どうも皆様、サカナです
絶対に娘を渡したくないNL蘭江戸夫婦と、なんとしてでも結婚したいNLアメ日帝のお話です
最終的に仲良くなるオランダさんとアメさんもいます
中々意味わかんない話です
大きな日本家屋の一室で、土下座した男がこう叫んだ。
「娘さんを!!!!俺にください!!!!」
「断る!!!!!! 」
土下座する男の名はアメリカ。拒否したのは江戸である。
「可愛い可愛い私たちの娘を、貴様のような輩に渡してたまるか!!!!今ここで切り捨ててくれるわ!!!! 」
「まあまあ落ち着いてよ江戸。俺が殺るから」
背後に飾っていた刀を手に取り、振り上げようとした江戸を止めつつ、オランダは拳銃を取り出した。
アメリカは応戦してやろうかと思ったが、そうすれば日帝の嫁入りは認められないだろう。
「殺す前提をやめていただきたいのですが…お父様、お母様、私からもお願い申し上げます。私、亜米利加となら結婚したいと思えるんです、お願いします」
「駄目だ駄目だ!!いくら日帝のお願いだろうと、これだけは聞くわけにゃいかん!!」
「ではどこが駄目なんですか?こんなに良い男ですよ?」
「///」
さらりと褒められて嬉しい反面、このダメなポイントを改善すれば許してもらえるのでは?と考えたらアメリカ。
江戸はそうだな、と言って大人しく座り、刀は彼女の右側に置かれた。
敵意丸出しにも程がある。
「まず、仮にも女である 私をぶん殴って開港させるような暴力的なところが駄目だ。次にオランダから聞いたが、金にものを言わせて女を侍らせていたそうじゃないか。駄目だ。英国によると素行も悪いらしいな?紅茶を海に投げ捨てられたと聞いたぞ。食べ物を大切にできんやつは駄目だ。私が言えたことではないが、人種差別もするそうだな。最悪だ。そして結婚の挨拶の時くらいサングラスを外せ。言葉の端々にも乱暴さ、マナーの無さが出ている。それに比べて日帝はどうだ?私から生まれたとは思えんほど礼儀正しく、愛らしく、強かで完璧だ。貴様とは釣り合わん」
((全部事実だ…))
てっきり娘を取られるのが嫌というだけかと思えば、普通に納得できる回答を並べ立てられ、アメリカも日帝も何も言えなくなってしまった。
特にサングラスや言葉遣いには気をつけろと、日帝はあれほど言っていたのに。
「アメリカ、お前は確かに顔は良いし金もある。覇権国としての権力だってあるし、正に世界の中心と言えるだろう。でもな、お前はプライベートがひどすぎる。DVも浮気もしそうだ。日帝、諦めなさい」
「い、いやでも、甘いものとか…くれますし…」
「殴られたり浮気されたり差別されたり、酷いことをされても甘いものだけで耐えられるのか?日帝」
「そ、それは…」
自分が殴られたわけではなくとも、確かに母に酷い痣ができていたあの日を忘れたわけではない。
世界恐慌によってかなり苦しめられた思い出だってある。
自分の火傷は完治したが、元を糺せば全てアメリカのせいだ。
こんなことで冷める日帝ではないが、これでは認められないのもわかる。
「に、日帝ちゃん?俺しないよ?もう女子供は殴ってないし、日帝ちゃんより可愛い子いないと思ってるし、ポリコレ過剰摂取してるし…」
「…そ、そうだよな!亜米利加はもう改心しましたよ!お母様!」
「うーん…確かに先ほどの話は過去のものだな。でもな、本音を言うと貴様が身内になるだけで割と嫌だ」
「ブリカスの子供だしな…って、まあそれは評価には含んでないんだけどさ。俺も江戸もお前は苦手なわけだ。日帝も散々な目に遭わされたしな?ねー、江戸」
「そういうことだ。私たちを納得させたいのなら、もっと行動で示してから言え。いいな?」
そう言いながら刀を抜こうとする江戸の圧に、アメリカは
「ハ、ハイ…了解シマシタ…」
と言うしかない。
江戸の見た目は小さく愛らしい少女にも見えるが、中身は豪快かつ用心深い武士であり、日本全土をまとめていた幕府なのだ。
平和主義とはいえ、その圧は重々しい。
「流石…あの亜米利加を扱きあげるとは…」
「…あの、一つ質問なんデスケド…」
「何だ。くだらんことであれば叩っ切るぞ」
「駆け落ちしたらどうなるんデスカ…?」
「地の果て、銀河の果てに行こうが見つけ出し、日帝を連れ戻して貴様を殺す」
「これ嘘じゃないんだよな。俺と江戸の人脈だけじゃなくて、親日国とかその知り合いとか全員 協力してくれるから。もちろんイギリスやカナダ、フランスもな。言質は取ってるぞ」
「………怖」
アメリカは素直にそう思い、思わず口に出た。
その後、本当に長い年月をかけて結婚の許しを得た2人は、無事に結婚式を終えて家庭を持つようになる。
更には説得するまでに色々ありすぎて仲良くなり、新居でイチャイチャしながらも、たまに日帝の実家まで行く習慣ができた。
「日帝!待っておったぞ!」
「お母様、私も楽しみにしておりました!」
ぎゅーっと抱きしめ合う母娘を見守り、義父となったオランダへ挨拶をするアメリカ。
「いやー、何回来ても緊張感あるな」
「最初はとんでもない勢いで扱きまくったしな。あれを教訓にしてもらわないと困る」
「へーへー、まあ仲良くやってるよ」
「それならいい。そんなお前に一つ良いことを教えてやろう」
江戸と日帝を置いて、オランダはすぐそこの中庭まで連れて行く。
そして執拗に辺りに誰もいないことを確認したのち、こう言った。
「江戸もそうだが、日帝は顎の下と耳の付け根を撫でられるとめちゃくちゃ喜ぶ。そして尻尾の付け根あたりをぶっ叩くと、ものすごくとろけるぞ」
「…マジ?」
「マジだよ。撫でるのはともかく、叩くのが不安なら強めに撫でるだけでも喜ぶぞ。そのうち自分からおねだりする」
「なにそれめちゃくちゃえろい」
「めっちゃえろいぞ」
男子小学生のような低脳具合で返事をしつつ、アメリカはニヤける口角を抑えた。
江戸は比較的慣れているが、もし日帝に聞かれたなら、幻滅されること間違いなしだろう。
「…お義父さん、情報料っていくら…?」
「家族サービスってことで、無料でいいよ」
「最高」
「その代わり!」
オランダはアメリカに向き直り、肩に手を置いた。
「江戸も俺も楽しみにしてるから、孫の顔は早く見せろよ」
「3年後に必ずって約束する」
ガシッと手を握り合って、2人は真面目な顔で頷く。
そして本当に3年後、日本という名の女の子が、この一家に増えるのだった。
コメント
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説教タイムが全部正論で全米が泣いた⋯。 情報共有してるの好きですw👍 最高でした(`・ω・)b!!
苦労したんだなぁ、アメリカ、、、 終盤のオランダとアメリカの息の良さが最高です!!