プルルルルルル
「もしもし?さとみくん?明日の事なんですけど……」
『あー、、うん、それなんだけどさ』
『今から俺ん家これる?』
「え、?」
第5話
るぅとside
さとみくんに家に来いと言われ
半ば強引に決定して、
今、21時30分
外を歩いています
「まじせんきゅー、こんな時間に」
扉をすぐに開けて中に入れてくれるさとみくん
そのまま僕を置いてリビングに戻って行った
ほんと、自由すぎない?
「お邪魔しますッ……」
「どーぞ、」
「ぇ、莉犬、、?」
いつもあんなに元気な莉犬が
今はソファの上に丸くなって座っていた
少し目元が赤い
「さとみくん、泣かせたんですか?」
「んー、、そうだけどさ……お前も共犯だから」
「はぁ?」
意味がわからなかった
さとみくんは、
まぁ、座れよと言ってから
コップにお茶をついで、僕の前にコトンと置いた
そして、僕たちが2人でいて、
莉犬が不安になってたこと、勘違いをさせていたこと
全部教えてくれた
「……莉犬、ごめんなさい、」
「ちょっと心配だっただけだよ、まず、ころちゃんのこと大好きなるぅちゃんが浮気なんてするはずないのにね、w」
「んなっ、、//」
事実でしょーと笑う莉犬
それを遮るようにさとみくんが口を挟んだ
「で、本題に入るけど……あの件、莉犬に話すぞ」
「は、、な、んで?」
「お願いっ!納得したいのっ!!」
目を丸くする僕の前で手を合わせてお願いしてくる莉犬
「俺もちゃんと説明したい、」
真っ直ぐな青い目を向けてきたさとみくん
もうそんなの、断れないじゃん
「わか、りました……」
そこから、一つ一つあの日にあった出来事を莉犬に話した
「うそ、でしょ、、、、?」
「こんなに盛大な嘘つくかよ、」
口を抑えて驚く
耳としっぽが、
怖いのか、それとも驚いているのか分からないが
ピタッと固まって動いていなかった
「それを、、防ぐためにさとちゃんとるぅちゃんが、、?」
「そういうことです。でも、ここ2週間、結局何も出来てなくて……」
そう、ここ2週間
なーくんにバレてることがわかってから何も動けていなかった
でも色々分かったこともある
まず上に上がるにつれ、
クラス数が減っていること
退学の点数が上がっていること
この街の外には出れないこと
莉犬side
全部話終わったあと
さとちゃんとるぅちゃんは2人とも俯いていた
こんなにも悩まされていたんだ
苦しんでいたんだ、
俺が変な嫉妬なんかしてる間に
さとちゃんとるぅちゃんは俺よりもっと辛いこと思ってたんだ
「俺も、、協力する、」
「莉犬は、危ないから……」
「嫌だっ!ほっとけないじゃん!自分の彼氏が、友達が、頑張ってるのに、、、」
「莉犬……いーの?」
否定的だったさとちゃんとは反対に、
震えながら問うるぅちゃん
俺はるぅちゃんの手を握って
「当たり前でしょっ!!」
とにこにこの笑顔で言ってあげた
「ッ……ありがとうっ、」
「無理はすんなよ、、」
「絶対さとちゃんにだけは言われたくない!」
「あの、お願いがひとつあって……」
「?」
「ころちゃんには……このこと話さないで欲しいですッ、」
俺はびっくりした、
俺に話したから、ころちゃんにも話すと思った
横を見ると俺と同じように驚くさとちゃん
「なんで?」
「それは……」
「ちゃんと話せ、わかんないだろ」
結構強く言ったさとちゃんの背中をポンポンと叩き落ち着かせてから
「なんでも話してよ、1人で抱えないで?」
パッと顔を上げてから
うるうるした目で頷いてくれた
「ころちゃん、、一人暮らしなんですけど…….ころちゃんの親のこと知ってますか?」
「親……聞いたことないな、」
一瞬躊躇ったような態度をとったるぅちゃん、
でも話すのは辞めなかった
「ころちゃん、親に捨てられたんです。」
「ぇッ、、」
「ころちゃんはそう言いました、僕もずっとそう思ってた、、、、けど多分違う」
「ころちゃんの両親は多分、殺されてて……それを隠すために捨てたのかなって思ったら、ころちゃんのこと傷つけてしまうんじゃないか、学校来れなくなってしまったらどうしようとか、色んなこと考えちゃって……」
「話せないッ、ころちゃんのこと傷つけたくないっ、、、」ポロポロ
「るぅちゃんッ……」
うわぁっと泣きつくるぅちゃんを抱きしめる
あんまりこういうことがないので内心驚いた
るぅちゃんにも、怖いことがあるんだね、
俺らとおんなじ人間だし、当たり前だ
「とりあえず、ころんには言わない、それは約束する」
「……でも、どう行動するの?」
「確かにな、隠しながらはきついか……」
数分間沈黙が続いた
「とりあえず、今日は帰りますね。明日も学校あるし……お邪魔しました、」ニコッ
「気をつけてね?ころちゃんに迎えに来てもらわなくて大丈夫、?」
「平気ですよ」
そのまますぐに帰っていった
るぅとside
「さむッ……」
外に出た瞬間、冷たい風が頬を撫でた
早足で家に帰った
自分の家のドアの前に立ち、
鍵を取り出した
「ぇッ……」
鍵が空いていた
誰かいるの、?え、こんな時間に!?
恐る恐るドアを開けた
「遅かったね」
「……なんだころちゃんか、、、」
見覚えのある靴があり、
誰のだろうと考えているところちゃんが出てきた
「びっくりしたぁ、、、来るなら言ってくれればいーのに」
「いないなんて思ってなかったの、」
グイッ
「うわっ、、」
腕を捕まれリビングに連れていかれる
意外と力が強かった
「ねぇっ、ころちゃ、、」
「こんな時間まで、どこ行ってたの?」
「え、、?莉犬の家だけど、」
「ふーん、」
2人でソファに座る
ころちゃんに掴まれてた腕
今は手を繋がれていた
「ころちゃんこそなんで家に?」
「……なんとなく、会いたくなった」
「!!……あっそ、/」
恥ずかしいことをサラッと言うころちゃん、
横を見ると不服そうに顔を歪めていた
「……怒っ、、てる、?」
「なんで?」
「なんとなく?」
「なんで疑問形なんだよw」
クスッと笑ってくれた彼の顔
すごく嬉しかった
その後に、笑顔で話してくれた
「怒ってたよ」
「ぇ、」
「けどなんか馬鹿らしくなったからやめた、今は怒ってない」
「……そっか」
ごめんねと謝ると
優しく撫でてくれた
プルルルルルル
響き渡る着信音に少し驚く
こんな時間に誰だろう、
と自分のスマホを見たら
黒い画面が僕の顔を写していた
「僕のじゃないです、」
「あれ、僕のかな?」
「あぁ、、なーくんか」
「ッ、!?」
なーくん!?
なんで!?
「るぅとくん知らない?って電話かけたの、心配してたよ」
その声を理解するのにも時間がかかる
それをお構い無しに電話に出るころちゃん
「もしもし?うん、帰ってきたよ、、お騒がせしました、、ごめんごめん、w」
と笑いながら会話をするころちゃん
なーくんと、楽しく話なんて今は考えられない
「るぅとくん?いるよ、変わろっか?」
「ッ!?」
はい、とスマホを僕に渡してくる
ころちゃんは何も知らない
これはもう出るしかない、
「もし、もし、、、?」
『るぅちゃん?もー!心配したんだからね!?電話くらい出なよー!』
「あはは、、ごめんなさい、」
いつものなーくんの声だった
いつもの、優しいなーくん
『そーいえばさ、明日昼休み空いてる?』
「ぇ、?」
『いやー、ちょっと話したいことあってね、生徒会室に来て欲しいんだけど』
これは、まずい状況なのではないか、
でもここで断る意味はなかった
逆に断ったら変に思われるかもしれない
「わかりました、昼休み行きます」
『ありがとー!』
電話を終わらせてころちゃんにスマホを返す
明日……何話されるんだろう
怖いって、、
殺される可能性あったりする、?
「るぅとくん?どーした?」
「……なんでもない、」
「無理しないでよ?すぐ無理するんだから」
それはお互い様でしょ、と言い足すと
そんなことないとでも言うようにトイレに行ったころちゃん
ころちゃんのスマホになんかのお店からの通知が入って
ふと見たロック画面
僕の後ろ姿の写真
去年の冬にころちゃんと行ったイルミネーション
その上にある時計は
もう23:30を過ぎていた
「うわ、めっちゃ遅くなった、」
「どうせ泊まっていくでしょ、?お風呂入っていーよ」
「一緒に入らないの?」
「結構です」
遅くなりました
投稿頻度、だんだん遅くなっていくと思います
ほんとにすみません🙇🏻♀️🙇🏻♀️
続き♡200〜
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