテーブルのイスに座る保。
「本日は豆腐ハンバーグです!美味しい…と思う!」
全員席について
「いただきます!」
と各自で言って食べる。
「んん!美味しい!」
「すごっ。ふわっふわ」
「ちょ、ドレッシング取って」
「あ!見て!影野くんのCM!昼ねー影野くんの映画見たんだー」
「マジ?私も見たかった」
「この後見る?2回目だけど」
「いい。今度泊まりに来たときにルビーと一緒に見る」
「ネタバレかましとこ」
「コ○ース」
仲良く、和気藹々と、楽しく夜ご飯を食べた。
「ご馳走様でした」
全員ご飯を食べ終え、食器を洗い、リビングでバラエティー番組を見て笑い
「んじゃ。そろそろ帰るわ」
歌乃、詩衣、那緒、保が帰る支度をして立ち上がる。
「あ、そ?みんな今度泊まりにおいでよ。今度の土日とか」
「いいね。泊まりに来ようかな」
「じゃ、詩衣も含めて恋バナかな?」
「妹の恋バナ聞きたいか?」
「お兄ちゃーん。帰るって」
ルイはソファーの背もたれから顔を出し
「そこの3人はまた明日。詩衣ちゃんもまたおいで」
と歌乃、保、那緒は次の日も来る前提の別れの挨拶をした。
「はい!またお邪魔させていただきます!」
「ま、歌乃と那緒はわからんけど、オレは昼作りに来るからまた明日な」
ルビーは玄関まで送る。
「んじゃ、ルビー。また明日学校でね」
「ん。また明日ねー」
「じゃ、ルビーちゃん。またねぇ〜」
「うたちゃん、たもっちゃん、那緒ちゃんもまたねぇ〜」
玄関のドアが閉まる。
「帰ったよー」
ソファーに座るルビー。
「おう」
「んじゃ、今日もホラー見るぞ」
「いいけど」
とルイはあることを思い出す。
「あ、そうだ」
「ん?」
「明日の朝さ、サンドイッチ食べてけば良いよ」
「なに急に」
「うたがさ、昼サンドイッチ作ってくれて」
というので察したのか
「え。待って。たまごサラダ?」
と入ってきた。
「おぉ。そうそう。よくわかったな」
「え。あれがどうしたの?まさかあんの?」
「あるって。ラップして入ってるって言ってた」
というルイの言葉を聞き終える前にソファーから立ち上がってキッチンへ行き、冷蔵庫の扉を開けるルビー。
「おぉ!ほんとだ!食べよ」
「今かよ」
「お兄ちゃんも食べるー?」
「お腹いっぱいよ」
「ホラー1本見て、お風呂入って…いや、今お風呂入ってホラー1本見終えたところで焼くか」
「ホラー見た後でのお風呂は怖いもんな」
というルイの言葉を無視してお風呂へ行った。
髪が半濡れの状態で帰ってきて、リビングの電気を消して、兄妹仲良くホラーを見た。
ルビーはパンに歌乃特製のたまごサラダを挟み、トースターで焼いた。
サンドイッチの乗ったお皿を片手にソファーに戻った。
「太るぞ」
「うるさい。ルビー様は太らないのだよ」
「ルビー様は太らない。…これはヒットしないな。
食べるのが大好きでルビー様は痩せられない。うん。こっちのほうが人気でそう」
「酷似した鬼おもしろ作品もうありますぅ〜」
ホラー映画を再生し、リビングの電気を消し、サンドイッチをかじる。
「うんまっ」
「うまいよな。オレも好き」
「ヤバいね。あ、そうだ。今年の体育祭来れる?」
「なんで?」
「いや?別に。深い意味はないけど」
「去年は那緒が予定合わなかったからなー。今年みんなの予定が合えば」
「お。マジ?」
「そりゃな」
「仮に3年間みんなの予定が合わなかったら?」
「3年には行くよ。最後だし。たぶんdadもmumも来るでしょ」
「ま、中3のときにも来てくれたしね」
そんな話をしながらルイ、ルビーは仲良く1日を終えた。