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番外編20 『もし、主様と同棲することになったら。』After story
主様が寝静まった夜。執事達は食堂に集まっていた。
テーブルを片付け、布団を引いて。お酒を持ち寄り。
『皆さん、主様の睡眠は確認しましたね？』
『はい。ぐっすり寝てます。』
『全員呼び出して一体なんの話をするんだ？』
『よく聞いてくれました。バスティン君。』
ベリアンさんは紙を取り出し読み上げる。
『これから先天使がいなくなって平和な世界になって、主様と同棲することになったら何がしたいという会議をはじめます。』
（主様と同棲…っ!?）
『会議と言うよりは我々個人の欲望を話し合う会ですね。』
『な、なるほど…。』
『でも、執事として主様と同棲なんて…。』
『いや、待てよフェネス。天使がいなくなれば俺たちは執事としてじゃなく一人の男として主様といられるわけだ。』
『そ、それはつまり……。』
『執事だからって今まで我慢してたことをなんでも……。できる。っすよ？フェネスさん。』
『……！』
『お前達、フェネスをからかうな。』
『ふふ、でも自由に妄想するのはいいんじゃないかな？』
『はい！いいと思います！』
『主様と過ごす未来ですか…ふふ、楽しみですね。』
『では、話し合いを始めましょうか。』
ベリアンの場合
『私が主様と同棲することになったら…
まず朝は私の淹れた紅茶を飲んで欲しいです。優しく起こして朝ごはんを一緒に食べて…。
毎日のように甘やかしてあげたいですね。そして夜も安心して寝れるようにおまじないしたり……。』
（ベリアンさんここぞとばかりに欲をぶち込んでくるな。）
（あぁ。この人がいちばん危ういな。主様と同棲したら。）
ロノの場合
『お、俺は主様と同棲したら俺の料理を毎日食べて欲しいです。外で一緒に食べるのもいいけど、やっぱり俺の手作りを食べて欲しいです。そしてロノの料理しか食べたくないって言わせたいですね……。』
（ロノ君ヤンデレの気質がありますね。）
（相手を依存させる気だ。）
バスティンの場合
『俺はそうだな…。……主様と一緒にいられるのなら正直それだけで幸せだ。主様と色々な経験をしたいな。何をするにも主様と一緒がいい。』
（お前それは模範解答だよ。）
（最大の答えが出てしまいましたね。）
ハウレスの場合
『俺は…寒がりな主様のために朝はゆっくり寝かせてあげたいです。そういう朝もたまにはあっていいと思います。そして、ご飯は俺が早起きして作って食べさせてあげたいですね。 』
（主様のお腹が心配だ。）
（食事面が心配だな。こいつの事だから絶対やらかすんだよ。）
（あと掃除洗濯大変そうっすよね。）
フェネスの場合
『お、俺は…。主様が眠れない夜はベットに入って読み聞かせしてあげたいですね…。休みの日は一日一緒にいたいなぁって思います。』
（フェネスらしいな。）
（フェネスも依存させる気質があるな。）
（というかちゃっかり一緒のベットで寝る気なんすね。）
ボスキの場合
『俺はだな…。主様と一緒に髪の手入れをし合いっこしたいな。主様の恥じらう顔も見てぇし、なにより俺の髪を手入れして欲しい。』
（ボスキの欲望が目に見えるな。）
（ボスキ凄いな…俺も主様に手入れしよう。）
（ボスキさん侮れないっすね。）
アモンの場合
『俺は主様と同棲したら毎日ドキドキさせてあげるっす。夜は俺の子守唄で一緒に寝て…朝は優しく起こしてあげたいっすね〜。』
（ここぞとばかりに今までの欲をぶち込んできたな。）
（アモンみたいに俺もドキドキさせられるかな……。）
（本当抜かりねぇよなこいつ。）
ルカスの場合
『健康面はもちろん身体的な面も私が徹底管理して私に任せて欲しいな。そして夜は一緒のベットで寝て、朝はベットから出れないように私が絡みついて暖をとりたいなぁ。 』
（さっすがルカス様！主様の為にすごいなぁ）
※ラムリはルカスの強火担なので全肯定です。
（ルカスさんらしいというか…。主様にとっては刺激が強そうですけどね。）
（お前の欲という欲をぶち込んだような考えだな。絶対にお前と主様の同棲は私が阻止してやる。）
ナックの場合
『朝から晩まで私が傍にいて癒しをあげたちですね。ずっと主様の近くに私はいたいので。夜は主様の寝顔を見ながら眠りにつきたいです。』
（ナックくんらしいなぁ……ふふ。）
（キザナックと四六時中一緒かぁ主様可哀想だな。）
ラムリの場合
『僕は毎日主様を楽しませたいです！僕がご飯を作って、主様にアーンして食べさせてあげたいです！夜はぎゅーっして寝たいです！』
（ラムリ君らしいね……。）
（ご飯を作らせるのだけは阻止しなければ…。）
ミヤジの場合
『そうだね…私は主様と同棲するなら、毎日を私といるのが楽しいと思わせたいかな。私といて安心するという環境を作ってずっと一緒にいたい…かな。』
（ミヤジ先生らしいですね。）
（ミヤジ先生も依存させようとしてる？）
（ミヤジも、依存させようとしてるな。
ふふ、私と似たのかな。）
ラト君の場合
『ふふ、私は主様とずっと一緒にいたいので、家からは絶対に出しません。部屋にずっと縛り付けて私と一緒にいてもらいます。どうしても逃げたい場合は一度逃がしてまた捕まえに行きます。ふふ、主様と鬼ごっこできるの楽しみですね。』
（ラト君……。）
（監禁ってことだよね？それ。怖…。
阻止しなきゃ。）
フルーレの場合
『俺は主様のために服を作りたいですね。
主様が毎日笑顔でいてくれたら…俺も嬉しいですし、俺の作った服を着て一緒にお出かけするのも楽しそうです。』
（フルーレ君らしいね。）
（フフ、フルーレの作った服を着てる主様は綺麗ですからね。）
ハナマルの場合
『俺は朝はゆっくりさせて遅めのご飯を食べて昼は一緒に家でゆったり過ごして夜は一緒のベットで寝たいねぇ。眠れない夜は晩酌をするのもいいなぁ。』
（同じベットなのが解せません。）
（ハナマルさんのことだから主様になんかしそうだし。）
※信用のない36歳。
ユーハンの場合
『私は主様の生活を全面的に支えてあげたいです。起床から就寝まで、私がお手伝いしたいです。主様の手を煩わせることもなく私に全部頼って欲しいです。』
（ユーハンちゃん…恐ろしい子……っ！）
（凄い忠誠心です！）
テディの場合
『俺は主様に、毎日ラッキーなことが起きるように俺がずっとそばにいます！俺の力で笑顔になれたら嬉しいですね。俺と一緒にお出かけしていちごタルトを沢山食べられたらいいなぁって思います！』
（テディちゃんらしいなぁ…。）
（ふふ、テディさんらしくて安心しました。）
ベレンの場合
『おれはそうだなぁ…主様のことを甘やかして俺に依存して欲しいかなぁ。俺がいないとダメな人になって欲しいな……。』
（すごいことをはっきり言ったな。）
（隠すこともなく依存と言いましたねベレン…。）
シロの場合
『我は…あやつが傍にいれば毎日退屈しなくて済みそうだ。…夜は安眠できるよう我が傍にいる。』
（シロらしいというか……うん。らしすぎてむしろ安心。）
会議終了
『み、みなさんそれぞれ凄かったですね。』
『いえ、普通です。』
『ベリアンさん酔ってますね？』
『いや、でも待てよ。主様と同棲したらそれ以前に主様の恥ずかしい姿が沢山見られるってことじゃね？』
『( ﾟдﾟ)ﾊｯ!』（一部の執事）
（主様の恥ずかしい姿…？）
（以下妄想です）
朝が弱い主様……寝相が悪くて部屋着がめくれて……。
『んん…？あ、ご、ごめん…っ。』
着替え中に部屋に入った時……。
『き、着替え中だって！』
夜、可愛い寝顔が……。
『…すぅ、すぅ…。』
（それを俺＼僕／私だけが見られる――。）
『みんな妄想の世界に入ってるな。』
『はぁ、邪な奴らだ。』
『ん？でも待てよ。』
『どうしたんですか？ハナマルさん。』
『いや、こうして1人ずつ話したけどさぁ。誰が主様と同棲するか、だよな？問題は。』
『( ‘-’ )』
『俺たちの中で1人…主様が1人選ぶんだ。そして、誰を選ぶかは主様次第だ。』
『…えぇ。盲点でした。』
チャキッ
みんなは武器を構える。
翌朝――。
『ふわぁ…よく寝た…。』
（起きたらムーちゃんいなかったな……早起きだねぇ。ムーちゃんは。）
『みなさんやめてくださいー！』
食堂からムーちゃんの声がする。
『ムーちゃん？どうした――の…』
食堂で執事たちが武器を構えて喧嘩してた。
『朝起きて食堂に来たらこうなってたんです！主様止めてくださいー！』
『ヽ( ﾟ∀ﾟ)ﾉ┌┛)`Дﾟ)･;‘』
『ﾎﾟｶﾎﾟｶ((꜆꜄ ˙꒳˙)꜆꜄꜆ ꜀꜂꜀(˙꒳˙꜂꜀))ﾎﾟｶﾎﾟｶ』
『(っ･д･)≡⊃)3ﾟ)∵』
『みんなやめなさい、ほら、喧嘩しないで…。』
ぼふっ！
頭の上にクッションが飛んでくる。
『……。(╬ ˙-˙ )やめなさーい！！』
『∑( ˙ ꒳ ˙ )あ、主様！？』
数時間後。
『ぐす、ぐすんっ。』
ムーちゃんは泣いて私の胸にしがみつく。
『いい大人が喧嘩してムーちゃんを泣かせるなんて！』
『す、すみません、主様…。』
『ムーちゃん怖かったね…。』
『(´⌒`｡)ｸﾞｽﾝ』
『ム、ムー、悪かった、だから泣き止んでくれないか？』
『ムーちゃんを泣かせて食堂をめちゃくちゃにしたみんなには罰を与えます。』
『:( ˙꒳˙ ):ﾋｪｯ』
主様が般若の顔をする。
『ベリアン、君はこの部屋を片付けて。この会議の発端はベリアンだよね？』
『は、はい。その通りです。』
『ロノ、君は筋トレ100セットね。』
『ひゃ、100セットぉ！？』
『バスティン、君はムーちゃんのもふもふ今日1日禁止。』
『あ、主様、それだけは……！』
『ハウレス、君はおやつの焼き菓子禁止。』
『は、はい…。』
『フェネス、君はきのこ今日1日禁止。』
『はい…。』
『ボスキ、君は今日のご飯で野菜を完食すること。』
『うぐ…』
『アモン、君はきのこを食べること。』
『こ、酷っすよ主様ァ…。』
『ルカス、君は今日だけワイン禁止。』
『…はい。』
『ナック、君はベリアンとこの部屋を片付けて。』
『かしこまりました…。』
『ラムリ、君はげこちゃん今日1日禁止。』
『そんなー！』
『ミヤジ、君は激辛料理今日1日禁止。』
『わ、わかったよ、主様。』
『ラト、君は今日1日パセリ禁止。』
『残念ですね…。』
『フルーレ、君はピーマンを食べること。』
『や、野菜の中で特に苦手なのに……。』
『ハナマル、君は今日1日お酒禁止。』
『お、お慈悲を…』
『ユーハン、君は今日1日あんまん禁止。』
『…かしこまりました。』
『テディ、君は今日1日いちごタルト禁止ね。』
『……はい。』
『ベレン、君はトマトとバジル以外の野菜を食べること。』
『はぁい。』
『シロ、君は今日1日メープルワッフル禁止ね。』
『……あぁ。』
『ロノ、ムーちゃんにささみを忘れずにね。』
『は、はい。』
やる時はやる厳しい主様なのでした……
めでたしめでたし
コメント
12件
主様がいちばん怖いことを知った、執事達であった。
待って、面白すぎ🤣むーちゃん泣かせちゃ行けないランキング1位だ笑
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