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それから3時間後。
カチャカチャガチャン。
ギイ。
「ただいま。」
ライムの母親が買い物から帰ってきた。
「おかえりなさい。・・・わっ!」
魔法書を閉じて帰宅した母親を出迎えにライムは椅子から立ち上がり、母親の下へとかけて行き母親の傍まで来るとギュッと抱きしめられた。
「か、母さん?どうしたの?」
「ああ、ごめんね。何でもないの。お腹空いたでしょ?すぐに夕飯の支度するから。」
「う、うん。」
抱きしめられたまま戸惑うライムを離し、母親は台所へと向かい夕飯の支度を始めた。
(嘘だ。絶対何かあったんだ。)
ライムは夕飯の支度をしている母親の背中を見つめたままギュッと拳を握りしめたのだった。
「ねえ母さん。」
「何、ライム?」
「街で何かあったの?」
「・・・・・。」
夕食を済ませ後片付けを手伝いながらライムが聞くと、洗い物をしていた母親の動きがピタッと止まった。
その彼女の反応を見てライムは何かあった事を確信して再度聞く。
「何があったの?教えてよ。」
「・・・・・。」
「お願い母さん。僕に関係する事なら教えてほしいよ。」
「ねえライム。」
「何?」
「今もイーストン魔法学校に入りたいと思う?」
「うん。」
「そう。今からする話は入りたくなくなるかもしれないし、下手したら外に出たくなくなるかもしれない。・・・・それでも聞く?」
母親のその言葉にライムは、迷わずにこくりと頷いてみせた。
「分かったわ。じゃあ後片付けを済ませてからね。」
「うん。」
「そうだ、ジンはどうしてる?」
「今は眠ってるよ。」
「そう。ジンにも聞いてほしいから話をする時に起こしてくれる?」
「うん、分かった。」
ライムと母親はそこで一旦話を切り上げると、後片付けに専念するのだった。