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岩本side
あれから1ヶ月。
おれはまた、ルート変更で、なれないルートを必死でおぼえる日々。
彼女ともたまにLINEのやりとりはするけど、たわいも無い話。
それでも嬉しかった。
けど、ここ数日は既読すらつかない。どうしたのか気にはなるものの、朝は早いし帰りは遅い。そんな毎日に疲れてた。
やっと、明日から2連休。そんな時だった。
ふっかから電話があり、彼女が過呼吸起こして倒れたときいた。
最近なんか感じること無かったかとか、色々聞かれたけど、特になくて。
心配で今すぐ駆けつけたかったけど、代わりの運転手いなくて。
そしたら、とりあえず、往診来て貰って、職場で点滴して様子見ることになったとのこと。
ふっかのおわり時間に合わせ、康二が迎えに行ってくれるらしくて。一安心。
俺も、最後の1本を、同僚がとってくれたお陰で、1時間早く上がれることに。
最後のルート終わりに、 ふっかに連絡をいれると、もう上がるとのこと。康二の店で待ってると返事が来た。自分も終わり次第向かうことを伝えた。
彼女の容態も気になるけど、会えることが嬉しかった。
それからは、残りの仕事終わらせ、急いで向かう。その前に、ふと、電話をかけた。出るかすら分からないまま。
けど、少し驚いたんだろなってのがわかるくらいの声。
声が聞きけて、ちょっと安心した。
今は落ち着いてるみたい。
今から向かうことを伝えると、はい。って。でも、なんかおかしい。
待ってて?と伝えると彼女は言葉につまったようだ。でも、気をつけてと返ってきた。少し鼻声。
名前を呼んでみると、少し遅れて、ん?とだけ。なんかすごく抱きしめたくなった。
会ったら抱きしめてもいい?
なんて聞いてしまった……
そしたら、涙をすすって、「待ってる…」
って。
凄く嬉しかった。
1秒でもはやく、彼女の元へ行きたかった。
けど、事故っては意味が無い。
安全運転で、向かった。
店に着くなり彼女を見つけると、そのまま抱きしめた。彼女はびっくりしてたけど、いやがることも、怖がって震えることも無かった。
1人で抱え込みすぎだって言ったら、謝られた。謝って欲しい訳じゃなかったけど。
それから、家に送ってった。道中、ぼーっと外を眺める彼女。なんだか今にも消えそうで。
一応家に着いたが、なんか怪しい男がいたから、すこし先の方にとめた。
彼女にきくと、震えていた。とりあえず、危険だと思ったから、自分の家へ。
リビングに入ると、ソファーの隅にすわり、固まってる彼女。
彼女の横にすわり、そっと抱きしめた。相当怖かったんだろな。泣きじゃくる彼女を抱きしめることしか出来なくて。しばらくして落ちついたようだった。
夕飯でも作ろうと、少し離れようとしたら、彼女と目が合った。ちょっとうるうるとした目で上目遣い。いや、そんなことされたら、離れられなくなるじゃん、と、言うと、まさかの言葉が。