テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第2話 「雷迅国」
雷迅国は、今日も騒がしい。稲妻が空を走り、城下町には笑い声と怒号が入り混じる。
その中心にいるのが——
「なぁなぁ!それ絶対ちゃうって!」
関西弁で大声を張り上げながら、人だかりの真ん中で騒いでいる少年。
雷迅国の王子、**山田 晴太**だった。
「王子様、少しは落ち着いてください!」 「無理や無理!これおもろいやん!」
はるてぃーは、その様子を遠くから眺めて、苦笑する。
(……相変わらずだな)
近づくと、山田は一瞬で気づいた。
「ん? あれ? もしかして……はるてぃーやん!」
「久しぶりだな、山田」
「久しぶりも久しぶりや! で? 今日は何の用や?」
はるてぃーは、真っ直ぐ山田を見る。
「あのな、旅に出たいんだ」 「ほう」 「他国の王子たちと、一緒にな」
その瞬間。
「行く!!」
即答だった。
「……早くね?笑」
「早くない! むしろ遅いくらいや!」
山田は満面の笑みで、はるてぃーの肩を叩く。
「面白そうやん! 王子が国出て旅するとか、最高やろ?」 「危険かもしれないぞ」 「雷迅国の王子やで? それくらい慣れとる!」
そう言って、ぐっと拳を握る。
「それに……」
山田は少し声を落とした。
「強い奴らが集まるんやろ?」 「……ああ」
「ほな尚更行かなあかんやん」
はるてぃーは、その目の奥に宿る本気を見て、静かにうなずいた。
「山田。危なくなったら、引き返してもいいからな」 「なに言うとんねん」
山田は笑う。
「最後まで付き合うに決まっとるやろ」
雷が、遠くで鳴った。
それは合図のようだった。
「よっしゃ! いつ出発や?」 「近いうちに」 「ほな準備してくるわ!」
くるりと背を向けて走り出し、途中で振り返る。
「なぁ、はるてぃー」 「なんだ?」
「……ええ旅になりそうやな」
その笑顔は、嵐の前の空みたいに、やけに楽しそうだった。
✨山田が仲間になった!✨
第3話 12/30 投稿予定