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⚠️注意!⚠️
吐血有り
暴力有り
「奥様、ごめん」
天国に居る奥様になんて言い訳しようかな。守り切れなかった言い訳。
「ヴィシー!」
ドイツ兵が居なくなった後、ご主人は泣き叫んでいた。
jeも泣きたかった。でも、何もできなかったjeに泣く権利なんて無い。一人のドイツ兵がご主人の泣き声に気付いたのかこっちに銃口を向けていた。
ここからの距離じゃ、避けるなんてできない。
ご主人を守る事しか考えてなかった。
だからjeは、ご主人を覆うようにして被さり、銃弾に直撃した。
「あ”」
痛かった。でも、ドールはやっぱり頑丈だ。この程度じゃ死なない。でも、内臓が一、二個はやられたかも。
「ヤケクソなんだから!」
ドイツ兵から銃を取り上げて頭を思いっ切り殴った。ドンッと鈍い音が聞こえる。
ドイツ兵は返り討ちにできたみたい。
「ガバッ」
jeの口から血が出てくる。無理な動きしすぎたみたい。
「仏華!」
倒れそうになったjeをご主人がキャッチしてくれた。
「ご主人ナイス」
親指を立ててグッドポーズを見せる。
「馬鹿馬鹿!jeにあんたまで失わせるつもり?!」
「jeはこんなんじゃ死ないよ」
ヘラヘラ笑って見せるものの、ご主人の目からは涙が止めどなく流ていた。
「あと十分ぐらいしたら走れるぐらいにはなる大丈夫だよ。だからさ、泣かないでよ」
ポケットに入っていたハンカチでご主人の涙を拭う。
「あ、でも、十分待ってる間にドイツ兵が来ちゃうか。ご主人、本当に悪いけどさ、jeのこと背負ってくんない?」
「別に良いけど、どこに逃げるつもり?」
ご主人がjeの事をおんぶしてそう尋ねる。
「ヨーロッパで唯一ドイツに宣戦布告して生き残ってる国」
此処まで言えば察しの良いご主人なら気付く。