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私にはどうしても叶えたい夢がある。
それは私が今までの人生の中で培ってきた価値観を覆すものであり、とてもじゃないけど他人に相談できるようなことではない。
いや……そもそも相談してどうにかなる問題なのかすら怪しい。
それでも諦められない理由があり、だからこそ私は今日もこうして一人で戦っている。
「――という感じでどうかな?」
「うーん、悪くないと思うんだけどね。やっぱり少しパンチに欠ける気がするんだよね」
「そっかぁ。じゃあこれはボツかな」
今は学校の授業が終わった直後なので昼休みの最中。
私は友達の美奈ちゃんと教室の隅っこの方に移動してお弁当を食べていた。
ちなみにこの美奈ちゃんというのは私の幼馴染みでもある。
家が隣同士ということもあり、小さい頃からずっと一緒に遊んでいた仲良しさんだ。
「ところで沙耶ちゃん。最近何か悩んでることとか無い? もし良かったら話を聞くよ」
「えっと……うん。実はちょっと困ったことがあってさ」
「へぇ~、そうなんだ。どんな悩み事なの?」
私は一瞬だけ迷ったが、意を決して立ち上がった。
教室を出ていく前にもう一度だけ後ろを振り返ると、そこにはいつも通りの光景が広がっているだけだった。
◆ 放課後になり、僕は指定された場所へと向かうことにしたのだが……果たして彼女はそこにいた。
校舎の裏手側にある小さな林の中だ。
まだ少し距離があるにも関わらず彼女の存在を認識することが出来たのは、まるでスポットライトのように陽光が降り注いでいるからだと思われる。
いや、あるいはそれだけではないかもしれない。
確かにそれも理由の一つではあるが、もっと別の理由もある