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次の日…
約束通りないくんと一緒に帰ることになった。
お母さんには、歩いてる途中で迎えに行くかもだからいつもの道を歩いてきてと言われた。
了承をもらい、謝らなきゃなと思いながら学校にいく。
たまにないくんと目が合う。
でも、俺もないくんも話そうとはしない。
でも、お昼やっと話すことができた。
桃「今日、帰れなくなった。」
赤「なんで?嘘でしょ?もうわかってるから。」
そういい、その場を立ち去ろうとする。
桃「えー?諦めたんだ。」
これもいつも言ってくる。
ないくんは俺に好きと言ってくれたことがない。
だから、俺はもういいの?という脅しのようなものなのだろう。
赤「それは違うじゃん!」
でも、その先の言葉が出てこなかった。
結局、そのまま俺は教室へと足を運んだ。
5限と6限の間の休み時間。
ないくんと目が合い、追いかけた。
赤「まって!!」
懐かしいな。
夏休み前はいっつもこうやって追っかけてた。
久しぶりにやった。
でも、今回はすぐに止まってくれた。
きっと、昨日俺が泣いていたからだと思う。
桃「帰ってあげるよ。」
赤「ほんと!?!」
桃「うん、でも他の人もいるかも。」
本当はうわ〜と思った。
嫌だった。
2人きりで帰りたかった。
でも、そんなことは言えるはずもなく。
赤「わかった。いいよ!玄関で待ってて‼︎」
帰り
俺が降りた頃にはないくんは靴紐を縛っていた。
いつものように、水筒や体操服は床にドーンと置いている。
俺が広い、ないくんが靴紐を縛り終わるのをまった。
歩き始める。
すると、周りから嫌われている男子がついてきていた。
俺たちの輪の中に入り、話をはじめる。
なんなんこいつ。
ムカつきながらも歩く。
また、事件はおこる。
後ろから女子が走ってきて、
ないくんにドーンとボディタッチをする。
赤「俺のないくんだから触れないで‼︎」
なんて言えたら楽なんだろうなぁ。
でも、嫌な気持ちをグッと押し殺して歩いた。
ないくんともたまに会話を交わしながら。
ないくんと一緒に帰るのは久々だから嬉しかった。
いつも曲がる道までくる。
でも、その嫌いなやつも曲がるから遠回りして帰ろうとみんなが話していた。
でも、俺はお母さんに言われ、いつもの道で帰らないといけない。
嫌いなやつだけ曲がった。
おれはどうしよう。
そんなことを考えていると行ってしまう。
追いついたが、どうすればいいのかわからない。
みんな歩き始めてしまう。
どんどん間が大きくなる。
みんな、俺のことなど眼中にないように歩く。
俺は1人だけ振り返り逆方向を歩き始めた。
ないくんの横顔をチラチラと見ながら。
ヤバイ。また泣いちゃう。
すると後ろから声がした。
桃「じゃあね!」
手を振って大きな声で叫ぶ。
涙が止めなく流れ出す。
もう、やめてよ。
そうだ。
いっつもそうだ。
俺の変化に気づいてくれるのはいっつもないくん。
赤「またね。」
ないくんは俺の事情を知っているから何も突っ込んでこない。
それが楽でもあり、苦痛でもあった。
追いかけてきてくれないか。
少しだけ、ほんの少しだけ期待した。
俺には選択肢が残されていなかった。
お母さんの言うとうりにしなくてはいけない。
それでまた涙が出てくる。
どっかの曲がり角で会えないかな。
淡い期待を寄せながらスピードを落とす。
ゆっくり、ゆっくり歩く。
ないくんのことを思いながら。
好きと言う気持ちを噛み締めながら。
結局ないくんの家の前まできちゃった。
お母さん、迎えこないじゃん。
すると向こうからないくんが曲がってくるのが見えた。
桃「あれ?りうらじゃん。」
ないくんだ。ないくんだ。
本当はすぐにでも近づきたい。
でも俺にそんな勇気はなかった。
桃「なんで1人であっち行っちゃったの〜?」
赤「だって”….お母さんが迎えにく”るって”…。」
桃「きてないじゃん。」
赤「うん”…こなかった…笑」
目に涙が溜まる。
でも、マスクをしているからないくんにはバレていないはずだ。
目元だけだし。
桃「なんでまたそんな顔してんの…〜。」
なんで。
なんで気づくの?
なんで貴方にはわかってしまうの?
大粒の涙が流れ出してしまう。
桃「なんでそうなっちゃうの〜…。」
赤「フルフル」
違う。
違うんだよ。
そう伝えたくて首をふる。
ないくんは何も聞かないでいてくれる。
後ろから別の団体もきている。
桃「じゃあね。フリフリ」
きっとないくんは俺が泣いているのがバレないようにしてくれたのだろう。
手だけ振るつもりだった。
でも、今はないくんの顔が見たくて仕方なかった。
赤「またねフリフリ」
少しだけでも笑顔を見せたくて。
俺はその瞬間だけ頑張って笑顔を作った。
ないくんと別れた後、
泣きに泣いた。
あとで、月曜日も帰れるか聴いてみよう。
次は絶対笑顔でまたねと言えることを信じて。