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第三章:学園祭
アンアン「3ヶ月後には学園祭があるのか…しかもダンス部門も劇部門もある…Tさんは何か落ち込んでるのか?」
ムラクモ「Tさん、何をそんなに落ち込んでいるのですか?ハインさんの店でご飯食べて落ち込むことなんかありますか?」
T「そんなことないじゃないですか?ラテン料理の味に感動しただけですよ」
※Tの回想シーンが長くなります。昨日の放課後にて。全日制の高校3年生であり、在日ミャンマー人女性のソー・ハインに声をかけていや時です。
T「あなたはクラスのマドンナのソー・ハインですか?!!」とナンパして話しかけるのだった。
ソー・ハイン「ええ、そうだけど、クラスのマドンナって何ですか?意識してないけど。そんなことより、もしよかったら私の実家の店に寄らない?ジビエ料理があるわよ?」
T「行きたいです!!普段肉食べないから最高じゃないですか?!!」
ソー・ハイン「フフッ。では私に着いて着て。」
T「ありがとうございます!!」
ソー・ハインの心の声「Tみたいなノーミーが私の店に立ち寄るなんて初めてだわ…」
場所はソー・ハインの実家にて
ソー・ハイン「バカ兄が作った熊肉入りのブリトー、ペルニル、それからスズメバチの幼虫と成虫の唐揚げよ。」
T「美味そうじゃないですか?!!確かブリトーはメキシコ料理でペルニルはボリークア料理じゃないですか?!!」と。
ソー・ハイン「私の両親がハネムーンでメキシコとアメリカ、ボリークアに行ってきて、その思い出として持ち帰ったの。まあ私はパパと一緒にクマとイノシシ、鹿を捕まえて解体するのが特技だけどね。ママとバカ兄は料理して、店を営んでるって訳。まあ無駄遣いしたくない思いがあるから、毛皮は服や毛布として販売したりするの。寒さ対策になるからね。骨や爪は骨格標本にして博物館に寄付するか、趣味として針や錐、矢尻として使うこともあるわね。大変な作業だけど、仕留めた命は大事にしたいからね。」
T「だからここは自宅兼解体業とジビエ店なんですね!そうだ。ソー・ハインさんは狩猟するって言ってたけど、どうやってやるんですか?」
ソー・ハイン「『ダー』と呼ばれる武器で仕留めるの。」
T「ミャンマー刀のことですよね?ミャンマー最後の王朝のコンバウン朝時代にはよく周辺諸国やブリティッシュと戦ってたときに使われたあの武器ですよね?」
ソー・ハイン「そうよ。私より歴史に詳しいのね。どうやらその一族の親戚が私の先祖なのよね。実は私は4歳の時に山の中に入って凶暴なツキノワグマを滅多刺しにして首チョンパして解剖したことがあるの。」と笑顔で話した。そこで1mのトビズムカデがTに話しかけるのだった。トビズムカデ「私は厩戸王。よろしくね、T。言っとくけど、彼女はビルマと呼ばれることは嫌いなの。ミャンマーとしての誇りが持てなくなるから。」
Tの心の声「まさかアラウンパヤー様の子孫だったりして…まだ言えないな…初めて会ったばかりだから」
T「ええ。心得ています。」そう言ってメキシコ料理とボリークア料理のブリトーとペルニル、スズメバチ料理を食べるのだった。
ソー・ハイン「あなたはまさか、一般社会から来た人なの?」
T「そうですが。まあ私はノーミー社会が生きづらくて来たんですけどね。」
ソー・ハイン「怪しいわね、T。あなたには何か未練があるはずだから、心がノーミーなのね。」
T「くっ…痛いところつかないでください…私だって江戸川区から移住してきたけど、本当に生きづらかったんですよ。変わり者の一員になりたいですから。」
ソー・ハイン「あなたは何かに動揺しているわね。今のあなたは変わり者じゃなくて、ただの臆病者の中の臆病者なのよね。そういう気持ちでフリーク区へ移住してる人はあなたが初めてなのね。あなたはきっとその誰かに逃れるために、その痛みを上書きするために私をマドンナとして神格化したってことかね?」
T「….」
ソー・ハイン「言えないのも無理はないわね。あなたみたいなノーミーがこの家に来るなんて普通だったら勇気がいるのに、凄いわね。」
T「そうですか。」
ソー・ハイン「あなたはひょっとして、一般社会でその誰かに告白できなくてここに来たんでしょ?」と言った途端、Tが我慢できなくなり、泣き叫んでお腹ダイブして抱きつくのだった。
T「うわはははぁぁぁぁぁん!!!!」と
ソー・ハイン「急に抱きついても無駄よ?それであなたは変わり者でいるつもり?いいえ、あなたはただの臆病者なの。」と言って「ドンッ!」と首チョップするのだった。
Tが脳震盪を起こしてこう言った。「そ…ん…な」と言って倒れるのだった。
ソー・ハイン「どうせあなたは変わり者を自称してる阿呆な人間でしょ?」と捨て台詞を吐くのだった。
※ここで回想シーンを終わります。
Tの心の声「ソー・ハインさんは只者じゃないな。」
アンアン「Tさーんっ!!何をそんなに落ち込んでるんですか?!!」とジャンプして後ろからTに抱きつくのだった。
T「アンアンさんっ?!!ちょっと、やめてください!!」
アンアン「僕とTさんは似てますから!!」
ムラクモ「ソー・ハインさんの家の中はいかがでしたか、Tさん?」
T「ボリークア特有の黄色、青、ピンク、オレンジというトロピカルカラーがあって、イメージで言うとカリブ海の太陽みたいなものでしたよ。壁や家具にね。それでメキシコの貴婦人みたいな服装をしたカトリーナ人形とかカラベラという人形まで置いてあったんですよ。しかも彼女が言うにはこの人形自体は死者の日には使ってないんだと。」
アンアン「死者の日ですか?」
T「ええ。メキシコには11月1日と2日の日に行われるらしくて、カラベラというカラフルなスカルを置いて、死者を供養するんですよ。お供物を捧げながら明るく和気藹々とした雰囲気で楽しむみたいです。そのカラベラは倉庫にしまってあるとね。ハインさんの家にはグアダルーペ様の肖像画も祭壇に飾られているから、ラテンカトリックを信仰してるみたいです。グアダルーペ様は聖母マリア様の褐色肌の姿をしているんです」
ムラクモ「ハインさんの普段着てる私服のオレンジはラテンの情熱の意味が込められているのはこのことなんですね」
アンアン「そんなことよりTさん、僕と一緒にダンス練習しましょうよ!!」
T「ダンスなんてしたことないですよって一体何のダンスするんですか?!!」
アンアン「それはね、********」ですよ。
ムラクモ「迫害された隠れキリシタンのような『厳しい弾圧の中で、自身のアイデンティティ(信仰)を死守し、静かに、しかし強く生き抜いた人々』のための音楽でもありますね。」
T「確かに。」
コメント
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ソー・ハインさんの登場、めちゃくちゃ強烈でしたね……!「ただの臆病者」って言い切られて泣き叫んで抱きつくTさんに、こっちまで胸がぎゅっとなりました。でも彼女の家の装飾やラテン文化の話とか、世界観の厚みを感じる回でした。あのトビズムカデの厩戸王も気になるし、続きが待ち遠しいです!