「おはよー」
「え、ころんがはやい……」
「るぅとくん家泊まったから」
「るぅちゃんもおはよう」
「……おはよ、、ッ、」
第6話
さとみside
「なーくんに呼び出しくらった!?!?」
「……はいッ、」
ころんが先生に呼び出され、
その隙に教室から抜け出して屋上に3人で向かった
で、るぅとから伝えられた
なーくんからの呼び出し
「それ、結構やばくない、?」
「……僕、殺されたりしないですよね、っ、、?」
「……やばいな、」
顔がどんどん青ざめていくるぅと
昨日の夜からって考えたら
多分寝てない
「俺らもついて行くっていうのは?」
「いや、逆に危ない」
「……犠牲が、増えたらだめですから、」
そう、ここで3人犠牲になるわけにはいかない
ここはるぅとがひとりで行くしかないだろう、
「大丈夫です、だけど何かあったらあとは頼みます」
ニコッと笑う
その笑顔は残酷だ
ドロドロに解けた心に包まれた顔
莉犬が涙目でるぅとに抱きつく
トントンと莉犬の背中を撫でながらるぅとも泣きそうだった
「どこ行ってたの?」
「僕はトイレに」
「俺らは自販機ー!」
と適当な嘘をついて誤魔化す
疑いもせずにるぅとと話し始めたころん
今日で最後かもしれないるぅとはころんと話したいだろうと思い、
莉犬と2人のそばを離れた
「ほんとにひとりで行かせるの、?」
「そうするしかないだろ……」
まだわかんない
わかんないけどなんとなく、嫌な感じがしてる
「あれ、るぅとくんは?」
「……なーくんのところ、なんか話あるらしい」
ついに昼休みに入った
大丈夫というように親指を立てながら笑顔で教室を出ていったるぅと
今からの時間は何も無いことを、
ただ願うだけ
るぅとside
いつ見ても圧のある扉
なのに今日はいつもより緊張感が漂っていた
ドアノブに手をかけても
力が入らない
ガチャッ
目の前の扉がいきなり開く
バッと顔を上げた
「ッ.!!?」
「うおっ、、びっくりしたぁ、、るぅちゃんか、なーくん待っとるで」
ふわっと笑って手招きをしてくるジェルくん
その笑顔も今は怖い
いつもの席に座っているなーくん
ジェルくんが僕が来たことを伝えると
パソコンを見つめていた目を
僕の方へ向けた
「るぅとくん」
僕の大好きだった笑顔で僕の名前を呼ぶ
「……話って、、なんですか、?」
「まぁまぁ、座りなよ」
と、ジェルくんが出してくれた椅子に座れと指示をしてくる
逆らうことなんて出来なくて
大人しく座る
それを確認し、ふぅとため息をついてから
なーくんは顔の前で手を組んだ
いつもは綺麗な薄い紫色に見える目が
今はどす黒い紫に見える
「……るぅとくんさ、見たんでしょ、あれ」
「ッ、!?」
やっぱり、この話だったんだ
昨日の夜から考えたこと
一番最初に出てきた予想がまんまと当たって一気に鳥肌が立つ
「バレバレだよ、顔に出てるw」
「……ッ、」
スっと伸びてきた手
その手は僕の頬に触れた
振り払いたかった
でも怖くて手が体が動かない
「その顔好きだなぁ、、w怯えてるね」
ひんやりとした手
ひんやりとした空気
冷たい目
全てが怖いと思う材料になる
「ねぇ、見たの?見たんだよね?あれ、見ちゃったんでしょ?」
だんだん近づいてくるなーくんの顔
背けることも出来ない
何も動くことが出来ない
「なーくん、落ち着きや」
「……そうだね」
少し離れたところで作業をしているジェルくん
険悪な雰囲気を少し和ませた
「まぁいいよ、本題はここからだしね」
「ぇっ、?」
てっきりこれが本題なのかと思ってた
絶やすことの無い笑顔をこちらに向けて口を開く
「るぅとくんを、次期生徒会長に推薦しようと思う」
「はッ……?」
僕を?
次期生徒会長に?
ぇ、どーゆう事なの?
「そのまんまの意味だよ、そんなに驚かないで」
「俺がやっている仕事を全てやってもらうだけ」
それは、、、、あれもやるってことになるだろう
そんなの嫌だ
僕がなんでそんなことしないといけないの、?
「大丈夫、君たちを殺すつもりは無いよ」
「君たちはトップだからね」
君たちッ、、、
やっぱりバレてるんだ
さとみくんと一緒に見たこと
「どう?生徒会長やらない?」
手を差し伸べてくる
答えは決まっていた
もちろんNO
だけど、断れない
今は断れない
「…….保留ってことでいいですか、?」
「うん、いいよ」
じっくり考えてね
と言われるように肩をトントンと撫でられた
「じゃあ、、、失礼します」
「またねー!」
ガチャッ
「はぁぁぁぁッ……」
トイレに入ってから
緊張感がとけ、膝から崩れ落ちる
生徒会長……そんなこと思いもしなかった
しばらくゆっくり深呼吸をトイレでしていた
その時
「るぅちゃん、」
「へぁッ、!?」
突然話しかけられたと思ったら
ジェルくんがいた
さっきあった時とは何か違う雰囲気だった
「今、、ちょっとええ?」
「ぇ、、、はい、、?」
莉犬side
予鈴がなった
昼休みが終わった合図
るぅちゃんはまだ帰ってこない
ほんとに殺された、?
手が震えて、うつっている景色がぼやけていく
少し目眩もする
「莉犬」
「さとちゃ、、」
隣に座っていたさとちゃんが俺の手を握った
でも、その手も俺と同じように震えていた
名前を呼んだ後に
すぐ俯き険しい顔をした
「おわっ、どーしたの?遅かったね、」
教室の後ろから水色の彼の声が聞こえた
誰かと話してるようだ
少し気になって後ろを見る
ころちゃんに抱きついている人
彼と重なっていて顔があまり見えない
「……大丈夫?体調悪い?るぅとくん?」
「ッ、!!」
その名前が聞こえた瞬間
心臓に絡まっていた鎖が取れたかのように安心でいっぱいになった
よくよく見ると黄色の髪がころちゃんの肩ら辺から見える
帰ってきた、るぅちゃんが生きてる、!
さとちゃんも緊張がとけたらしく
はぁぁっとため息をしてから机に伏せる
るぅちゃんが生きてる、
ほんとに
「よかった、、、」
るぅちゃんはころちゃんから離れない
それに戸惑うころちゃんにさとちゃんと近づく
「るぅとくん?大丈夫、、?」
そう声をかけると同時にころちゃんは
るぅちゃんの方に向いてギュッと抱きしめる
顔を上げたるぅちゃん、
目が合って、うるうるの目がにこっと笑った
「……よかった、、も、疲れ、た、、」
「うわぁっ!?るぅとくん!?ちょっ、、しっかり!!」
ずるっと床に倒れ込むるぅちゃん
不安や緊張、安心など、
色々溜まって今でてきたのだろう、
「……僕、保健室連れていってくるね、」
「りょ、先生伝えとくわ」
平然をまといながら
教室を出ていく2人を見つめる
「よかったぁ、、、」
「ほんと、、心配かけすぎだろ……」
ころんside
保健の先生がいなくて、
起きる気配のないるぅとくんをベッドに寝かす
すぅすぅと規則正しい呼吸をしながら
静かに眠っていた
いきなり倒れてびっくりした、
まず抱きつかれたのもびっくりしたけど
体調悪かったのかなぁ、昨日の夜から変だったもんね、
休ませればよかったな、とか
色々思うことはあるが、こうなってしまったことは変えられない
このまま1人残して教室に行くわけには行かなくて
すぐ側にあるパイプ椅子に腰掛ける
コテンと動いた頭
サラッと髪の毛が動いた
起きてないか心配だったけど
そんな様子もなく、目を閉じている
このまま天へと登ってしまいそう
「大丈夫そ?」
「……多分、?」
1時間ほどるぅとくんと一緒に保健室にいた
途中できた保健委員の人から
「保健の先生は今日出張」
というふうに伝えられ、ここを離れることが出来なかった
「……こいつ、生きてる?」
「生きてるし、勝手に殺さないでよ、」
ごめんごめんと笑うさとみくん
でもほんとに生きてるか心配になるくらい動かない
けど握っている手が暖かい
るぅとくんの温もりがあるから、生きてるだろう
「ほんと、るぅとのこと好きだよな」
「……さとみくんも莉犬くんのこと大好きでしょ、」
「ははっwお互い様だなw」
HRが始まる前の予鈴がなった
やべっ、とこぼれるようにさとみくんの口から聞こえた
「先戻っとく、先生が挨拶だけでもしに来いって」
「わかった、すぐ行く」
軽く手を振って教室に戻って行ったさとみくん、
その数分後に僕も立ち上がって
寝ているるぅとくんに小さなキスをしてから保健室を出た
「……急にしないでよッ、、、//」
その言葉は耳にも入らなかった
続き♡300〜
コメント
4件
このシリーズのブクマ失礼します!
大好きです このお話!