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注意⚠️普通にグロいです。苦手な人は飛ばした方がいいです。



──────椎名視点──────

はっと目が覚める。夢見心地な気分だったが、本当に夢を見ていたらしい。内容は覚えてないけど。なんだったかなーと思いながら寝ていた身体を起こす。───辺りを見れば、既に夕暮れ。しかも、空は既にほとんどが夜に染っていた。

確か夜から私の誕生日パーティだ。…え、ほんとに不味くね?私は慌てて隣に置いてある箱を持つ。剣が十数本も入っているので重いったらありゃしない。けど、これを今日のマジックに使いたい…。遅刻したくせに荷物を運ぶのを手伝ってくれるのだろうか?いや、そもそも森に入ったことがバレたら怒られるのは絶対。

どうやって運ぶべきか。そう悩んでいる間にも日は落ち続けている。こうなったら、剣の個数を減らそう。数本だけにして、何人かに刺すのをお願いすることにしよう。そう思い、私は箱にあった剣を草むらに捨ておく。金属どうしがぶつかり合う音が、草むらに響く。その音たちが急げ急げと急かしているように思え、パニックになりかける。が、そんなパニックにでもなってしまったらさらに遅刻してしまう。

私は一旦深呼吸をした後、数本の剣を入れた箱を持ち上げ、森の中を走る。ザッザッと土を蹴る音が響き、箱の中からは金属音が響く。なんだかんだ私力持ちなんだなーなんて呑気なことを思いながら走る。


───やっと、柵が見えてきた。しかし、その柵は妙なことに入ってきた時よりも大きくひしゃげており、折り曲がっていた。嫌な予感がはしり、私は箱をその場において忍び足で村の中心へと向かう。


───近づく度に臭う異臭。それに伴って聞こえる悲鳴。私は恐ろしくなって腰の力が抜けてしまい、立てなくなる。私は草むらを這って、そこに近づく。近くの家の裏まで来てそっと様子を伺う。


───そこは地獄だった。角や翼のようなものが生えた魔人三体を中心として血の池とでも言うように赤色が広がり、その近くには無惨にも死体となったぐさおさん、ぜんさん、いえもんさん、八幡さんらしき人物達が浮かんでいた。それぞれには腕や足などがなかったりもしていた。近くでは血が多く飛び散り、何人もの村民たちが逃げ惑うが、その前に捕まえられグギッと腕をあらぬ方向へと曲げる。


「あ”ぁあああああぁああああああああああああああぁぁぁッッッッ!!!!!」


ウパさんの絶叫がその場に響く。ウパさんの足は血だらけで、既になく、腕も変な方向に曲がり、その顔が悲痛に染まる。


「ウパァ!!ァ、あぁ!…っ!ヒィッッ!!ちか、近づかないでぇぇえええッッ!!!」


ラテさんが悲鳴をあげるが、そいつ───魔人はニヤニヤとしながら、頭部を破壊する。ラテさんは絶叫をあげる前に殺されてしまった。───死んだのだ。し、死んだ。死んでしまったのだ。ラテさんはそのまま重力のとおりにそのまま血溜まりの1部とかす。


「やめてくださいッッ!!これ以上、これ以上村民を殺さないで…!!」


めめさんが涙ながらに必死に懇願する。だが、その願いも虚しく、魔人は笑いながら断る。


「なぜ人間の言うことを聞かないといけない?お前たちは大人しく俺たち魔人に屈しとけばいいんだよ!!」


そう言って、そいつは思いっきりめめさんを蹴り飛ばす。めめさんは声を上げることも出来ず、骨が折れる音ともに家にぶつかり、その家に赤色の花火のような模様ができる。


「これ以上ッッ!!メテヲ達を馬鹿にするなよ!!」


メテヲさんは斧を片手に持ち、勇ましい声で言うが、既に片方の手はなく、額からはダラダラと血が流れていた。その間に、村民たちを逃がす算段なのだろう。

しかし、魔人は醜い笑い声をあげた後、何かを詠唱する。そうすれば指には小さな魔法陣が展開される。───おとぎ話でしか見た事がない、人間には到底扱うことが出来ないとされる『魔法』。そいつはいとも簡単にそれを使い、メテヲさんに諭され泣きながら逃げようとしていた茶子さん、菓子さん、そしてレイラーさんの3人に雷が落ちる。あたりの草を焦がし、体を貫通するそれは3人を1瞬で塵と化した。メテヲさんの隣で斧を構えていたみぞれさんが怖気付いてしまい、そのまま座り込んでしまう。───今の私同様に力が抜けてしまったのだろう。当たり前だ。目の前で、逃がそうとした仲間が死んだのだから。


「あ、あぁ…な、なんで…。」


みぞれさんは誰に問いかけるかも分からない疑問をこぼす。だが、次の瞬間、カチコチッと凍る。全身が氷におおわれる。空気がなくなり窒息で死ぬのが先か、体温が低くなりすぎて死ぬのが先か。───想像を絶する苦しみであることはすぐにわかった。メテヲさんはその状況を見せられ、唖然としている。斧を持つ手が震え、可哀想な程に顔が真っ青になる。

魔人はまるで死に様を楽しむようにメテヲさんに次の魔法を放つ。───それは炎で、一瞬でメテヲさんに火がつく。白衣が燃え、髪にも火が引火する。


「あ”つ”ッッ!!イ”ダイ”、イ”ダイ”イ”ダイ”イ”ダイ”ッッ!!!」


メテヲさんの悲痛な声が炎の業火とともに燃え盛る。メテヲさんが段々と真っ黒に焦げていき、皮膚が焼け爛れていく。───見ていられなかった。


「ハッハッハッ!そこに隠れてるやつもわかっているからな?」


そう言って魔人は嘲笑う。私のことだろうか。そのことに気づき、私の心拍数は一気に上がる。見つかってしまった、なんで、どうして。武器を置いてきてしまった。マジック?いや、そんな戦闘なんて能力ではできない。相手は魔人だし、尚更無理である。どうすればいいのか。思考を回してもなお、回避出来る気がしない。

───あ、来る。

そう思っとき、魔人はなぜだか違う方向に行き、家の扉を開ける。


「ひっ!」

「下がれ!ひな!」


どうやらルカさんとひなさんが見つかってしまったらしい。ルカさんは片手に斧を持ち、ひなさんは泣きながらうずくまっている。


「はっ綺麗な絆だな。そういうの見るとなーぐちゃぐちゃにしたくなるんだよw」


そう言って、魔人は目にも止まらぬ早さでルカさんの足をへし折り、そしてそのまま引きちぎる。ルカさんは抗うことが出来ず、そのまま地面に倒れ込む。ルカさんは訳が分からない、と疑問符を浮かべるが、思い出したかのようにひなさんに向かって叫ぶ。


「ひな!逃げ───」


ルカさんは目を見開き、絶句する。ひなさんの頭が魔人の手によってひしゃげられており、真っ赤に染っていたからだ。そのまま魂を失ったようにその亡骸は地面に落ちる。ルカさんの絶望した顔から、涙があふれる。その間にルカさんは心臓をグサリとやられ、呆気なく死んでしまう。

魔人たちの声が、随分遠くから聞こえてくる。


「これで全員じゃないか?」

「はーやりがいなかったな。」

「しょうがないだろ。これくらい小規模の村じゃねぇとバレるんだよ。」

「人間殺したからって誰がそれを咎めるんだよw」

「…それもそうだな!」

「おいおい、お前もついにボケちまったのかよw」

「さっさと帰ろうぜ〜」

「へいよー!」


そんな軽い雑談をしながらそいつらは私達の村から去っていく。───血を、亡骸を、罪を置き去りにして。

























ここで切ります!いやー思いのほか長くなっちゃいました…。割と今回はグロ表現増し増しでしたね!人間の脆さや弱さが書けたので良かったです。本編のいえもんさんの異常さと、村民達の人間へ頼らない姿勢はこのためってことがよくわかると思います!ちなみにこの魔人たち、ゆーでそんなに強いやつじゃないです。本編の皆さんの足元にすら及びません。そのくらい本編の皆さんの強さがバケモンです…。

それでは!おつはる!

『ー昨日の記憶ー』

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