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どうも皆様、サカナです

ここ、比較的やらかいお話が多いんです

たまにはがっつり鬱にしたくて…そういう時期

絵も小説もスランプ故、そんなに描写できんだろうとは思いますが…まあ、何卒お付き合いください

ソ日帝モドキです、愛と倫理観はないです

歴史解釈も合っているかわかりません





















「ねえ、なんで俺のこと殺そうとしてたの?」

がっと大きな手で頭を掴まれ、力を込められる。

確か、ソ連が中立の約束を破ってきたから急ぎで向かって、戦って、あまりの寒さにシベリアで倒れて…

気がつけば、ここだ。

「なあ、答えてよ日帝。俺より大人だろ?俺が生まれた時からずっと大人なんだからさ」

「ゔ…ぐッ…」

こいつは体格も良く、力も強い。

先輩が失明させてやったと高笑いしていた右目は眼帯に覆われているが、もう片方の金色の目は確かに俺を睨みつけて、頭を掴む手に力を込める。

とても痛い。握りつぶされそうだ。

「ねえ、ねえって。シベリア出兵。覚えてるよね?俺のこと殺そうとしたよね。クソ親父を殺して革命しただけなのに。ナイフ向けたよね、撃ってきたよね、すごく痛かったよ」

低く恨みが籠った声で、機械的に同じことを問いただしてくるソ連。

当時、社会主義を徹底して排除していた俺は…俺たちは、社会主義国家として成功しかけているソ連が邪魔だった。

労働者たちに革命されては、世界各国から迷惑だったのだ。

だからシベリアへ赴き、こいつを…ソビエト社会主義共和国連邦を排除しようとした。

俺たちは他国より多くの軍を送り込み、俺たち自身も、かつてはロシア帝国だった地を踏んだ。

結果としては失敗に終わり、革命は成功した…というのが、ソ連建国までの流れ。

あの時、ロシア帝国の惨殺死体を外に放置していた狂気ぶりから、ソ連をただの子供と見くびってはいけないことを知った。

まさか、ここまで恨まれていたとは。

「…ねえ、早く答えてよ。アメリカもイギリスも何も言わない。ただ悪かったなって言ってそれで終わり。殺されそうになった理由を知りたかったのに。謝れなんて言ってないのに」

ソ連はナイフを取り出した。

「言わないと俺とお揃いになるよ」

つまり、片目をくり抜きでもするのだろう。

「ぃ…言う…!言うからッ…手を、離せッ…」

「…へぇ、日本兵ならもう少し耐えるかと思った。案外ちょろいんだね」

すっと頭から手を離され、くるくると回してナイフを仕舞ったことを見届ける。

少し息を整えてから、俺は大人しく事実を話した。

「…社会主義が成功したら、俺たちは困るんだよ…各地で労働者が革命を起こしたり、お前たち側へ亡命したりすれば、国内生産力はガタ落ち…アメリカやイギリスのような大国ならともかく、俺は発展途上で、列強としてやっていくには経済成長が欠かせなかった…だから、社会主義者は徹底的に排除したし、お前も同様の理由で殺そうとした…これで満足か」

この程度なら、愛する祖国のダメージにはあまりならないはずだ。

なんせ第一次世界大戦は終わり、こいつは成立してしまっているから。

「ふーん…」

恨みを込めた金色の瞳は俺を捉え続けているが、巨体に似合わずあどけない表情をしている。

そして何かを考えたのち、ソ連はにっこりと笑ってこう言った。

「じゃあ、俺の飼い犬になってくれる?」

「…は?」

「俺の命を自分のためだけに奪おうとしたんだから、捕えた今、俺がお前をどう扱っても問題ないじゃん?」

屈託のない笑顔は逆に狂気を感じさせ、寒さ以外の要因であろう鳥肌が立つ。

悪寒がする。

「俺、気になってたわけ。お前はちっちゃいのによく動いて戦うから、そんな元気はどこから出てるんだろう?ってね」

「…そ、それがどうして、俺を飼い犬にすることに繋がるんだ…?」

「誰にも聞けない、本にも載ってない。だったら、ペットにでもして観察すればいい!ってことさ。安心して、ちゃんと世話してあげるから。飯はつけるし、部屋もやるし、運動もさせる。お前はわんわん言って俺に従えばいいだけ。簡単だろ?」

「っ…ふざけるな!そんな悪趣味で下劣なこと、この大日本帝国陸軍様がゆるさ」

「うるさい」

「ッぐ…!」

気候にピッタリなひどく冷たい声で、ソ連は俺を殴った。

「お前は犬だ。返事はわん、飯はドッグフード、犬小屋は外。いいな?」

「そ、そんなことまかり通るわけがっ…」

「だから、返事はわんって言ったよな」

「ッ…ぅ…く…」

床に蹴り倒され、そのまま顔を踏みつけられる。

冷たい地面は俺の体温をあっという間に奪い、硬い靴から一回りも二回りも体格が違うソ連の体重をかけられていく。

「もう一度だけチャンスをやる。ほら、わんって言ってみろ」

「………ゎ…ん…」

「ふっ…無様だね、日帝」

嘲るソ連を無視して、俺は起き上がる。

顔にはきっと、靴の跡がくっきりだろう。

まだじんじんと痛む顔を手で押さえていると、四肢を拘束していた鎖を外され、首に繋がれていた鎖を引っ張られた。

「ッいきが…ッ」

「ここは拷問部屋だから、犬がいる場所じゃないよ。早く歩け。もちろん四足歩行だぞ」

そんなに首を引っ張られては、立つに立てない。

霜焼けどころか凍傷した手を酷使し、冷たい床を四つん這いで進む。

日本男児としてあるまじき姿に、自害も考えた。

だが、そんな暇はなさそうだ。





「ほら、お前にはここで十分」

ほとんど引きずるような形で地上に連れて来られ、中庭らしき場所に放り投げられた。

幸い、雪が積もっていて痛くはない。

「!?こ、ここはそ…」

「犬の返事は…なんだっけ?」

「ッ…わん…」

「それでいい。犬はそこで大人しくしてろよ。後で何か持ってきてやるからね」

大雪の中、俺は奴の飼い犬にされた。


生肉やドッグフードを食べさせられ、雪の中で四足歩行の散歩をさせられ、寒さに震える日々。

本当は全て放棄して、柴犬のように不動になろうとしたことはある。

だがソ連の力の前では無力で、ズルズルと引きずられるばかり。

ドッグフードはまずく、冷たく、味気ない。

生肉だって食べたくない。

ほとんど凍っているから噛めたものではないし、いくら寒いからといっても、時間が経つごとに状態は劣化する。

でも俺は雪の中に放置だから、食わねば本当に死ぬ。

生きて脱出して、ソ連の奴を出し抜かねば。

祖国のために戦わねば。



…だが、やはり生きていたところでどうしようもない。

人語を話せば折檻され、小石の多いガタガタの道を引きずられ、生肉やドッグフードを食わされ、時々メス犬だとか言って性処理に使われる。

辛い、あまりにも辛かった。

「…いっそ、死んだ方がマシだな」

捕まった時点でそうすべきだったことを思い出す。

「幸い、今は冬だ。早く死ねる」

ズタボロにひび割れ、赤を通り越して白くなった腕を無理矢理動かし、雪を掘る。

降ったばかりで柔らかいはずなのに、ひどく固いように思われた。

なんとか潜れそうなくらいにはなったので、犬のように飛び込んで雪に埋まる。

冷たくて気持ちいいと思った。

感覚器官に異常が起きている。

ここで眠れば、死ねる。













「日帝、飯…ってあれ、いない?」

生肉を置いて探してみれば、やけに膨らんだ雪積もり。

分厚い手袋で覆われた手で軽く掘ってみれば、眠る犬の姿が現れた。

叩いても突いても起きる気配はない。

掘り起こして暖炉の火に当てたが、一切動かなかった。

ボロボロになった皮膚は赤く、冷たい。

関節も動かないし、おそらく死後硬直か。

「あー、死んだか」

クソ親父は何ヶ所か刺して外に放置しただけで死んだことを考えれば、かなり耐えた方だろう。

「…まあいっか。次はナチで試そう」

恨みを晴らすとは名ばかりになっていた、俺の趣味。

世話をすることが、思ったより楽しかったのだ。

征服感が満たされる。

俺は意外と世話好きなのかもしれない。

「さーてと…ばいばーい、日帝」

四肢をバキバキに折り曲げて、ゴミ袋に詰めた。

思いつきカンヒュ集

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