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怪盗1412号。
通称、怪盗キッド。
彼はその名の通り、
子供のように警察を奇術で翻弄し、
鮮やかに獲物を盗み出していく。
マスコミによく取り上げられ、
ファンクラブも出来ているほどだ。
見た目は紳士そのもの。
白いシルクハットに青いリボンが良く似合う。青いシャツを着用し、その上に白いタキシードを着こなす。
オマケに白いマント。見事な翼にも化けることが出来る。
そんな彼が、
この東の高校生探偵の下で、犯行後、淫らに喘ぐ。
「ぉ゛ッッ……♡♡」
「めいたん、てッ…♡♡///」
「ぎ、ィッッ♡♡ぁあ゛ぁあ゛__♡♡」
その黒髪を淫らに振り回し、
彼はこの夜で1番美しい声で啼く。
こんな幸福が、
他にあるだろうか。
顔も、本名も知らない。
でも、俺は彼を愛すことができた。
のに。
怪盗キッド、工藤新一
熱愛報道。
窓を開けて行為に至っていた時に、
本当にたまたま通りかかった通行人に
写真を撮られ、
マスコミにリークされた。
俺の家には、
マスコミたちが押し寄せてきた。
その日は雨だったと言うのに、
生中継までする輩もいる始末だ。
「だから!俺は知りませんッッ……!」
嘘だ。
こんなことを言えば、
彼に嘘をつく。
すまない。
「最愛の人……!」
「名探偵!」
「ッッ……?」
「……キッド!??」
マスコミたちが、
名探偵と呼んだ男の元へ
カメラを向ける。
何時もの白い衣装とは真反対の
黒い服。
深く被っていたキャップは
強い風で地に落ちた。
若い男。
俺と同じくらいの男だろう。
俺と顔が酷似していて、
更には声までも似ている。
「おま、ッッ…ホントにキッドか?!」
「あーそうですよ名探偵!!」
「ッッ!なんで、正体がバレるっつーのに!」
「いいから!行くぜ!名探偵!!」
煙幕が、俺達を包む。
これから俺達は、遠く離れた街へと
駆けていくことになる。