テラーノベル
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※attention.
こちらの作品は、
作詞作曲カンザキイオリ様の作品である
『あの夏が飽和する。』の
類司パロディです。
死ネタ、個人解釈、クズ代、闇司等有り
進級前です。
今回、クズ代出てきます。
自分の声が、ひどく落ち着いて聞こえた。君は、目を丸く開いて凄く驚いた顔で頭の上に?が浮かんでいたのが見える。
僕は、君の右手を包み込んで続けて言った。
「…君一人で終わる話じゃないだろう?」
「少なくとも、今は…」
君は、信じられないものを見るみたいに僕を見ていた。
そして、僕は未だに震える自分より小さくて今では脆くなってしまった彼の手を優しく握った。
彼はかなり困惑している様子だった。不安と哀しみの色が彼のアプリコットの宝石の様な瞳に写っていた。
「……類?」
「大丈夫、」
僕は、優しく微笑んで言った。
この夏がどこへ向かうか、僕らは、これからどうするか、分かっていながら。
「僕達二人なら、どこにでも行けるよ」
その瞬間僕達の形の無い夏は、音もなく歪み始めた。
冷たいドロドロに溶けた金属の様なものが僕と君の心を隠すように覆って行くような気がした。
それから君が黙り込んでいる間に、僕は自室のガレージの奥へと向かった。
レシートと小銭がパンパン詰まった財布を手に取った。
中身を確かめる必要はなかった。
足りるかどうかより、
「持っていく」という行為が必要だった。
引き出しを開けて、ナイフを一本。
これは護身用だなんて、
そんな綺麗な理由は後からつければいい。
携帯ゲームもスマホも鞄に放り込む。
現実から目を逸らすための道具として、
これ以上適したものはなかった。
そのあとで、僕は“いらない物”を選び始めた。クローゼットを開けたすぐ目の前に
そこに掛かっていたのは、
何度も着て舞台に立った瑞希に仕立ててもらったショーの衣装。
紫と青を基調とし自身の目の色と同じ黄色が僕の好奇心の様に跳ねている。
使い込まれたそれには、沢山の思い出が詰まっていた。
初めて君と衝突したポテトゴースト、寧々の歌声が天に届き魔法の様に降ったクリスマス、えむくんに勇気と希望、そして笑顔を与えてくれた大切な仲間との思い出の衣装
一瞬だけ、指が止まるが…
けれど、ためらいはそれだけだった
工具箱から出したハサミで肌触りが良いリネンの布を引き裂く音が部屋に乾いた音で響いた。
まるで、今までの思い出がどうでも良かったかの様に。
棚の上やトタンの天井、ソファの上や机に乗って君の傍に転がっているネネロボと同様に長年、大切にしてきたロボット達。
壊れるたびに直して、名前をつけて、
僕の孤独をほんの少しでも緩和させてくれた大切な存在。
これだけは、寧々やえむくんの為に残して置こうか迷ったが
その事を考えたのは、一瞬に過ぎず手に取った君のリオ役の特訓用に作ったフェニックスの雛の形をしたロボットを手に取り
床に落とし、工具箱から金属製のハンマー取り出し力いっぱい握り締め
金属の割れる音は、思ったより呆気なく。
他のロボットやドローン、作り途中だった君に渡す予定だったアングレカムの造花までも全て壊した。
最後に残ったのが、仲間と共に撮った写真達だった。
ワンダーランズ×ショウタイムの
座長の君、道化師のえむくん、歌姫の寧々、そして演出家の僕。
四人で写った、数え切れないほどのお客さんや僕達の笑顔。
あの時の僕は、確かにここにいた。
あの日、君が僕を孤独という真っ暗な場所から救いあげてくれたから僕の今はいる。
他にも君は、僕達が一番初めに公演したショーではネネロボの充電が切れてショーを無理やり中断し初めての公演が失敗してしまったあの夕暮れに当たった僕達の寂しくまだまだ未熟だった影、その時僕らはバラバラになってしまった。
けれど、君はまた全員を集めた
傍から見たら綺麗事を並べている様に見えるかもしてない、けど、…そんな君に僕は、恋をしたんだ。
しかし、君は、皆の一等星だった。
僕は、君が誰かのものになるのが嫌で嫌で毎日仕方がなかった、でもこの感情はきっと君には負担になると思ったでも、…
君は、もう僕の所へと来た時点で間違いだよ。
そして僕は、1枚写真を手に取りビリビリに破いた。写真特有のインクのツンと鼻に来る匂いがそれで良かったの?と僕の心に誰かが言っているみたいに僕の胸に刺さりヒラヒラと髪が床へ寂しく落ちていった。
僕は手を止めなかった。
一枚ずつ、確実に破いた。
皆の、僕の笑顔が裂けて、指先に紙と乾いたインクの感触だけが手に残残った。
そして床をふと見ると僕の大切で生き甲斐の、ずっとずっと、毎日毎晩書いていた演出案、まだ作り途中の物だったり、今度君に試そうと思っていた物、これがあったからこそロボットや君とショーを出来たと思っていたけど。
今の僕達には、もう必要なんて無かった。
続く………300
コメント
7件
なんで、類って司くんのこと司って呼ばないんだろ
おぉ…すごい…!今回も最高に良かったです!!とくに最後!最後の切り方?がめっちゃくちゃ良かったです!!続きが楽しみです!
待ってました! 今回も題名からわくわくしました!笑 最後の「今の僕達には必要なんてなかった」っていう切り方天才ですか!?!? 続き楽しみにしてます!!!✨✨ (マイリスト追加失礼します!)