コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
そういうわけで、毎日家でぼうっとしている。そういえば、クラスメートの相川美紅たちも遠征部隊の一員として東京にいる。でもやってることといえば、何がおいしかっただの、芸能人と遭遇しただの、SNSにそんな投稿をしているだけ。あんな役立たずを連れて行くなら総長の余を連れていけと言いたい!
「やあ、音露、少し話してもいいかい?」
心の中で美紅や徹也を何度目か分からなくなるくらい半殺しにしながら、クーラーでキンキンに冷えたリビングで棒アイスをかじっていると、パパがおっかなびっくりという表情でリビングに入ってきた。今日は平日だけど、パパは年に何日かもらえるという夏休みで会社を休んでうちにいる。ちなみにママは普通に仕事。
ところで、余は転生前の異世界では両親を父上母上と呼んでいた。パパママ呼びは余が転生する前の森音露がそうしていたと知って真似たのだ。
「なんでそんなに怯えてるの?」
「いや。音露がふざけるなだの殺すだのとぶつくさ言ってるから、何か嫌なことがあって怒ってるのかなと思ってね」
口調で分かる通り、パパは優しい。いつもニコニコと笑っている。でもあまり仕事はできないから、出世はできないし給料も安い。優しいというより人がいいだけだった――