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遠征部隊は破竹の勢いで突き進み、半月で渋谷や新宿など主だった拠点が陥落し、千人以上の東京のヤンキーが新たに余の奴隷となった。一方、降伏せず逃走した者も千人以上いて、彼らは千葉や埼玉のヤンキーと同盟して横浜デビルと徹底抗戦する構えのようだ。
「おまえたちだけで大丈夫か。夏休みだし必要があれば余も力になるぞ」
「おれたちは手柄を立てたいんです。総長が出てくると、おれたちの出番がなくなってしまうじゃないですか」
徹也にそう言われると、しゃしゃり出るのは気が引ける。毎日毎日暇だし暑くてイライラするし暴れ回りたくて仕方ないのだけど。
「じゃあ、邪魔しないから見てるだけならいいか」
「見ていたら参加したくなるんじゃないですか。本当に見てるだけで我慢できますか?」
「正直あまり自信ない」
「ですよね」
総長はここぞという勝負時に繰り出す切り札ですからとおだてられたが、言いくるめられただけのような気がしないでもない。余の欲求不満を解消してくれる手ごろな敵がどこかから都合よく湧いてきたりしないものだろうか?