今回は、一途で健気な女の子のお話です。
お楽しみください…
貴方が始めて、貴方が終わらせた恋。
最初に想いを寄せたのは私の方からだった。
一年越しの片想い。
けれど、貴方も次第に私の声に魅了され、「私」という人物に惹かれていく。
両片想い。嘘、両想い。
気付いているけど、気付いてないフリをする。だって、その方がドキドキもワクワクも、初心に、沢山感じられるでしょう?
それに、貴方も気付かないフリだもの。
お互い平然を装って、私は好きを露わにして、貴方は好きを隠して思わせぶり。
本当に意地悪な人。だけど、そんなところも愛おしい。
貴方が想いを告げるまでに、そう時間は掛からなかった。
「こんな僕でよければ、これから彼女として、隣で笑っていてくれますか?」
これから先、二度と聞くことの無いような、とてもロマンティックな告白。
あの時の私は夢見心地…幼い頃から憧れを抱いていた、童話のお姫様にでもなった気分だった。
「私でよければ…喜んで!」
そこから始まった私達の幸せ。
けれども、それは一瞬にして幕を下ろした。
付き合ってからの日々は幸せで満ち溢れていた。だが、二月が経とうとした頃、幾つもの壁が現れる。全てを乗り越える前に、貴方は私が邪魔になったみたい。
一方的に突き放されて、儚く散った。
自分勝手で、冷たい人…だけど、それでも私は貴方が恋しい…
片想い。違う、そんな綺麗な言葉じゃない。
これはただの、一方通行で、届くことの無い想い。
…時間を巻き戻せたら、どれだけ良いことか。なーんて、ばかなことを考えてしまう。
あぁ…嫌、今は現実なんて見たくもない。
幸せな日々、貴方と私が写る写真。時が止まったまま、私達の愛を描いている。
忘れることの無い、夢のような時間…愛に溢れた思い出達を起こしながら、涙がひとつ…言葉もひとつ、零れてゆく。
「ねぇ、あの日にかえろうよ…」
コメント
3件
なんとまぁ健気な事でしょう。かわいい。めためた好きです。バッドエンドなのに綺麗なの凄い尊敬します 儚い…_(┐「ε:)_童話のお姫様に僕もなりたいです((