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#aph
友ゴリラ
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ことん、と紅茶のティーポットがテーブルの上に置かれる。
ロンドンの街並みはいつも通りの曇り空で、今からにでも雨が降りそうなほどだ。
彼 アーサー・カークランドは気に食わない隣人と紅茶を嗜んでいる。
「お前さぁ、またこんなことやってんのかよ?」
「全く…いつまでたっても夢見るお子様ってか?」
「ッ…ば、ばかぁ、誰がそんなこと言った…///」
話し相手の方に置かれたティーカップ、紅茶は湯気を立てており淹れたての紅茶の匂いが部屋の中に広がる。
「…おい、顔逸らすなよルウィアル。」
彼 話し相手であるルウィアルは窓から街並みを俯瞰しながら話を聞いている。
紺色のセンター分けから覗く水色の瞳と整った相好はある意味の芸術と捉えられても良いような顔だった。
場所は変わり会議室、イギリスことアーサー以外の面々は全員集まっている。
「…イギリス…」
金色の髪にベージュのコート、アメリカの擬人化ことアルフレッドがぽつり、と呟く。
「アメリカ、悔やんだとしても何も変わらないだろう」
ゲルマン系の顔立ちをした巨体、ドイツの擬人化ことルートヴィッヒは終わったことのように呟いた。
「で、でも…ッ」
「…失ったものは、戻らないあるよ」
決して大きくなかったその声は会議場中に響いた。
見た目からは想像もつかないが最年長 中国の擬人化こと王耀である。
数ヶ月前、とあるニュースが世界中を駆け巡った。
『ルヴァインル 震災による二次災害の影響で壊滅状態、最大津波観測は約14M。』
ルヴァインルは―――――滅んだ。
国土は津波の瓦礫で見る影もなく、ブルースターの咲く綺麗な丘は水と瓦礫で摘み取られ潰れた。
国民も殆どが死亡との届出があり、数少ない生き残りの国民が他国へと逃亡した。
彼、「ルウィアル・フォルヴィア」は消えた。
震災が起こり都市は壊滅、会議をほっぽり出してまで自身の国土へと向かい、惨状を目の当たりにしても走った。
走って、走って、そして―――
ブルースターの咲いていた丘で、消滅した。
そのニュースが流れた後、世界中は慟哭と絶望に苛まれた。
アーサー・カークランドことイギリスは、散々批評を飛ばし、黙祷にも参加しなかった。ルウィアルが、自分の大切な人が消えたという、その事実を受け入れられず心を壊したのだ。
ひとりぼっちの部屋で”彼”と共に居る、彼の幻想を胸に抱く。”彼”の名前も、姿も、性格も、口調も、全て本物。なのに姿だけがない。まだアーサーは”彼”が居ると思い込んでいる。本当は誰もいないというのに二人で話していると思い込んでいる。
嘗て七つの海を支配した英國紳士の末路だ。
コメント
1件
うわあ…これ、めっちゃ重いね。読み終わってしばらく黙っちゃった。 「普通?の日常」ってタイトルがもう、皮肉すぎるよ。最初は紅茶飲んで穏やかな会話してるのに、後半で一気に「ルヴァインル壊滅」のニュースが来て、アーサーが幻覚でルウィアルと話し続けてるっていう…そのギャップが心に刺さった。 特に「ブルースターの咲いてた丘で消滅した」って一文と、最後の「嘗て七つの海を支配した英國紳士の末路」って締めが切なすぎる。誰もいないのに「ばかぁ」って照れてるアーサーが哀しくて美しかった。続き、ちゃんと読ませてもらうね。