俺は、赤崎健二。高校二年の普通の十七歳だ。
俺には、小学生から付き合いが長い、幼馴染の「柳谷葵」という女が居る。
健二「よう、葵。今日、遊びに行かないか?」
葵「健二と?ごめんね。今忙しいから、他の子でも誘ったらどう?」
健二「そんな寂しいこと言うなよ…。仕方ない。また、今度誘うわ。じゃあな!」
葵「うん。今度、暇な時誘ってね☆」
そう言い残して、俺は葵の前から姿を消した。
健二「はぁ…。今日も葵と遊ぶ事が出来なかったなぁ。もう半年くらい遊んでないな…。アイツ。最近、俺と遊ぶ事を遠ざけてる気がするな…」
俺は、小学生の頃から葵に好意を抱いていた。
本格的に想いを寄せ始めたのは、中学三年の頃だった。
葵は、中学時代、学年で「トップクラス」の成績を持っていて、生徒会では「副会長」を勤めていた程だ。
クラスでも一番の人気があり、学年の「アイドル的存在」と言ってもいいくらいだった。
そんな葵は、周りの男子から人気が有り過ぎて、色んな男に呼ばれては、告白される程だった。
付き合ったかまでは、不明だがな。
健二「はぁ…。あの頃が懐かしいぜ…」
自販機で飲み物を買い、彼女との過去を思い出していたら、一人の男がこっちへ向かってきた。
亮「よう!健二!そんな所で何してんだ?」
健二「ん?おう、亮じゃないか。見ての通り、飲みもん買ってただけだぜ」
コイツの名は、緑川亮。俺のクラスメイトで親友だ。
亮「ホントか?深刻な顔してた気が…。てか、俺にもなんか買ってくれよ~」
健二「嫌だね…。自分で買えばいいじゃねぇか。俺だってバイトしてコツコツ貯めてるんだからよ」
亮「ちっ、つれないやつだな。親友だから別に良いじゃねぇかよ!」
健二「うるせぇな。帰れ!」
亮「ひ、酷い。葵ちゃんが泣くぞ~!」
健二「何で葵が出てくるんだよ」
亮「お前が葵ちゃんに好意を抱いてるのは、知ってるぜ?もし、この事を知った葵ちゃんがどう反応するか楽しみだねー!♪」
健二「ぐっ…。わーったよ…。そこまで言うなら奢ってやる…」
亮「おーー!流石、俺の親友!それでこそ健二だ!」
健二「よく言うよ…。脅したクセに…。ったく…」
コイツとも、小学生からの長い付き合いでクラスも部活も一緒だった。
成績はイマイチだが、運動神経に関しては、ズバ抜けていた。いわゆる、「運動バカ」って奴だ。
小学時代では、サッカー倶楽部に通い、中学、高校でサッカー部に所属。
亮は、女子からかなり人気があった。今は、どうかは知らんがな。
まあ、それはさておき。逆に俺は、サッカーの腕はイマイチだが、成績に関しては、そこそこ良かった方だ。
でも、俺はコイツに嫉妬している。
もしかしたら、「葵も亮の事が好きなのかもしれない」と言う不安があるからだ。
まあ、真実はどうあれ葵が好きなように動いてくれればそれで良いのだが…。なんかな…。
亮「なあ、健二?今日、俺と一緒に帰らね?」
健二「あん?誰が脅した奴と帰るか!一人で帰れ!」
亮「わ、悪かったよ~!親友だろ?許してくれよ~」
健二「ったく…。しょーがねぇな…。一緒に帰ってやる。途中、ワクドナルド寄ってくけど良いよな?」
亮「おう!良いぜ!」
健二「お前も行くか?」
亮「勿論!最近、行ってなかったからなぁ!てか、なんだ?もしかして、奢ってくれるんか?☆」
健二「アホか。自分で買え!これ以上は、奢らん!」
亮「嘘、嘘。冗談だよ♪」
健二「やれやれ…」
そう言い、俺達は寄り道をしながら家に帰った。
つづく
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