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#異世界転移
花月夜れん
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春です。ある人は、人と出会い。ある人は、新しい場所に置かれて花を咲かせる。きっと都市圏にクローズアップして表した流線図には、人の新しい歩みが顕著に映る。そんな季節です。わたしもその一人でした。そうです、高校生になりました。パンをくわえて十字路で運命の出会いをする高校生です。そんな出会いがあればいいですが。余談ではありますが、この高校に入学した理由は単純で、なんとなく併願で受かったからでした。ですから、人様に入学までの道のりとかそういったものを語れるような物語がありません。多少悲しく思えますが、わたしの性といいましょうか、何か一つの物事に対して熱中出来たとしても、その期間が短いのがわたしでありますから、当然といわば当然なのかもしれません。しかし、こんなわたしにも堂々と胸を張って言えることがあります。それは、ダメダメな自分を変えたいという思いでした。自分で自分を卑下してしまうのは違うのかもしれませんが。ですから、中学時代の親友とは別の高校を選択しました。
入学式でした。これから通う高校の正門を過ぎると、なにかを求めた人達の人集りがありました。それは、クラス分け名簿というやつです。わたしは、中学時代の親友達とは、違う学校を選んだため、そりゃ親友の姿はないわけです。その上、そこまで人選に興味がありませんでしたから、『成り行き任せ』なんてマインドに近しい感じで、その名簿の横を素通りし、校内へ歩きました。失礼ながら、入学式に関してはあまり語れることがありません。形式的な行事にすぎないですから。そんなことは置いておいて、多分事前に準備してくださった在校生の方々や職員の方々など皆さんのおかげで、なんの滞りなく入学式を終えました。教室にて。わたしが配属されたクラスである1年E組には、顔見知りも誰一人いませんでした。そして、新しい環境に置かれた場合、自己紹介が定番でしょう。もちろん、自己紹介がありました。
「白石愛紗でーす!よろしくねー!」
陽気な子。
とある女の子に目が行きました。席の立ち方、会釈の角度。全てが綺麗でした。その上、容姿までもが整っていました。非の打ち所がないぐらい。
「小鳥遊柚です。よろしくお願いいたします。」
わたしの家庭はそう裕福ではありませんでしたから、そういった正しい所作なんてものはわかりませんが、『育ちが良さそう』だなんていう勝手な偏見を抱いてしまうほど、所作が綺麗でした。それに、少女漫画の世界から誰か連れてきたのかってぐらい容姿が整っており、女の子の憧れの的のような人に思えました。高嶺の花って本当に存在するんだなって初めて思いました。
数名の後、わたしの出番になりました。
「長谷川いろはです!よろしくお願いします!」
そんな感じで、自己紹介の時間が流れていきました。最後に先生から、
「鈴木日和さんが欠席です。」
自己紹介を終え、帰宅の時間、小鳥遊さんの机の周りには人集りが出来てました。容姿が整っていたり、いい意味で目が吸い寄せられたりしたので、当然といわば当然なのかもしれません。一方で、わたしは早く家に帰りたいため、既に教室を後にしました。
日が経つにつれ、クラスメイトはグループを形成していくわけです。きっかけは、性格的なものなどがありますが、一番大きいのは『知人かどうか』でしょう。中学時代、部活もろくにやって来なかったわたしには、当然知人なんていませんでした。だから、自認的ではありますが、どれだけ明るいわたしであっても、友人づくりには苦労しました。なんとかして接点を作ろうと、言い方に問題がありますが、手当たり次第、自ら積極的に話しかけてみました。
「あの!柚ちゃんの好きな音楽なんですか…!」
「私?私は、クラシックとか好きです。」
「いいですね!クラシック!わたし詳しくないけど!」
しかし、
「揚蝶ちゃん!どんなアニメ見るの?」
相手から帰ってくるのは社交辞令に思えてしまう愛想笑いと
「ごめん!弥宵ちゃん!ここ教えてほしいです…!」
相槌でした。こんなことをしている自分をたまに遠くから見てしまう自分がいました。そう、言わばプライドです。学校に入学しといて、学業より友達づくりに必死な自分が惨めに思えてきました。ですから、自然体でいることにしました。『来る者拒まず、去る者追わず』のような心持ちで。来る者がいなければ、成立しないと思いますが。わたしの取り柄といえば、中学時代、人様のお手伝いをしたことにおいて『クラスで活躍した人』に選ばれた実績があるぐらい、客観的に人助けはしていた方でした。ですから、黒板消しを自主的にやったり、配布物の配布を手伝ったり。さらには、クラスメイトが困っていたら手を差し伸べました。
「あ、プリント忘れた」
「はい、これあげよっか?」
とか、
「運ぶの手伝うよ!」
「ありがとう。」
とか。そんな感じでした。すると次第に、先生からは『周りが見えるね』と称されました。それでも、中学時代のような親友を作ることはできませんでした。ですから、中学時代のように放課後笑い合って帰りたいという夢も虚しく、幻想と化してしまいました。そう考えると、わたしにとって友達とは、都合のいい関係なのかもしれません。
ある日の放課後のことでした。わたしは、いち早く帰路につこうと、玄関の方へ足を進めていました。すると、話しかけられました。小鳥遊さんでした。
「あの……いろはさん、先日は私を助けてくださり、ありがとうございました。」
「全然大丈夫だよ!柚ちゃん!」
小鳥遊さんとは、あれ以来話す機会がなかったから、会話が続かないときのぎこちないあの感じがどうしても嫌でした。それに、最近は帰路につくことに夢中でしたから、早く帰りたいってのはありました。
「じゃあね!また明日!」
「……あの、いろはさん。…どうして私を助けようと思ってくださったんですか?」
コメント
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美月ゆめかだよ〜🌸 読んだ読んだ! この第1話、めっちゃ良かった…!新しい環境で必死に馴染もうとする「いろは」ちゃんの感じ、すごくリアルで胸がぎゅってなった😢💕 あの「来る者拒まず、去る者追わず」って自分に言い聞かせてるところ、分かりすぎて辛いよ…。そして最後の小鳥遊さんの質問!「どうして私を助けようと思ったんですか?」って、あの気になってる感じが尊すぎる〜!次どうなるのか気になって仕方ない⋆♡ 続き待ってるよ〜!