らんは言葉通り取引先の会社との手続きをし、今後も桃乃家が支えるが、こちらからの支援を常に送ることは出来ない、との取引を済ませた。段取りが終わると、すちに報告し、
らんの座は桃乃家の英雄と呼ばれていた時代は過ぎた。
いるまから聞いたが、それによって周りの高家な人も桃乃への執着は減った、
「らんッ、ごめん…」
あたしはずっと、らんに謝ってた。
あたしのせいでその決断をさせたなら、あたしのせいでらんの全てを奪ったなら、
申し訳なかったから。
「…なぁらん。」
廊下に出た途端話しかけてきたのはいるま。
「お前、自分じゃなくても、よかったんじゃね?」
「…何が言いたい?」
「お前、実はこさめのとこも、なつのとこも契約してて、外そうと思えば外せた、」
「実際、なつもこさも桃乃家と契約してから今の立場になれた。」
「…取引を消せば、あいつらの座なんて落とせた。」
「そうだろ?」
「……らん、まじで?」
「……。(歩」
「なぁらんッ!!両親の座を守りたかったんじゃねぇの…ッ、」
「…は?」
「顔も記憶もねぇのに、いつまでもその座守って、なつもこさも、終わらしたところで他が言い寄ってくる座守れっ?」
「…馬鹿かよ」
「私は平民でよかった。」
「ッ…らん、それはあたし達と会いたくなかったってこと?」
違う、そうじゃないけど、
なんて少しでも否定の言葉を待っていた。
なのに。
「…そうだね。」
「あの時、なつと会わなければとっととこの人生終わらしてた。」
「何も面白くねぇ、この下らない人生を。」
「ッ“…恩人は嘘かよッ」
「…今となってはそう。」
「…とにかくもう関わんないで」
「私とあなた達は住む世界が違う。」
「…ッなんだよ、、、」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「そっか~らんらん、もう話さないでって言うように…。 」
「なら俺らも関わらない方がいいね」
「…らんらんは、それでよかったんかな」
「本当はあの仕事、好きだったんじゃ…」
「いやいや~らんちゃん、あれだけ大変な仕事好きなら相当なM。」
「…まぁでも、間違ってはねぇだろ。」
「さいて~。」
「…この場にあいつはいないのに、なんでこれだけあいつの話題で話が進むんだよ。」
「…みんな、らんらんには借りがあって、その上、感謝してるでしょ?」
「そうだな。」
口を揃えて吐いたその言葉は、今となっては本人には届かない。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「…感謝、ね、」
屋上より1つ下の階段から、その言葉を耳にした私は、もちろん戻る気なんて更々ない、
だからこそ、その感謝もいつしか記憶から消えていく。
成り上がろうと思えば取引会社への貢献で立ち上がれる、だけどそれをして何か私に得がある訳でもない。
なので私は平民として人生を歩む。
それでいいや、
「戻るかな、」
ガラッ
バッシャーンッ
「ははッ……ポタポタッ」
そう、簡単には終わらない、か。
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