【お願い】
こちらはirxsのnmmn作品(青桃)となります
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ご本人様方とは一切関係ありません
犯罪組織と戦うメンバーさんの、戦闘パロ のお話(番外編)です
今回はワードパレットでリクエストいただいた3つの言葉(サブタイトルになってます)を本文中に使用してのお話になります
ERROR本編「16話 チャーム①」の冒頭部分を少し詳しく書いた青視点です
本当はあの時青さんはこんな心境だったよ、の裏話
これは全部きみのためだ、なんて、ずっと胸の内で言い訳をしてばかりだ。
もう届くことはないこちらの声。
見開かれた目は天井に向けられ、もう俺を俺と認識してくれることもない。
その目がゆっくりと光を失うのと同時に、体温が急速に下がっていく。
それにつられるようにして、自分の目からも温度が奪われていくのが分かった。
心を凍らせてでもいないと、とても平常心なんかではいられない。
今まで人を何人も殺してきたはずなのに、心の底から愛した人に手をかけたのは初めてだった。
頭を空っぽにしていないとだめだ。考えるな、仕方がない。
こうするしか方法なんてなかったんだから。
冷たくなっていくないこの体が、ずるりと俺の腕の中から落ちる。
注射器はもう片方の手から滑り、床で硬い音を立てた。
そのままドサッと、細い体がラグの上に崩れる。
天を向いた目は完全に瞳孔が開いていて、もう既に事切れていることが分かった。
バーのマスターに入れ替えてもらったアンプルは、期待以上の即効性だった。
刺した瞬間に穿刺部分から薬液が滲み広がっていき、血管に入りこんだらすぐに意識を失う。
そうして静かに呼吸も止まり、ほんの数時間死んでいるのと同じ状態になる。
いわゆる仮死状態。
おとぎ話の中のどこかの姫のように、ただ息もなく眠るだけの状態だ。
ただ、この薬液の効果が正しくそうであるとは保証できない。
できあがったのはここへ来る直前だったし、誰か他の人で試すなんてこともできるわけがなかったから。
だから、この後本当にないこが目を覚ますという保証はない。
これは俺にとって賭けだ。それでもこの手段しか選べなかった。
家族同然の4人を人質にとられ、ないこを殺して遺体を持って帰れと命令された…あの時の黒マスクのニヤついた目を思い出しては、また腹の奥底から言いようのない憤りがこみ上げそうになる。
黒マスクの目を欺いて、仲間を守りつつないこをも失わない方法はこれしかない。
殺したと見せかけてないこを連れて行き、そこで目が覚めたあいつと共にあの連中を壊滅させる…それしかもう自分には道がない。
ただ、この後本当にないこが目覚めなかったら…?
その時はきっと、俺は一人では脱出もできずに黒マスクに殺されるんだろう。
そんな自分の未来は見えている。だけどお前が目覚めないなら…そんな未来生きていても仕方がないかもしれないとも思う。
ラグの上に横たわるないこの瞼を、ゆっくりと手をかざして閉じてやった。
あの表情がクルクルと変わる、楽しそうに細められた目はもうしばらくは開くことがない。
「まろ」と楽しそうに笑いかけて細めることもない。
「好きになってもいい…?」と、上目遣いに問いかけてくることもない。
「……」
ないこの遺体の前に跪き、体を寄せる。
本当にどこかの絵本にこんなシーンあったよな。
そんな自嘲気味なことを思い浮かべながら、血色の悪くなったその唇に自分のそれを重ねた。
冷たい、ただ触れるだけのキス。
「…還ってこいよ…必ず」
ネックレスに見立てた盗聴器を押さえてあちら側に声が届かないようにしながら、そう念じて小さく呟く。
祈るような独白に返る声なんてあるわけもなかった。
急激に体温が奪われていくその体を、抱きしめるようにしてもう一度抱え上げる。
カウンターの上に投げっぱなしだった車の鍵を取ってないこの体をかつぎあげたまま、リビングの扉を開き俺は玄関へと向かった。
コメント
2件
あ、懐かしいやつ!いや、そんなに懐かしくはないか、、、?私戦闘系すきなんですよね!これからも更新頑張ってください!
ERROR久しぶりに見たけど、 そうですよね。もし還ってこなかったら……、それさえもわからない状態ですもんね。改めて見てみるとじーんと身に染みます……\( ´˘`)/ 更新ありがとうございます.ᐟ.ᐟ またERRORが更新されるとは…!?