待ってろ福岡！

隠して付き合って6年半過ぎ、もういいだろうと岩本が言う。渡辺は今更、言うつもりはないと言う。で、2人はただ今、喧嘩中。

渡辺は、天邪鬼の上に、超恥ずかしがり屋。皆んなに言うなんて考えられない。そんなことしたら、仕事に出てこないだろう。

岩本は、もう6年半以上も必要以上に関わらないようにしてたし、それらしい素振りも見せず、寂しい思いもしてきた。

岩本ーいいだろう？

渡辺ーやだよ。

岩本ーもう6年半以上だぞ？

渡辺ーそんなの今更だ、言う必要ない。

岩本ー目黒やラウールが仲良くしてるけど、俺は眺めることも許されないのか？笑ったり話したりしたらだめか？

渡辺ーひかる、寂しいのか？

岩本ーん、寂しい。

渡辺ー皆んなに言って、寂しさが消えるか？

岩本ーお前と普通に話したり、笑ったり、抱きしめたい。

渡辺ー俺はお前に酷いことしてるか？

岩本ー時々、辛いって思う。

渡辺ーちょっと考える。

目黒ー岩本くん、何か言ってた？

渡辺ーお前か。

目黒ー時々、俺たち見て、寂しそうな顔してるから。

渡辺ー何で、今なんだ。もう6年半以上過ぎてるし。

目黒ーずっと前から我慢してたんじゃない？

渡辺ー俺、我儘か？

目黒ーちょっと岩本くん、可哀想って思うけど。

渡辺ーでもなぁ、自分の家より照の家にいる方が多いけど？それじゃだめか？

目黒ー翔太くん、岩本くんに甘えてる？

渡辺ー・・。

目黒ー普段、知らん顔してるんだから、2人の時は、うんと甘えないと。

渡辺ー努力する。

甘えているとは言い難かった。

自分では、甘えん坊だと思っている。岩本が優しいから、我儘いっぱいだと思う。

我儘なくせに、外では知らん顔なのが嫌になったんだろうか？

久しぶりに酷い頭痛がやってきた。

目を開けてられないし、立ってられない。携帯持ってタクシーに乗る。着てきた服をその辺で脱ぎ、下着だけでシーツに包まれる。

岩本ー翔太？

渡辺ー・・。

岩本ー服着てない。

着替えさせていても起きない。

昨夜から痛くて、寝られなくて徹夜で仕事に行き、ふらふらで帰って来たのだ。いつもより酷い頭痛は、治らず岩本の家までやって来た。力尽きて寝たという感じだ。

岩本ー熱は・・。

表示体温は40度。

シーツごと抱き抱えて病院へ。

部屋から駐車場まで、誰にも会わないで良かった。

本人は意識ないがいつものように点滴を受ける。

具合が悪い時に自分のところに来てくれたのは嬉しい。

だが、ここまでなる前に一言言えないかなと思う。

渡辺ーんっ・・ひかる・・。

岩本ーここにいる。

渡辺ー帰る。

岩本ー点滴がもう少ししたら終わりだ、寝とけ。

渡辺ーん〜ん。

岩本ーだめ、もう少し我慢しろ。

ポロポロ泣き出した。

渡辺の涙を岩本は舐め取った。

ついでに軽くキスもして。

渡辺ーばか、病院。

岩本ー甘ったれが泣くから。

渡辺ーんっ・・。

岩本ー点滴終わった、看護師さん、呼ぶからな。

点滴をしたのに、38度近くまでしか下がってない。

いつもの看護師さんに、「渡辺さん、歩けないと思います」と言われてまた、シーツごと抱き抱えて家に帰って来た。

渡辺ーひかる・・ひかる・・。

岩本ー腹減ってるから、晩ご飯作る。翔太も、何が食べるか？

渡辺ーいらない。

岩本ー晩ご飯食べないと元気にならないぞ？

渡辺ーいらん、食べたら吐く。

岩本ー大人しくしてろ。

渡辺ーひかる・，ひかる・・。

岩本ーもう！甘ったれ。出前頼むからちょっと待て。

出前の電話をして、渡辺のそばにいく。

せっかく苦労して着せた服を脱いでいる。

岩本ー何してんだ？

渡辺ー熱い。

岩本ー風邪引く。

渡辺ー大丈夫だ、こんなに熱いのに。

出前が来た。

岩本は渡辺がちょっとでも、食べてくれたら嬉しいと思ったが。

渡辺ーん〜ん。

岩本ー何もいらないの？

渡辺ー水。

岩本ー仕方ないなぁ。

冷たい水を持ってきて、薄く開いた渡辺の唇に流し込む。

両腕を岩本の首に絡めて、そのままキスしている。

少し口を開けて「もっと」と言う。

水が欲しいのか、キスして欲しいのか分からない。

渡辺ーひかる・・。

岩本ー明日朝から移動だぞ。

渡辺ー熱い・・。

岩本ー・・コンサート出来るか？

渡辺ー当たり前だ。

渡辺の熱い身体を抱きしめる。

熱い身体を開く。

岩本が理性を手放した瞬間だ。

追い立てる。突き上げる。

渡辺ーいい・・ひかる・・。

熱のある身体。

それでも欲しがる身体。

岩本は渡辺の身体を抱きしめ起き上がる。

深く繋がる身体。

渡辺ーひかる・・もっと・・おく・・。

奥へ奥へ突き上げる。

渡辺は足を絡ませて、岩本を誘う。

身体が細かく震えてきた。

そろそろ限界がきた。

渡辺ーひか・・る・・はぁはぁ・・んっ・・んっ・・ん〜。

倒れ込んでくる身体を抱きしめ起き上がる。シャワーを浴びに行く。

さっぱりした身体は、気持ち体温が低くなった気がする。

岩本ー測ってみ？

渡辺ー・・。

37.4度。

汗いっぱいかいたらいいと言う渡辺。

納得いかない岩本。

だが熱は下がってる。

温かい格好をさせて、シーツの中。

岩本ー福岡、弾けてくれよ？

渡辺ーふふふ。

岩本ー寝よう。

渡辺ーひかる、抱きしめて。

いつものちょっとひんやりした身体。明日は大丈夫だろう。

福岡で、美味しいもの食べて頑張ろうと話す。

渡辺ーひかる、俺たちのテーブルに来い。

岩本ー翔太・・。

渡辺ー目黒とラウールと4人で食べよ？

岩本ーでも・・。

渡辺ーユニット組んでるラウールがいるから大丈夫だ。

岩本ー分かった。

笑って渡辺を抱きしめキスをする。

嬉しいって言ったら、たまにはなという。

待ってろ福岡！

完