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忍たまの土井先生のまた映画見てまた書きたいと思いまして…
ネタバレになりますしちょっと覚えてない部分もあるんですけどそれでもいいって方だけお願いします。
ネタバレ⚠️キャラ崩壊⚠️夢です。
ではスタート
名前 長嶺怜治(ナカネレイジ)です
怜治くん『』
他「」
『失礼します』
断りを入れてから職員室の戸をゆっくりと開けた
「どうした?」
『土井先生に用事があったんですが…』
「土井先生は少し出ておられる」
『そうでしたか…いつお戻りになるかは…』
「多分明日には帰ってくるだろう」
『分かりました…また明日来ます』
「悪いな」
『いえ、教えて頂きありがとうございます山田先生』
翌日
「………」
『………ちょっと待て』
「どうかしたかな?」
『なんであんたがいんだよ!!!!』
「土井先生は急遽出張に行かれてね
代わりに私が」
『山田先生でもいいだろ!山田先生はどこですか!』
「山田先生も今出られている」
『そうですか…!』
「何か言伝があるなら伝えておこう」
『いえ、遠慮します』
「あ、そうそう
うさぎの肉は持って来れなかったが桜餅は買ってこれたんだ
少しお茶でもどうかな?」
『……………………………………………………………………………………………………………………………………授業がもうすぐ始まるので遠慮しておきます』
「ずいっぶんためたね」
「あ!いた」
『?留に伊作どうした』
「クラスにも部屋にも居ないから探したよ!
学園長先生からの任務」
『わかった!では雑渡さ、…ん…?あれ』
「1人で何言ってんのさ」
「寝ぼけてんのか?」
『寝ぼけてるのは留でしょう』
「なんだと!?」
「喧嘩しない!ほら行くよ!」
『はいは〜い!』
学園長先生から聞いたのは土井先生は諸泉尊奈門との決闘のすえ尊奈門の投げが決まり谷底へ落ちていったそう
土井先生なら落ちて言ってもどうにかできそうな気はするし6年生全員の意見も「土井先生が尊奈門ごときに負けるはずがない」と…だが現に今行方不明になってるので怪我をして動けなくなっている可能性もある為迅速に見つけださなくては行けない
『…クロに紅……犬の碧も連れていこう』
「そんなに連れて行って大丈夫?」
『嗚呼、僕が居なくなった後でもずっと待てできるし状況に合わせて逃げれもする…だから大丈夫だ
見つけるのを手伝ってくれ碧(アオ)』
ワンっ!と碧が吠える
碧には縄はつけていない…何かあった時に敵にその縄を掴まれても困るし木に引っかかっても困るからだ
「おいおい俺らについて来れるのか?」
『…碧がついて来れないとでも?』
「途中でバテねぇのかって言ってんだ」
『碧は走り込みの時に連れ出してる…なんなら文次郎よりも体力あるんじゃないか?』
「何を!」
「そこまで!今は喧嘩をしている暇は無い」
『…悪い…碧、紅、クロ行くぞ』
ガァー!ワンっ…と鳴き紅は空へクロは長嶺の近くを飛んで碧も長嶺の近くで走って他の6年生について行く
「とりあえず手分けして聞き込もう」
『それが手っ取り早い…そっちはみんなに任せる』
「紅たちで探すの?」
『嗚呼、聞き込みもするが紅とクロで僕らじゃ行けないところも探してもらうのと…土井先生の匂いがあればいいんだけどないけど…碧…匂い』
クンクンっと長嶺が手に持っていた出席簿を碧は匂いを嗅いだが碧は少し難しい顔をしていた
『ふふ、やっぱり匂いないよな』
「忍者だもん」
『それもそうだな…きり丸くんから何か匂いのついてるものないか聞けばよかったな』
「怪しまれるぞ」
『まぁそれもそうだな』
そして手分けして土井先生の行方不明を探したが全くと言っていいほど手がかりがなく
数日が経とうとしていた
「怜治、そっちは?」
『クロも紅も見つけれてない…それに匂いもなくて碧も難しいらしい…僕も聞き込みしてみたけど……それっぽいのはなくて…みんなは?』
「何も無い」
『そっか…土井先生どこにいんのかな…』
「…なぁ」
『?どうした文次郎、』
「違う聞き方をしてみよう」
「「「「『!』」」」」
「おいどういうことだ文次郎!」
『留三郎、落ち着け…文次郎、どういうことだ
今までは怪我をした人という聞き方をしてた…それをどう変えるんだ』
「…そのままの意味だ」
『…お前よく僕の前でそれを言えたな…!ココ最近死んだやつはいるかって聞けってことか!!?あの人の実力で谷底に落ちた程度で死ぬわけねぇだろ!!』
「落ち着け怜治!」
『ふざけるのも大概にしろ…!』
「ふざけてなんかいない…これだけ聞いて見つけられないならその聞き方をするしか…」
『ならもっと範囲を広げればいい!!それからその聞き方をすればいいだろ!』
「それも視野に入れようって言ってるんだ!」
『ッ…!』
「怪我した人だけじゃなくて死んだ人っていうのも聞いていこう…」
『ッ…!』
そして…範囲を広げ聞き方を変えたとき
1つ収穫があった
「満月の晩、大人数が1人の人間を運んでいたらしい」
「どうやら運んでいたヤツらは全員サングラスをしてたみたいだ」
「それで1番前の奴は頭が異様にデカかったらしい」
「そうなるとドクタケ詰所が怪しい」
ピィー…優しく笛を鳴らすとクロが空へ羽ばたいてドクタケ詰所の方へ飛んで行った
『……』
「怜治、クロ行かせて大丈夫?」
『…心配ではあるが…詰所の様子を見れるのはこの子達くらいだ…』
「碧はどうするの?」
『近くまで連れてくていくさ…でも隠れてもらうさ
野犬と勘違いされて殺されるのは御免だ』
「それもそうだね…」
ドクタケ詰所の近くの竹藪
『…』
長嶺以外皆装束を忍び装束に着替えていた
文次郎も槍の材料の少し長めの木を見つけてきて少し組み立てるのも時間が食った
「我々の今回の任務は詰所の中に土井先生の救出及び連れ出すこと
無駄な戦闘は避けろ」
『嗚呼…』
「特に文次郎、留三郎だぞ」
「「分かってる」」
『…』
「怜治、これはお前が要だ…集中しろ」
『嗚呼』
出発をし長嶺と残りの6年生は別行動で詰所をめざした
『紅、クロの所まで案内を頼むよ……終わったら沢山あげないとな』
「………隠れるのが上手い鼠がいるようだな」
『……』(なんだアイツ……僕1人…いや6年全員でかかっても適わない相手だ……それほどの強者…!)
「出てこないのであればこちらから行くぞ」
『…』(大丈夫大丈夫…!)
長嶺は最大限自身にできる気配を消していた…が……声的に男だ……男は長嶺の背後に立ったと思ったら鞘を背中に付けられる
『ッ……』
「そのまま両手をあげろ」
『……あの、僕…道に迷っただけなんですけど……』
「…それにしては気配を消すのが上手かったが」
『そりゃあどうも……あの…ここは…』
「ドクタケ詰所の近くだ」
『へっ!?あの…!村へは…どうすれば…』
「村へは…説明しても戻ってきそうだな」
『あはは、すみません……』
「じゃあ少しここで待て、鼠が忍び込んだようだ」
『ね、ねずみ、…?分かりませんが迷いたくないので待ってます!』
「まぁ迷って獣に食われても知らんがな……」
そう言い残し白装束の男は竹やぶの奥へ入っていってしまった
『…クロ、あの白い男が近付いてきたら教えてくれ』(おそらくあいつがいちばん強い…あとはどうにかなる)
ガーッと鳴き空へ飛んで行った
そして長嶺は塀から中へ入り込んだが以外にもドクタケの忍びが数人いた為…麻酔針を投げて数人眠らせた
『…よし…』(服を着替えてる暇はない……忍び装束よりは目立つがこれで行くしかない)
長嶺は屋根裏に忍び込み土井半助が居ないか各部屋を屋根裏を見て回る
『……』(どこにもいない……土井先生…どこにいるんですか…)
部屋を全部探しているとガーッと外から烏の鳴き声が響いていた
『…』(時間切れか…!)
長嶺は屋根裏から出て塀を出ようとした瞬間白装束の男と目がかち合う
『!?』
「!」
『ど、…アンタさっきの…!』(どい、…先生だよな…!?)
「…貴様…曲者だったのか…!」
『ちが、違う違う!!!落ち葉で遊んでたら草履が中に入っちゃって…!取っただけです!そんな怖い顔しないで!本当に!!』(焦るな…悟られるな…!)
「……今しがた忍術学園の手の者がいた…今村へ戻るのは危険だ」
『な、なぜ…危険なんですか…?』(みんながバレて退いたのか…じゃあ僕もとっと退散した方が良さそうだな…)
「…忍術学園は卒業生をあまたの城に送り…平和の世を作らんとする悪の集団だ…そんな奴らが近くにいるのに1人で向かわすら訳にはいかん…」
『僕は男なので大丈夫ですよ……それにそろそろ帰らないと母が心配するので…村の近くまで送っていただければ…』
「……掴まれ」
『へ?』
「来い」
土井先生に似た男は長嶺の腕を掴み、担ぎ竹を飛んで渡り村の入口まで向かっていた
『ぎゃっ!怖い怖い!もっとゆっくり!!』
「おっと…悪い事をした……もう少しゆっくり行くとする」
『あ、ありがとうございます…!』
「もうこんな奥まで来るな、いいな」
『わ、分かりました……』
土井先生に似た男は村の近くまで本当に送ってくれた
『あ、ありがとうございました…!また来てもいいですか…?お礼を…』
「ダメだ、ドクタケ詰所の中も完全に安全と言う訳でもない…またいつ忍術学園の手の者が来るか分からぬ……死にたくなければもう来るな」
『せ、せめてお名前だけでも!』
「…天鬼だ」
『て、天鬼さんですね!天鬼さん助けて頂きありがとうございます…!』
「…では……」
そして長嶺は忍術学園へ戻り、他の6年生と合流していた
『…みんな大丈夫…ではなさそうだけど…あの天鬼っていう人にやられたっぽいね』
「お前…」
『おそらくお前らが退いた後に天鬼とかち合ったが上手くできたよ…もしかしたらまた天鬼と接触出来るかもしれない』
「本当か」
『嗚呼、道に迷ってる所を助けてもらったていにして礼を兼ねてということでドクタケ詰所でバイトするのもありかと…』
「…とりあえず学園長先生のところに行くぞ」
『…嗚呼、あとなんできり丸くんいるんだい?』
「…あの…」
『まぁいいや、きり丸くん歩ける?』
「うん…歩ける…」
『他は?』
「大丈夫だ」
「…ドクタケに天鬼という軍師がいるようでした…」
『…』
「天鬼?聞いた事のない名だな」
「その軍師の顔は土井先生の顔に似ていました…」
「なっ!」
『…天鬼という男…土井半助で間違いないと』
「なぜ言い切れる」
『僕は他の6人とは別行動をして中へ調査することという作戦にしていました……そして皆が戦った後に中から出ようとした時に軍師とかち合ってしまいました
ですが…誤魔化がききまして…顔を見ながら話しましたがあれは土井半助とみて間違いありません』
「なるほど…お前が1番分かるな…」
『……信じたくありませんが…』
「おそらく尊奈門との果たし合いのとき何かしら記憶喪失になってしまい、記憶喪失の状態の土井先生にこのような物を読ませて思い込ませたようで…」
仙蔵が懐から出したのは忍術学園がとても悪く描かれてあるものだった
「なるほど……」
「自分がドクタケの軍師であると信じ込ませた…」
「土井先生に家族は…」
『居ないです、あの人は天涯孤独だと…』
「きり丸や怜治の名前を出したんですが反応ありませんでした」
『…名前だしたのか』
「嗚呼、何があると思って」
『そっ』(なら怜治って名前は使えねぇか…)
「…きり丸、土井先生は必ず我々が連れ戻す」
「じゃから事は内密にな
4年生以下には要らぬ心配をかけたくないのじゃ頼むぞ」
学園長先生の言葉を聞き、きり丸は重い足取りで帰って行った…
「なるほど
土井殿はドクタケ忍者隊に……失礼偶然通りかかったものですから」
「白々しい!」
「冗談だよ!」
『留三郎』
「チッ…!」
「こちらにもドクタケの侮れぬ軍師の情報は上がっています
が…まさか土井どのだったとは…」
「半助は必ず連れ戻す…信用していただきたい」
「いつです?」
「いつと…言われましても…」
「一月後ですか?三月後ですか?その間にドクタケが勢力を拡大したら?」
「元々はそっちの尊奈門先生が原因だろ!」
「黙っておれ…!」
『………』
「力だけのドクタケはさほど怖くない…しかし土井半助という知恵が加わったら……山の上の一夜城、チャミダレアミタケとの連携…今までのドクタケでは考えられない事だ
土井殿が生きておられたからには我々は引き上げます」
「ご苦労じゃった」
「いえ、良い経験をさせてもらいました…では…」
「…お前たちも休んでくれ…誰かと交代…」
「こんなのかすり傷です!」
「モソ…」
「我らいつでも行けます」
「降りる気はありません!」
「ギンギンにやれます!」
「…ハァ…保健委員、何とか言って…」
「みんなかすり傷です!1晩寝たら治ります!」
『…言うと思った…』
伊作たちに呆れていた長嶺は皆と長屋へ戻り各自部屋に戻った
長嶺は一番端なこともありみんなと完全に別れてから1人、…戸を少し開けたタイミングで部屋から手が出てき中へ連れ込まれ押し倒された
『う”っ…!!?ぅうー…!!』
「しぃー…」
『!』
「危害を加える気は無い」
『…ぅう、…!』
「大声を出さないのであれば外そう」
『ぅん』
長嶺は首を縦に振った
『プハッ………何してるんですか…雑渡昆奈門さん』
「ここを去る前に顔を見ておこうと思ってね」
『ならもっと普通にして欲しいんですけど………』
「手荒にしてすまない」
『別にいいですけど……それともうお帰りになってもらってもいいで、すか…?』
「何故?」
『なん、…だ、か…………雑渡、さん…の匂い………おちつ、ぃ、て……ねむ、く…な、る…………』
「匂い??」
『だ、から…で、きれば……も、ぅこし……はな、…れ、て…』
「…そのまま寝ていいよ…大丈夫、攫ったりはしない」
『……そ、れなら、…ぁん、…しん、…で、す……』
言い切ると長嶺から規則正しい寝息が部屋の中で聞こえる
「…こうして見ると…年相応の顔だね…」
「組頭、流石に既成事実が欲しいからと言って手を出すのはまずいですよ」
「分かってる…流石に同意をしてもらってから手を出すよ」
「それは大前提ですよ」
『…ン…』
「おっと…陣内、布団敷いて」
「はっ、…」
山本は布団を手際よく敷く
そしてその敷いた布団の上に雑渡が長嶺を運んで寝かす
「…」
「組頭」
「何度も言わなくても分かってるよ…またね怜治くん」
次に目が覚めた時には雑渡さんはもう居なくなっており近くに手紙とあるものが置かれていた
長嶺は手紙の内容は読んで直ぐに燃やし、あるものは懐に仕舞いこんだ
『……よし……』
夜になり…木の空間に6年生と山田先生が集まっていた
『……』
「ドクタケはスッポンタケ領近くの新しい出城に大量の兵糧を運び込んでいる…と見せかける欺瞞の裏で少しずつチャミダレアミタケの国境に人と物資を集めている」
「やはりこちらがドクタケの本命でしょうか」
「うーん…」
「では土井先生もこちらに…」
「問題はこちらの国境には砦が3つある…それのどこに半助がいるか…未だわからん状態だ
兵の流れを5年生に探らせているが上手く偽装されていて中核が分からん」
『…それならクロか紅に探らせましょう』
「できるのか?」
『人探しとなると覚えるのに時間を要します…ですが紅とクロは僕と一緒にいることが多いし学園内も好きに飛び回っていて学園の人であれば探し出せます
それに詰所に忍び込んだ時この子はわかったので…確証はありませんが試す価値はあります』
「撃ち落とされるかもしれんぞ」
『この子達も僕に世話されながら気付いてます…僕もこの子達もいつでも死ぬ準備はできてます…それに撃ち落とされるのが怖いのであれば僕と一緒には着いてきませんよ』
「…じゃあ頼むぞ」
『ええ、…少し外に出ます』
「大丈夫?怜治」
『伊作か…クロと紅も無理をさせるがね…行きな』
クロと紅が静かに羽ばたき2匹は別々の方向へ飛んでいった
『……何か手がかりがあればいいんだけどね…』
「ここから聞こえるの?」
『嗚呼…けど風が吹かれると少し聞こえずらいんだ…』
長嶺は笛を咥える
「あれ、それ前の笛と違う?」
『ぅん、少し音を高くした』
「へー」
『…………』
長嶺は息の続く限り笛を吹いていた
だがそれはどこか心地いい音でもありどこか寂しい音だった
『……………』
「れ、」
『シッ………クロが反応した…』
「え、」
長嶺が伊作の言葉を制し長嶺はクロのいった東の砦の方角を見て目を凝らしていた
『…カラスが2羽…こっちに向かってくる』
「え?」
長嶺はそういうとまた笛を吹いた…今度は前から持っていた笛を吹いた
『…どこにいるかまでは分からないだけど土井先生は恐らく…東の砦だ』
「わかった、先生に伝えてくる」
『嗚呼、僕は紅が帰ってくるのを待ってるから』
「わかった、それも伝えとくね」
『嗚呼頼む……』
少し経って下が騒がしかったが長嶺は上で耳を傾け聞いていたがどうやら東の砦に1年は組の子らが運ばれたらしい…そこに稗田八方斎がいるとのこと……稗田八方斎がいるなら土井先生もそこにいると踏み6年生と5年生の不破雷蔵と鉢屋三郎、山田先生が東の砦に向かい、は組を救出する…そして土井先生を見つけ取り返す
長嶺は不破雷蔵と鉢屋三郎以外の5年生と共に東の砦に兵を向かわせないようにする足止め要因としてもしもの時のことを考え長嶺を配置した
『…』(まぁ実際は体術も皆より下だし戦い方も毒針だ…強いとは言えない…ならここで足止めをしてた方が性に合ってる)
東の砦チームが行ってからさほど時間が経っていない…5年生と少し喋って気配がないか探っていた時1つ気になる気配を怜治は感じ取った
『…』
「?どうかしました?」
『悪い、ここ任せてもいいよな?』
「いいですが…どうかしましたか?」
『少し気になる気配があったから…それを追うよ
5年生はここで足止め続行してて』
「ちょ!先輩!」
気配が無さすぎる中で長嶺はその気配を頑張って追っていた
『……!あれは…』
「…雑渡さん…ですね」
「君は…山田殿の…」
「山田伝蔵の息子の利吉です
途中5年生は?」
「気配に消した私に気付いていませんでした
もっと頑張りましょう…ですね…」
「ではこの先へは?」
「ドクタケの新しい軍師殿へさよならを」
「行かすか!」
長嶺はプロの忍者の戦いを近くで見るのは初めてじゃない…だから雑渡が利吉さんと桜木先輩と若王寺先輩へ手加減をしていた…利吉さん以外の2人には見る限り左手しか使っておらず…利吉にも本気では無いようだった
「そろそろ出てきたら?怜治くん」
『…バレてましたか』
「!れぃ、…じ…!?」
『利吉さん、すみません…黙ってここにいて…』
「私を倒すかい?」
『僕と貴方との差は歴然です
今戦っても雑渡さんは先輩たちよりも更に手加減しないといけなくなりますよ』
「君の目は誤魔化せないな」
『どうも』
「だが君も実力を隠しているよね?
君の手はちゃんと努力した忍びの手だ
体も必要な筋肉がついていて鍛えられている」
「!」
『…ですが雑渡さんとの差は…』
「うちの尊奈門といい勝負…くらいかな?」
『タソガレドキの忍びの一番の末っ子の尊奈門先生だとしても敵いませんよ』
「その情報力…やはり君は欲しいね」
『…残念!』
長嶺は雑渡に向かって後ろで隠し持っていた針を手裏剣と一緒に投げる
「おっ、と!油断も隙もないね」
『利吉さん、借ります』
「ちょ、…!君は、もど、れ…!」
『僕も土井先生を守りたいんですよ…ふっ!』
長嶺は手裏剣を投げ距離を保ちつつ距離を詰める
「そんな戦い方だといつまで経っても私を倒せないよ」
『僕の本来の武器は手甲鉤(テッコウカギ)です』
「あーあの猫の爪みたいなね…君にあってるとは思うよ」
『そりゃあどう…も!』
長嶺は鳥の子を雑渡の方に投げ視界を封じた
「…」(あの子が私との差は歴然だと言っていた…そんな相手に自ら視界を塞ぐのは愚策といってもいいだがあの子の武器は…)
煙の間を縫って細い針が雑渡の腕に刺さった
「効かないよ」
『分かってますよ、僕の本命はそれじゃない』
「…ふーん…なるほど…」(針じゃないとすれば…)
『…』(仙蔵に鳥の子を作ってもらう時に僕用に睡眠薬や痺れ薬の粉末を入れてもらった…僕にも被害があるが僕は慣らしてる…だから)
「よそ見」
『!』
声のする方へ向く前に攻撃がどこに来るか分からない為顔の横に腕を当てて膝を曲げて体を丸くさせながら後ろへ飛んだがそれは意味をなさなかった
『がっ、…!!?』
「君の攻撃はとてもいい…だが君自身が差があると言っていた相手に自ら視界を塞ぐのは愚策だ
鳥の子にどんな薬を入れていたとしてもね」
『ッ…!バレてましたか…!ならこれならどうです…?』
「君からの攻撃はとても嬉しいけどもう構ってる暇は無いからね」
『はは…』
長嶺は右手に持っていた刀を振り下げるが雑渡に刀を持っていた手をひねり練り上げられ刀が簡単に落ちる
『う”ッ…!』
「君とはまた別の時に手合わせしたいよ」
長嶺は左足を雑渡の横腹を狙うがそれも簡単に止められる
「君にできることはもうないよ」
『…そんなことありませんよ…!』
長嶺は懐に合った袋から一掴みした粉を雑渡へ投げ雑渡はそれを食らう
「ッ…!なるほど…引き付けたのか…」
『流石に毒が効かないとはいえこんな至近距離で食らえば少なからず影響はあるはずでしょう…!?』
「それは君もでしょう」
『はは…そうですね…!使うと思ってなかったけど…持ってきてよかった、よ…っ…!』
「座りなさい…」
『土井、せ、せんは…まも、る…んだ…』
長嶺は雑渡の忍び装束を掴んで離さない
「…」(全然振り払えるが…)
『…ざっ、…と…さん…』
「?」
長嶺は雑渡の胸ぐらを掴み自身の方に引き付け雑渡の唇に接吻をかました
「「!?」」
『…ふふ……』
「何を…」
長嶺はキスした瞬間雑渡の足に痺れ針を刺していた
『流石にそれは効いてもらわないと困る…!奥まで刺したんだ…』
「これが目的か…!つくづく君は面白いだけど…」
『ゲホッ…!!?』
「詰めが甘いね」
雑渡は長嶺の鳩尾を殴った
『ガリッ…!』
「?」
『あき、らめて…だま、…るが…!』(自害用じゃなく気付け薬だけど少し苦味が多すぎたな…)
「ふっ、…」
雑渡は長嶺の腕を掴んで枝の外側へ長嶺をやる
『!…まっ、…!』
「恨むなら私だけを…!」
雑渡はそういい長嶺から手を離し長嶺は衝撃に備え目をギュッと閉じたが…その衝撃はいつまでも来ることはなく目を開けると利吉が心底安心した顔が映ったと同時にその顔は直ぐに怒りの顔になった
「君は…いっつも無茶をする…!…こっちの身にもなってくれ…」
『利吉さん…助けてくれてありがとうございます…でも雑渡さん追わねぇと…!』
長嶺は利吉の腕の中でから抜け雑渡を追いかけていくが利吉も着いてきていた
『利吉さんなんで…!?』
「父上に雑渡さんの足止めをお願いされてるんだ…君みたいに命令違反はしない」
『幾らでも怒られます…恩師の命の方が大事なので…』
長嶺は枝と枝を飛びながら移動してその中で笛を加えてピィーっと鳴らすとクロが雑木林から上へ抜け羽ばたいて前へ飛んで行った
「あの子はどこへ」
『雑渡さんを追わせました
利吉さんであれば追いついていますが僕がいるせいで利吉さんはいつもより遅い…ですからもしもの時はクロが邪魔します
それでも少しは時間稼ぎにはなるかと…』
「…なら上げようか」
『えぇ、……まぁついていけなくなるったら置いてってください』
「もちろんそのつもりさ」
『ドSぅ〜…』
長嶺は利吉さんと雑渡さんを追いかけていた
「…怜」
『?』
「雑渡さんに明かしたのか?」
『いいえ、明かすも何もあの人には最っ初からバレてた
男になりきれてないってのは改めて雑渡さんに言われて気付かされた』
「…女として過ごしてもいいんじゃないかい?」
『ふざけないで
こんな中途半端に終わらすなら最初からやってない
利吉さん、土井先生、山田先生と伊作くんしか素顔を見せてない』
「雑渡さんなら素顔の君のことも分かりそうな気はするよ」
『本当に怖いよわかったとき』
「見えてきた…」
『……』
ピィーっと笛を鳴らせば東の砦内で鷹の鳴き声が響いた
『こっちです』
「本当に君達のその技術には驚かされる」
『はは、紅とクロとの関係値がなければできないことですよ』
紅の鳴き声を聞き長嶺が案内すると人気のないところに入口があり…それまでの道にヨダレとおそらく芋がらが落ちていた為それを追って中まで入ったら階段を降りた先にクロが待機していて人に聞かずともクロが案内してくれた
そして案内してくれたところに入口に雑渡さんが手裏剣を構えていた
「!」
『!』
利吉は怜治には任せられないと思い先に雑渡に近づいたがそれより前に長嶺が雑渡に近づき手裏剣を持っている腕を力いっぱい掴んだ
「!」
『まだ、……まっ、…て…!』
長嶺が掴んだ数秒後に利吉も雑渡の右手首を掴んだ
「…」
「先生…一緒に帰ろ…?」
部屋の中できり丸くんの声が聞こえ土井先生が苦しみ…そして何かを振り下ろす音が聞こえた
「…半助お前…!」
「うぅうぅ”っ…!」
長次が抜け出そうとする声とともに土が崩れる音がし伊作と留三郎以外の6年生が入ってきたらしい…
そしてそれと同時に紐の切れる音が聞こえた
雑渡もそれを見て手裏剣を構えを解いて利吉と長嶺に解くように促した
『…』
「天鬼!これはどういうことだ!!」
「私は天鬼ではありません…」
「!」
「私は忍術学園一年は組教科担当土井半助です!」
「!ど、ぃせんせ、…?」
「怖い思いさせたな…さっ」
「え、…?」
「お前が言ったんじゃないか…一緒に帰ろう」
土井先生が戻ったのを見て長嶺以外の6年生は稗田八方斎共々ドクタケの忍びを取り押さえた
「稗田八方斎殿
私の怪我を治療していただいたこと免じて子供たちを切らせようとしたことは不問にいたします
暫くは大人しくしていてください」
稗田八方斎は土井先生の圧で後ずさりしたときどうやら小平太が足をひっかけ頭の自重でひっくり返っていた
「土井先生!」
「利吉くん!」
「お兄ちゃん、良かった…」
「雑渡はどうだった利吉よ」
「そうですね…手加減されたと思います…」
「そうかそうか」
「あれ、怜は…」
「何?一緒なのか?」
「斯く斯く然然で……」
「何!?で、長嶺はどうした」
「さっきまで居たのに居ない…」
「何ぃ〜!!!?」
『ちょっと!離してください!』
「もう少ししたらね〜」
『もう少ししたらって…いったいどういうつもりですか…!!?みんなの所に行かなきゃ…!』
「君、私に食らわせた薬また抜け切ってないんだろう」
『!それはあんたも同じでは?』
「そうだね…だけど君の場合顔に出すぎてて見てられない」
『ひでぇいいかた…』
「解毒剤は?」
『…………』
「え、ないの?」
『持ってきてるつもりだった…だけど…雑渡さんに使った後に懐を触って確認したら無くて……』
「……ハァァァァァ〜…!」
『……』
「薬や毒を扱う者が解毒剤を持っていないのは相手との情報交換ができないよ」
『…?』
「解毒剤をやる代わりに情報を吐けって言うのも使えるし脅しとしてもね」
『…殺す気は無い毒ばかりですもん…』
「そういうところが甘いんだ」
『…甘いのは分かってます…とりあえず下ろしてください!』
「ダメ、下ろしたら戻るでしょう」
『当たり前です!利吉さんにも何も伝えずに来て…』
「まぁすぐ戻してあげるから…とりあえず今は付き合って」
『…』
「…ここら辺でいいか……」
雑渡は抱えていた長嶺を木の幹に持たれかけさせて座らせる
『流石にこんなことされる程毒は回ってない』
「だけど手足の痺れは出てきてるはずだ」
『……』
「山田殿の息子君に土井殿の所に先に行かせたのは立てないことを隠して慣れたところで行くつもりだったんだろう」
『……嗚呼、そうだよ…!今使ったのはバイケイソウというものだ…!主に吐き気、腹痛、嘔吐…手足唇の痺れが出てくるものだ…!
だけど手足が痺れてるだけだ………そんだけで見破られてるなんて最悪だ…』
「そんな状態で忍術学園に帰ろうとしてたのかい?」
『当たり前だ
忍者たるもの耐えてこそだ…!それにこの毒を使うつもりがなかったから慣れさしてなかった…だけだ…』
「…だとしても顔が酷い」
『大丈夫…だ…みんなに心配されるなら分かるけど…あんた、は…仮にも敵だ……ッ…』
「無理に立とうするな」
『ッ……』(立てもしなくなっ、てきた…敵、の前でこんな醜態…晒して、…)
「もたれかかっていい…」
雑渡は長嶺に言うと長嶺は力なく雑渡に体重を預ける
「…忍術学園まで送ってくかタソガレドキで毒が抜けるまで休んでいくか…どっちがいい?」
『ッ…』(この人…ずりぃ、…)
「早く決めなさい」
『ッ…ちゃ、…んと…かぇ、し、てくれ、るな、ら…タソ、がれ…どき…で…ゃす、…んで…』
長嶺はいい切る前に意識を手放した
「…承知した」
気絶した長嶺を抱き上げタソガレドキ領に向かった
ここで終わります!