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光バージョン
鏡の圭吾の冷たい瞳が少しずつ柔らかくなる。
「お前の闇を恐れていた。でも、今ならわかる。闇があるからこそ光が輝くってことを。」
現実の圭吾はその言葉に希望を見いだし、鏡の圭吾に手を差し伸べる。
「俺たち、二人で一つの光になろう。」
二つの意識がゆっくりと溶け合い始める。
胸の奥で痛みと哀しみが消え、代わりに温かく強い光が広がる。
圭吾の身体がまばゆい輝きを帯び、影に縛られた過去が浄化されていく。
一方、志乃は遠くからその光を感じ取り、涙をこぼす。
「圭吾……やっと戻ってきてくれた。」
颯太も静かに頷く。
「これで終わりじゃない。
でも、希望はここにある。」
闇バージョン
鏡の圭吾の瞳が深い黒闇に染まっていく。
「光なんて、もういらない。
俺は影の王だ。この闇こそが真実の俺だ。」
現実の圭吾は恐怖と混乱の入り混じった表情で後ずさる。
「お前は……何をするつもりだ?」
鏡の圭吾は冷笑を浮かべ、ゆっくりと手を伸ばす。
「俺の力を完全に手に入れる。
そうすれば、誰にも縛られずに自由になれる。」
その瞬間、闇のオーラが圭吾を包み込み、
彼の内なる影が解き放たれる。
志乃と颯太は闇の気配を感じ、焦燥と絶望を覚える。
「圭吾……戻ってきて……!」
だが、その声は闇の深淵に飲み込まれていく。
闇に染まった圭吾は強大な力で敵を圧倒し、
新たな運命の波を起こす。
しかしその代償に、彼の心の一部が闇に染まりきり、
愛する者たちとの距離も大きく広がってしまう。
「俺はこの闇と共に生きる。
たとえ孤独でも、それが俺の選んだ道だ。」
物語は陰鬱な影の章へと突入し、
愛と闇の葛藤が深まっていく――。