僕の夢の中で見た美しい男の子。
その子は、僕に手を振っていた。
声をかけてみた、でもうまく声が出なかった。「あ。」その声だけが、心なしか響き渡っていた気がする。
桜が満開に咲いていた春。俺は、高校1年生になった、あの夢から6年。
男の子は、どうなってしまっただろうか。
僕は虐められていた。容姿が原因で、髪の毛は全体に真っ白で猫のようなオッドアイ、その理由で良く笑い物にされてきた。そんな中で見たあの時の男の子、普通の人かもしれない。でも俺にとってはとっても魅力的に見え、心の中がざわいた。
入学式の日、俺が見た男の子がいた、またざわつき始めた。もしかしたら俺はあの子が、
“好きなのかも”
しれないと思った。そんな気がした。
その子は僕に気付き、手を振ってくれた。
まるであの時の夢のように、
嬉しかった。
楽しかった。
その子といるとそんな気持ちになれた。
名前は晴人と言う。素敵な名前だ。
その子と、お泊まりをすることになった。
“2人っきりで”
当日とても胸が高鳴った。一緒にご飯を食べる時でも、歯磨きをしている時でも。
寝ることになった。
一緒に寝ようと勇気を出して言ってみた。
“いいよ”
と言ってくれた。寝る前にお互いが秘密にしていることを話し合ってみた。
話し合っているうちにどんどんそう言う雰囲気になった。
晴人は、そんなわけないと分かっていながら伝えてみた。
“好き”
だと言うことを。晴人は意外な回答をしてきた。
“俺も”と。
嬉しさのあまり抱きついてしまった。今思えばおかしいなと思う。
でも、晴人はその流れにのり、キスをしてきた。俺を押し倒して、
“椿”と。
その時間はあっという間に過ぎて深夜。
俺たちは、付き合うことになった。
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