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コメント
10件
あああああ尊いなんだそれ二人の子供の姿なんてかわいスギだろそして結ばれてよかったなああああああ
あ......... なるほどキヨはうっしーを男と勘違いしてたということから うっしーはボーイッシュでペタンヌ 日常的にズボンを履いてることがわかる つまり最高ということここテストに出ますからね
うっしーは女でもいいぞ(鼻血)
※今回の作品はBLではなくNLです。
us氏が女だという設定で話が進みます。
<牛沢視点>
学校行きたくない。けど、行きたいな……
そう思いながら今日も登校する。
俺には好きな人がいた。
同じクラスの男子のkyだ。
いつも楽しそうに笑っていて、よくおやじギャグを言って男子を笑わせている。
俺とよく話してくれて、一番気の合う人だった。
けれど彼は俺の事を女としてではなく、男友達として好いてくれている気がする。
というか、普通によく最高の友達とか茶化しながら言われてしまっている。
俺が意図してそうなったわけではないが、わざわざ訂正しなくてもいいかと思っていたらズルズルと好きな人になるまで続いてしまっていた。
どうにかしなければと思うが、それと同時に今の関係に甘えていたいという安直な安らぎに固執してしまっているのが今の現状だった。
周りのめざとい奴等は俺がkyのことが好きだというのはバレているよう。こそこそと軽く指で数えられる人数分で確認に来る程度には知れているらしかった。
今現在、少し時が経ち、俺は教室の自分の席で本を読む振りをしながら彼を横目に見ていた。
彼は男子何人かと俗にいうオタクと呼ばれる、陽キャサイドに属する女子の方々と教室のドアの方でお喋りしている。
あの女子の中には腐・夢女子と呼ばれる部類の方もいるので、あまり近寄って欲しくないのだが…それも彼の交遊関係の広さからくるものだから何だと言って押し退けれるものでもない。
本人もそんな事を気にした様子もなく受け入れて接しているから尚言えることはなかった。
…俺の名前を呼んであそこに俺も入れてくれないかな。そうすれば彼と話す時間もできるし、巧く躱させることだってできるのに……
こんなことを思いながらあの輪に入る勇気のない俺は本のページをめくる。
体であれせっかく借りた本だし読んでおきたい。
本をチラッと眺めると文頭に「恋」という文字がみえた。
その文字はドキッと俺の鼓動を揺らした。
区切りまで読んでみると 恋華 という女の子の詳細なイメージ文だった。
[靡く髪は黄金の衣を纏った天女の様に彼女の姿をうつし、細めて笑うその目は青空を模した宝石を磨き、目の前に広がる橙色の景色を吸収したルピナスのように美しかった。]と表記されている。
とても美しい女性で、誰も彼も虜にしてしまう。そんな女性らしい。
俺もこんな女の子ならkyもこちらを向いて好きになってくれるだろうか。
淡い期待に心を沈ませながらまたページをめくる。
「うっしー!」
ふと彼の声で名前を呼ばれた。
反射ですぐにその方へ向く… と……チュッ♡
え…………?
唇に何かが触れた。
起こったことが飲み込めなくてただ、開いて塞がらない口を放置した状態で呆然とする。
周りも騒然としてガヤガヤと五月蝿くなっていった。
俺も自分の手で俺の唇を触れる。
ここに柔らかな感触があたった…。
その感触の前にkyの顔が近くまで寄ってきていた。
一つ一つ順を追って遡っていく。
……っやっぱり、キス…された……?
頭が、頬が、耳が、唇が…どんどん熱を持っていくのが分かる。
これは紛れもなくキスなのだ。キスをされたのだ。
周りの声もガヤガヤと ちゅー だ何だと言葉を飛ばしてkyに何かに話している。
目の前が滲みそうな程、目には涙も浮かんできた。
嬉しい…//
しかし、何故急に、俺にキスを…??
肝心のkyは元々話をしていた女と俺の机の前で話をしている。
ky「ほら、キスが見たかったんだろ?」「これで勘弁してくれ」
気だるそうな声で話す。
女「違う!男同士のが見たいって言ったの!」「もう一回、今度こそ男子cとやってよ!」
ky「やだよ、だからうっしーとしたんだろ?」「ちゃんと言うこと聞いたんだからほら、例のやつ!」
何かを交渉材料として話していたらしい。
女「だめ!そもそも牛沢さん女の子なんだからカウントされません!」
ky「は?何言ってんの?うっしーが女なわけないじゃん」
kyがこちらへ振り返ると目が合った。
ky「ごめんな、うっしー巻き込んじゃって」
us「え?あ、いや……大丈… 夫…」
無意識にその目を逸らす。
直後の彼を直視することはできなかった。
女「牛沢もはっきり言ってやんなよ、大丈夫なわけないでしょ?」「あんた多分、ファーストキス奪われたでしょ?」
確信を持ったその発言に更に顔が熱を持つ。
俺は視線だけでなく、顔もkyの方から逸らすこととなった。
ky「えぁ!そっか…っ…ごめんうっしー!//ってか、俺も奪われたんだが?」
女「あんたのなんか知らないわよ!それより女子の奪ったんだからあんた責任とりなさいよ」
ky「だから女子って何だよ!」
「うっしーは男だって…!」
一瞬、周りが凍ったような静寂が訪れる。
女「は?……うわ、ないわお前…最低」
周りからも口々にドン引きの声がする。
ky「え……??だって、うっしーはよく男らしい所作してるし、小さいけど胸だってないだろ?それに…」
周りが更にkyから離れていった。
kyは周りの反応に理解できないらしく、何故だと何度も抗議している。
us「……悪かったな…ガサツでぺったんこで…」(小声)
不服に声を漏らすと、kyはこの小声が聞こえたようだった。
ky「!?…っマジ……なの…? 」
俺の一言で完全に決定付けられ、ようやく本当だと飲み込んだらしい。
kyの顔は困惑しているがそれでいて悲しそうで、罪悪感を感じて苦しんでいそうなぐにゃぐにゃと安定しない表情をしだした。
ky「っぁ…ごめん、うっしー」
絞り出すようにして言った言葉は、 少し顔を逸らして放たれた言葉だった。
それは俺が女だったことに対してだろうか、それとも男扱いをしてきたことだろうか。それとも…または、友達では居られないと突き放すための言葉だろうか。
そう頭の中で俺を苦しめる言葉が後から順に濃さを増して羅列され始めた。
胸が苦しくなってここにいることが嫌になった。
女がその謝罪について言及を始める。
どんな理由でそんなことを言うのか。
聞きたいような、聞きたくないような答えだった。しかし、2人の間に流れていた沈黙を破ってくれて助かった節もあるものでもあった。
ドクドクと胸が鼓動を高まらせて声をかきけそうとしてくる。
暫くして、沈黙していたkyがゆっくりと重い口を開いた。
ky「……それは、その、うっしーを女子だって思ってなくて男扱いしたこと。…あと、失礼なこと言った。ごめんうっしー」
頭を下げて謝ってきた。
その行動と答えに心のキツくなってきていた糸が緩み始めた。
us「別に、いいよ…俺もそうなんだろうなって…思ってたのに何も言わなかったし」
少しだけ泣きそうになったところを必死に取り繕って隠す。
ky「!…気づいてたの!?なら言ってくれれば!」
女「まずそもそもあんた何で違和感持たなかったの!牛沢さんも普通に女子トイレ入るでしょ!?」
食い気味に言い返しする。
ky「いや、普段トイレなんて付いていかないだろ!それにコイツ基本的に多目的行くし」「てか思ったけどうっしーが一人称俺だから紛らわしいんじゃん!」
ちょっとだけ女と言い合う会話をするといつものkyが戻った。
胸がホッとして、チクりとして、ぐちゃぐちゃな感情が俺の中に湧き始める。
女「何自分は悪くないみたいないい訳してんのよ!」「俺だって一人称俺よ!」
その様子を傍観していた他の女子も今だと、次々に僕だ、わんだ!某だ!と言い始めた。
収集が付かなくなるほどまで騒がれ、 それを男子cが諌め始め…というか空気を読まず、自分の聞きたい質問を投げ始めると、周りはその勢いに圧倒され(引いて)…口を噤んだ。
男子c「ねぇ、ねぇ!俺振ったのに何で牛沢さんにならキスできたの?」「俺も別に男前!だし?kyにならファーストキスあげても良かったのに」「ねぇ、ねぇ、ねぇ!」
しつこすぎる詰めかたをされてkyはウザそうに返す。
その顔にも心情がそのまま表示されていて、あからさまであった。
ky「何でって…うっしーなら怒られてもいいと思ったし、他の奴らよりうっしーにしたいって思ったからだよ。それ以外何も理由無いだろ相手を選ぶときって」
kyの声が聞こえなくなると、 辺りはシーン…と微かにあった騒ぎが途絶え、クラスに誰も居ないような静寂な空間が生まれた。
女「おまっ…ガチで言ってる?!//」「両想いなんじゃん!?//」
俺の代わりに周りが悶えた声を出して照れ始めた。
当の俺は勿論、顔が赤く染まっているだろうが言葉も出ずに口をパクパクとさせる。
kyはまたもや不思議そうな顔をして現状の理解に苦しんでいた。
その姿でこの人の素だと知らされてより恥ずかしくなる。
ky「さっきから何だよ、別に当たり前のことしか言ってないだろ!?」「キスだって誰とでもなんてできるわけじゃねぇし」
どんどん語られていく彼の言葉達が俺の心をギュンと締め付けて、恥ずかしくて、嬉しくさせる。
kyは辺りを見回して最後に俺に目を向けるた。目が合うとkyは俺に向かって話し始める。
ky「…でも、そのほんとに悪かった。嫌な思いさせたよな。キスだって女子は特に大事にしてることだろうし…」
彼はシュンとして俯いた。
俺はその彼の顔に手を伸ばして、 その手を彼の頬に当てて顔を近づける。
チュッ…♡
ky「え……?」
us「…嫌、じゃない//」「嫌じゃなかったよ。嬉しかった//」
泣く寸前の感情で彼の目を見る。
視界はゆらゆらとして彼の顔がうまく見えない。
けれど彼の顔が熱をもって、耳まで熱くなっているのが手に伝わってわかった。
彼は慌てた様子で俺から離れていく。
ky「なっ…ぁ……や…//その…いや、じゃなかったなら…よかった……///」
片手で顔を隠し、完全に顔を背けられた。
us「……ねぇ…キヨ?//俺からキスされて嫌だった?///」
kyは俯いたまま悶えるような声を出す。
ky「っ…嫌、じゃ…なかったよ……//」「あぁ”~~…//ちょっと待っ…~~っ時間ちょうだい!」
彼はしゃがんみこんで頭を抱え始める。
彼が下へ消える最中に彼の耳が真っ赤に染まっているのが見えた。
胸が高鳴り、俺も悶えるような声が溜まる。机に体を預けながら彼を上から愛おしく眺めた。
好きだという感情が今にも溢れだしそうで、彼に伝えたいと、知ってほしいと思う。
kyが急にスクッと立ち上がった。
慌ててぶつかりそうになる顔を引く。
kyはじっと俺を無言で見つめ始めると俺も彼を戸惑いながら見つめる。
彼の視線の向く箇所が熱を集めて、またうるさい鼓動が鳴り始める。
無言で見つめ合う2人を周りは息を飲んで見つめ、次の展開をドキドキとドラマを見るように待っていた。
……………。
…………………///
長い沈黙の中、 しびれを切らしたのか女が口を開き始めた。
女「あんたら両想いなんだからさっさとどっちか告白しなさいよ!」
2人でバッと振り向き、女へ視線を向ける。
いきなりこちらに顔を向けられて驚いた様子だったが、女は呆れたように話を続けた。
「特にky、あんた男なんだからさっさと覚悟決めなさい!もう昼休み終わるの、時間ないんだからね!」
教室の黒板上に掛けられた時計を確認すると確かに後数分で1度目のチャイムが鳴る時間だった。
俺は慌てて口を開く。
us「あ、あの……俺…//き…」
ky「うっしー!!」(大声)
us「!?…っ…なに?」
ky「俺、うっしーのことが好き!その…さっき失礼なこと言っちゃったけど、本当にうっしーが男でも、女でも関係なく好きなんだ!お、俺と、付き合ってくれませんか!//」
us「っ!///…よ、喜んで!お願いします!//」
ky「ほ、本当に!?」
us「うん!///」
前からkyのことが好きだったと話す。
kyはとても喜んで、顔を赤くしながらとびきりの笑顔を魅せてくれた。
俺も今、現実だよな…?と実感ができない状態で鼓動を速く動かし、熱を持つ顔でkyに微笑みかけて嬉しくした。
2人の結末に周りのクラスメイトは祝福の声を上げてくれる。
気づいていた何人かの人達は俺に近寄ってくると「よかったね」と笑顔で話しかけてくれた。
幸せだと胸を高鳴らせてその人達へよかったと安堵した声を返す。
kyの周りも同様、男子達が集まって祝福の声と茶化すような声をかけていた。
本人も笑顔で嬉しそうな表情をしている。
本当に幸せだ…//
彼の顔を見ながら思う。
キーンコーンカーンコーン
1度目のチャイムが鳴った。
外からスリッパの音がして、先生が来ていることがわかる。
皆、一斉に席へ戻り次の準備をし始めた。
俺は席についていたので、そのままの姿勢で今を噛み締める。
us「………。」
us「……~~ッ//」
顔を机にくっつけ、軽く机を叩いた。
嬉しい。幸せ。好き。その感情が心を埋めて浮かれる。
先生が入ってきて授業が始まる。
今日1日はもう何も手につきそうにない…。
俺は机に突っ伏したまま、そう考え、学校を終えた。