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私の名前は水守千夏と言います。
とある私立高校に通う二年生です。
趣味は読書とお昼寝でしょうか。
最近はライトノベルというものにはまっています。
今日はいつものように教室で過ごしているんですけど、ちょっと困ったことがありまして……。
「ねえ、なんで無視するの?」
目の前にいる少女――姫川さんが話しかけてきているんですよね。
彼女は隣のクラスに在籍しているクラスメイトなのですが、何故かこうしてちょくちょく絡んでくるのです。
別に嫌っているわけではないのですが、出来れば放っておいて欲しいと思う時もあるものでして……。
例えば今のように。
「ねぇ、聞いてる?」
「えぇ、勿論ですとも」
「じゃあさっき言ったこともう一回言ってみてよ」
「はい、わかりました―――『この学園で最も美しい少女はこのボクだ!』ですね」
「違うわ! っていうかなんで知ってんの!?」
「だって毎日仰られていますよね? それも教室にいる時に」
「うぅ~!」
悔しそうな表情を浮かべながら頬っぺたを膨らませる彼女の名前は西園寺愛理衣と言いまして、なんといいますかお人形さんみたいに可愛い女の子なのですが、実はこう見えて男の娘なのであります。
いやぁ世の中不思議なこともあるもんですねー。
まあそりゃそうだろと言われても否定できないんですけどね。
でもそれだと面白くないじゃないですか。
せっかくファンタジーの世界に来たんだから、そこの住人には思いっきりハジけてもらいたいんですよ。
ということで今日も元気にレッツゴーです。
「ちょっと待ってください沙耶架先輩」
「何かしら?」
「その手に持っている物は一体何でしょうか?」
「見てわからないかしら? バケツよ」
「いやそれはわかるんですが何故それを持ってきたのかという質問であって、まさかとは思うのですがそれで水をかけるつもりではないでしょうね?」
「あら、よくわかったわね。その通りよ」
やっぱりか。
予想通りの答えだったので驚きは少ないものの、やはり実際に行動されると困るものでして……。
「いや~、やっぱりさすがですね! さぞかしモテているんでしょうね!」