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いい先輩でいさせてくれない君。
木葉秋紀くんでてきます。
夢主出てきます。
少しマイナスかもです。
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〇〇side
あの日から、木葉さんとの間に妙な壁ができてしまった。
廊下ですれ違っても「おう」と短く挨拶されるだけで、いつもの意地悪なからかいも頭をぽんぽんと叩いてくれる大きな手の温もりもない。
〇〇:
(……やっぱり、木兎さんのこと、協力してくれるつもりなんだ)
私は、親友に頼まれた「木兎さんへの手紙」を握りしめていた。本当は、こんなもの預かりたくなかった。
でも、木葉さんに「頑張れ」と言われてしまったから、もう後には引けなかった。
一方、木葉は部活中も上の空だった。
木兎:
「木葉ー!今のトス、もっと高く!」
木葉:
「おー、わりぃ……」
木兎の底抜けに明るい声が、
今の木葉には鋭く刺さる。
木葉:
(あいつ、今日木兎に会うのか……?)
練習後、部室を出ようとした木葉の目に、体育館の影で誰かを待っているお前の姿が映った。手には、可愛らしくラッピングされた手紙。
木葉:
「……マジかよ」
胸が焼けつくような感覚。
止めなきゃいけない。
でも、何の権利があって?
「いい先輩」の仮面が、今にも粉々に割れそうだった。
木葉は無意識に、
お前のもとへ歩き出していた。
木葉:
「……おい」
〇〇:
「あ、木葉さん……」
お前がビクッと肩を揺らし、手紙を隠すように背中に回す。
その仕草が、木葉には
俺に見られたくない大切なラブレター
にしか見えなかった。
木葉:
「……本気なんだな」
木葉の声が、今まで聞いたことがないほど低く、震えていた。
木葉:
「木兎に、それ渡すのか? あいつ、鈍感だぞ。手紙なんて読んでも、お前の気持ちに気づかないかもしれないぞ」
〇〇:
「えっ……でも、渡さなきゃいけないんです」
木葉:
「……なんでだよ。俺じゃ…ッダメなのか?」
思わず溢れた本音。
お前は目を見開いて、固まった。
〇〇:
「え……? 木葉、さん……?」
木葉:
「……わりぃ。今のは、からかいすぎた」
木葉はすぐに顔を背け、自嘲気味に笑った。
木葉:
「そんなに必死な顔すんなよ。……いい先輩として、あいつに『ちゃんと読め』って言っておいてやるからさ」
そう言って、
木葉は逃げるようにその場を去った。
お前の手に握られている手紙の宛名が、
お前の親友の名前だということも。
お前が木葉の「俺じゃ、ダメなのか?」という言葉に心臓が止まるほど歓喜していたことも。
二人の勘違いは、解けるどころか、さらに深く、複雑に絡み合っていく。
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これで終わりです。
ありがとうございました。