伏黒視点
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今日は五条先生が任務で、夏油さんも個人の都合で授業が自習になっていた。
「自習ってやっぱり最高ね!!」
「なんか話そー!!」
「はぁ、勉強しろよ…」
「いいじゃん伏黒ぉ!久しぶりの自由時間!!」
「自習な!!」
釘崎と虎杖に呆れながら残っていた課題をパパっと終わらせる。
違和感。何か違和感を感じる。これから何か嫌な事がおきそうな…
「そーいやさっき夏油せんせーと五条せんせーが真剣な顔で話してたのを見たんだよねぇー!」
「は?」
「そしたら五条せんせー話してるウチにどんどん顔色悪くなってさぁ!すぐどっか行っちゃってた!なんか夏油せんせーから逃げてたみたいだった!!」
「なにそれ、痴話喧嘩?」
「え!あの2人付き合ってんの!?ショック…」
「付き合ってはないでしょ!付き合ってんのは五条とふし」
「!?伏黒!?どこ行くのーー!?!?」
勝手に体が動き出した。
今すぐに夏油を殴りたい。でも今は五条先生のこころの保護の方が大事だ。
「すみません!五条先生って今どこにいますか!?」
「えっ、?えっと確か〇〇県〇〇市の〇〇山の方に…」
「ありがとうございます!!」
俺は全力で走った。助けないと。きっと夏油に何か言われたのだろう。
今五条さんは夏油さんにどんなことを言われても傷ついてしまう。
どれだけ我慢してきたのだろう。どれだけ自分を抑えて、どれだけ自分自身を傷つけてきたのだろう。
もう1人なんかじゃない。
俺がいる。
親父がいる。
津美紀がいる。
虎杖や釘崎だっている。
どんな事があっても俺たちがいる。
お願いだから1人で抱え込まないで。
クソっ!俺の足のスピードじゃ到底つかない…!
一刻も早く助けてあげたいのにっ!!!
「あ?恵?」
「はぁっはぁっ…親父…?」
「…?なんでそんなに走ってるんだよ」
「あ」
「あ?」
「今すぐに俺を担いで〇〇県〇〇市の〇〇山へ全力ダッシュで行け!!!」
「はぁ?」
「五条さんが危ない!!!」
「!!」
親父に頼るのは癪だが五条さんを助けるにはこれが1番いい。
電車より速い。きも。
「ついたぞ」
五条さんの呪力を感じるのは…
「あそこに行け!!」
「へいへい」
やる気のない感じを醸し出してるこいつだが…
こんなに全力ダッシュしているのは初めて見た。本当は心配で堪らないんだろうな、笑
「ついたぞっ!?おい坊がっ」
「!?五条さん!!!」
五条さんが死のうとしていた。
俺が倒れそうな五条さんをキャッチしたと同時に親父が呪霊を祓った。
「恵…?甚爾…?」
綺麗な青い瞳を開いた五条さんはとても綺麗だった。どんなものよりも美しくて儚い。
こんなにも美しくて優しい五条さんを傷つけた人たちを許せない。
「あなたはもう1人じゃない。ただの最強でもない。俺の、俺たちの大切な‘人’なんだよ…」
「坊、よく頑張ったな。俺はお前がどれだけ努力してきたか、どれだけ我慢してきたかよく分かってる。 」
「うう……!」
「うわぁあぁぁあ!」
五条さんはどんな時よりも泣いて、俺たちを抱きしめたまま離さなかった。
五条視点
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本当は死にたくなかった。まだ生きていたかった。傑達とまたバカやってるのをずっと想像してた。
でもそんなの叶わないって分かってた。
死ぬしか無かったんだよ。僕のこの人生の償いは。
最強で生まれてしまったこと。人の心が分かっていないこと。みんなに迷惑をかけてしまったこと。
「僕ってやっぱり死んだ方がいいのかな」
「そんなことありません。五条さんが死んだら俺毎日泣いて悲しみますよ。」
「そうだよ!私だって毎日毎日啜り泣くよ!!! 」
「わっ、2人ともいたんだ…!ふふっそれは困るなぁ」
そっか、こんなにも僕を想ってくれる人が身近にいたんだ。
「そーいやこの前傑にめっっちゃ謝られたんだよね」
「あ、絶対に許さないでくださいね。」
「そうだよ!傑さんなんて殴っちゃえ!!」
「俺が殴り殺したる。」
「甚爾!?」
医務室のベッドよりも、寮のベッドよりも、やっぱり伏黒家の布団が1番落ち着くんだよなぁ…
ありがとう。恵、甚爾、津美紀。
だいすき。
傑視点
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悟は許してくれただろうか。
いや、きっと許してくれてるだろう。謝ったのだから。
というか悟56時間目の体術授業サボってんのか?
はぁ、これだから最強は。自分勝手なんだから。
続く
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